答弁本文情報
令和二年四月十日受領答弁第一五〇号
内閣衆質二〇一第一五〇号
令和二年四月十日
内閣総理大臣 安倍晋三
衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員下地幹郎君提出沖縄科学技術大学院大学(OIST)の沖縄振興に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員下地幹郎君提出沖縄科学技術大学院大学(OIST)の沖縄振興に関する再質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「雇用効果」を含む「沖縄県経済にもたらした経済効果」は、様々な要因が複合的に作用して変動するため、沖縄科学技術大学院大学(以下「大学院大学」という。)の設置による効果のみを定量的に把握することは困難である。
二について
お尋ねの「沖縄の振興及び自立的発展」への寄与については、先の答弁書(令和二年三月二十四日内閣衆質二〇一第一一〇号)一、二及び六についてでお答えしたとおり、大学院大学は、国際的に卓越した科学技術に関する教育研究を行うことを目的とし、そうした教育研究の取組により、シュプリンガー・ネイチャー社が令和元年六月に公表した自然科学分野における各研究機関が発表した論文数に対する質の高い論文数の割合のランキングにおいて、日本の研究機関で第一位、世界の研究機関で第九位となるなどの成果を挙げるとともに、沖縄県内に大学院大学での研究成果を活用したベンチャーが二社設立され、また、複数分野の企業との共同研究が行われるなどの産学連携を始めとした様々な成果を挙げている。大学院大学において、このような成果を挙げることにより、沖縄が科学技術の情報発信・交流の拠点に成長して沖縄の科学技術分野における世界的な知名度の向上が図られること、大学院大学等を中心として様々なプレイヤーが相互に関与して絶え間なくイノベーションが創出されるイノベーション・エコシステムが形成されること、世界の一流の科学技術人材が集まること等を通じて沖縄の科学技術人材の育成や地域の活性化に貢献すること等で、沖縄の振興及び自立的発展に寄与するものと考えている。
三について
大学院大学と東京大学及び京都大学とは、その歴史の長さ、規模等が異なることから、お尋ねの「費用対効果」について、単純に比較することは適当でないと考えている。
四について
お尋ねの「OISTの研究成果がどのように活用されたのか」については、タンパク質等の分子構造の三次元可視化技術に係る研究成果が活用されたベンチャー及び微生物を用いた廃水処理技術に係る研究成果が活用されたベンチャーがあると承知している。
お尋ねの「具体的な事業内容と企業規模」、「収益の現状」、「地元企業との提携の有無」及び「地元企業への技術移転の有無」については、個別の企業に関することであり、お答えを差し控えたい。
お尋ねの「ベンチャー二社の事業に関連したOISTの研究プロジェクトに支出された費用の総額とその内訳(人件費を含む)」については、ベンチャー二社は大学院大学の研究ユニットが創出した研究成果の一部を活用しているものであり、当該ユニットの予算からベンチャー二社の事業に関連した費用のみを抽出してお答えすることは困難である。
お尋ねの「沖縄県経済への波及効果」は、様々な要因が複合的に作用して変動するため、大学院大学での研究成果を活用したベンチャー二社に係る効果のみを把握することは困難である。
五について
お尋ねについては、先の答弁書(令和二年三月二十四日内閣衆質二〇一第一一二号)六についてでお答えしたとおりである。