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答弁本文情報

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令和二年六月九日受領
答弁第二一三号

  内閣衆質二〇一第二一三号
  令和二年六月九日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員阿部知子君提出ALPS処理水の濃度に考慮されていない核種があることに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員阿部知子君提出ALPS処理水の濃度に考慮されていない核種があることに関する質問に対する答弁書


一について

 御指摘の「東京電力が「考察・まとめ」で示した@Aの考え方」は、令和元年六月十七日に開催した原子力規制委員会特定原子力施設監視・評価検討会(以下「監視・評価検討会」という。)第七十二回会合において、東京電力ホールディングス株式会社(以下「東京電力」という。)が説明したものであるが、これが「今後もALPS処理水の取扱いにおいて維持される」かについては、東京電力が、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第六十四条の三第二項の規定に基づき、「福島第一原子力発電所 特定原子力施設に係る実施計画」(令和二年五月二十七日付け変更認可。以下「実施計画」という。)における多核種除去設備等処理水の取扱いに係る実施計画の変更の認可の申請書を提出すれば、原子力規制委員会において審査することとなる。

二の1について

 監視・評価検討会第七十二回会合において、東京電力が、御指摘のように「東京電力は全タンクを測定し、告示比総和にC−14を考慮する」との認識を示したことは、原子力規制庁において把握している。

二の2について

 お尋ねについては、トリチウムは多核種除去設備等によって取り除くことができないこと等を踏まえ、原子力災害対策本部の下に設置された多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会が令和二年二月十日に公表した報告書(以下「報告書」という。)において、「トリチウム以外の放射性物質について告示濃度限度比総和一未満を満たすことを今後の対応方針として決定」とされており、多核種除去設備等処理水の「二次処理」の対象にトリチウムを含まないこととされている。

二の3について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、今後も、多核種除去設備等処理水の取扱いについて、広く全国から意見を聴くことができるようにするため、書面での意見募集を行い、また、報告書を踏まえ、地元自治体や農林水産業者を始めとした幅広い関係者から意見を聴いてまいりたい。

三の1について

 お尋ねの「特定原子力施設への指定に際し東京電力株式会社福島第一原子力発電所に対して求める措置を講ずべき事項について」は、東京電力に対し、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)において、「特に施設内に保管されている発災以降発生した瓦礫や汚染水等による敷地境界における実効線量(施設全体からの放射性物質の追加的放出を含む実効線量の評価値)を、平成二十五年三月までに年間一ミリシーベルト未満とすること」を求めており、これは平成二十五年三月に達成された。
 その後、同年四月に地下貯水槽に貯蔵されていた汚染水が漏えいし、この拡大を防ぐため、当該汚染水が敷地境界近くのタンクに移送されたこと等により、敷地境界における実効線量(施設全体からの放射性物質の追加的放出を含む実効線量の評価値。以下三の1について及び三の3及び4についてにおいて同じ。)が年間一ミリシーベルトを上回ることとなった。このため、更なる線量低減対策等の措置が講じられ、平成二十八年三月に再度敷地境界における実効線量が年間一ミリシーベルト未満となった。

三の2について

 原子力規制庁において、福島第一原発の敷地からくみ上げた地下水等の排水に起因する実効線量が年間〇・二二ミリシーベルトであることを確認している。
 また、実施計画において、当該敷地からくみ上げた地下水等の排水以外に起因する年間の当該敷地境界における実効線量の内訳について、気体廃棄物放出に起因する実効線量が年間約〇・〇三ミリシーベルト、敷地内各施設からの直接線及びスカイシャインに起因する実効線量が年間約〇・五九ミリシーベルト、構内散水したせき内雨水の処理済水のトリチウムの吸入摂取に起因する実効線量が年間約〇・〇三三ミリシーベルト、構内散水した第五号機及び第六号機滞留水の処理済水の地表に沈着した放射性物質からのガンマ線に起因する実効線量が年間約〇・〇四二ミリシーベルトであるとされていることを、原子力規制庁において確認している。

三の3及び4について

 原子力規制委員会は、東京電力に対して、敷地境界における実効線量を、年間一ミリシーベルト未満とすることを求めており、多核種除去設備等処理水の処分は、これを満たす範囲で行われることが必要であると認識している。
 また、御指摘の「液体廃棄物の排水に起因する実効線量の内訳は年〇・二二ミリシーベルト以内」については、東京電力が、実施計画において、トリチウムを一リットル当たり千五百ベクレルとする等の運用目標を満足するように、敷地内でくみ上げた地下水等を排水する場合に関する実効線量であり、多核種除去設備等処理水を処分する場合に関するものではない。

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