答弁本文情報
令和元年十月十五日受領答弁第一号
内閣衆質二〇〇第一号
令和元年十月十五日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員松原仁君提出小笠原諸島における中国漁船宝石サンゴ密漁による海底環境への悪影響に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員松原仁君提出小笠原諸島における中国漁船宝石サンゴ密漁による海底環境への悪影響に関する質問に対する答弁書
一の1について
御指摘の先の答弁書(令和元年六月二十一日内閣衆質一九八第二一三号。以下「前回答弁書」という。)において「小笠原諸島周辺海域における御指摘の漁網片が、現時点で当該海域の環境に深刻な影響を及ぼしているとまでは考えておらず」と述べたのは、御指摘の平成二十六年度小笠原諸島周辺海域宝石サンゴ緊急対策事業報告書(以下「報告書」という。)において、遠隔操作無人探査機を用いた調査の結果、「宝石サンゴが確認されなかった調査地点・・・では残存漁具は発見されず、浅い水深や砂質の海底など環境が生息に適さないことが、宝石サンゴが出現しない理由であったと考えられる」や「魚類資源への影響については、・・・残存漁具によるゴーストフィッシングも発見されなかった」とされていることを踏まえてのものである。
一の2について
お尋ねの「深刻な影響」の判断については、個別の状況により様々であるため、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、水生生物が壊滅的な被害を受けている場合がこれに当たると考えている。
二について
お尋ねについては、前回答弁書で述べたとおり、漁網片が深刻な影響を及ぼしていないこと、また、漁網片等残存漁具以外の中国船による違法漁業の影響についても、報告書において「宝石サンゴ資源が壊滅的な被害を受けたわけではない」や「海底の性状からサンゴ網による操業痕跡と断定できるものは確認されず、今回の調査地点において違法操業が海底地形に大きな変化を与えた可能性は低い」とされていることを踏まえ、政府としては、小笠原諸島周辺海域における御指摘の中国船による違法漁業が、現時点で当該海域の環境に深刻な影響を及ぼしているとまでは考えておらず、御指摘の「政府が主導して、中国船による違法漁業の被害を受けた漁場の回復と維持を図ることを積極的に行うことを検討する」ことは、現時点では考えていない。