答弁本文情報
令和五年六月九日受領答弁第六九号
内閣衆質二一一第六九号
令和五年六月九日
内閣総理大臣 岸田文雄
衆議院議長 細田博之 殿
衆議院議員徳永久志君提出戸籍謄本等の交付にあたり使用する言語に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員徳永久志君提出戸籍謄本等の交付にあたり使用する言語に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「このような制度の元になるもの」及び「市町村長の一般事務として戸籍抄本の英訳であることを証明することは差支えないとの見解を踏襲している」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「昭和二十八年十月二十二日付日記戸第四一一七号静岡地方法務局長照会・同月三十一日付民事甲第二〇二六号民事局長回答」は、市区町村長が、請求に応じて、一般の行政証明として「戸籍抄本の英訳であることを証明する。」との証明文を交付することは差し支えないものと考える旨を回答したものである。
二について
お尋ねの「言語規定」の意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難であるが、戸籍は、日本国民の親族的身分関係を登録し、公証するものであるところ、その記載事項の表記については日本語を用いることを当然の前提としており、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)上、「英文による戸籍抄本の交付」に関する規定はない。
三、五及び六について
御指摘の「戸籍の多言語への翻訳を政府や自治体が行うように方針を変更すべき」、「翻訳した戸籍謄本も公文書とすべき」、「戸籍の正本は日本語で編製することを明示し」、「昨今の社会状況の変化にともなうとともに、海外留学者数の増加や国際結婚の妨げにならないように、英語、フランス語、中国語などを副言語として位置づけ」及び「戸籍謄本の翻訳に関して、法務大臣は戸籍法第三条でいうところの「市町村長が戸籍事務を処理するに当たりよるべき基準を定め」るべき」の意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、戸籍は、日本国民の親族的身分関係を登録し、公証するものであるところ、その記載事項の表記については日本語を用いることを当然の前提としており、法務省としては、この点につき、特段の問題があるとは考えておらず、「戸籍謄本」について、「多言語への翻訳」を行うことや、戸籍の記載事項の表記について、日本語でない言語を用いることは検討していない。
四について
お尋ねの「日本における戸籍の編製については、日本語で行うこと」の意味するところが必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難であるが、戸籍は、日本国民の親族的身分関係を登録し、公証するものであるところ、その記載事項の表記については日本語を用いることを当然の前提としている。
七について
お尋ねの「戸籍が横書き」の意味するところが必ずしも明らかではないが、戸籍法第百二十条第一項の戸籍証明書及び除籍証明書について、その記載は「横書き」でなされており、「電子情報処理組織を用いて戸籍事務を処理する制度の導入に関する民事行政審議会答申」(平成六年一月三十一日民事行政審議会答申)において、「戸籍及び除かれた戸籍の記録についての証明書」が「左横書き」とされた理由について、「近時の社会のすう勢にかんがみ、コンピュータシステムによる戸籍及び除かれた戸籍の記録についての証明書については、その様式を左横書きにし、併せてそれらに表示する数字もアラビア数字を用いるものとすべき」旨の説明がなされたものと承知している。
八について
二について、三、五及び六について並びに四についてでお答えしたとおり、戸籍は、日本国民の親族的身分関係を登録し、公証するものであるところ、その記載事項の表記については日本語を用いることを当然の前提としていることから、法務省としては、戸籍の記載事項の表記について、日本語でない言語を用いることは検討していない。
九について
御指摘の「現行の制度のひずみ、利便性の欠如が生じている」及びお尋ねの「この効力を停止するため」の意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難であるが、法務省としては、「戸籍謄本の翻訳を公文書として交付する制度を整備」することは予定していない。
十について
前段のお尋ねについては、仮定の質問であり、お答えすることは差し控えたい。
後段のお尋ねについては、「この現状」の意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。