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答弁本文情報

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令和八年十月十六日受領
答弁第三号

  内閣衆質二二二第三号
  令和八年十月十六日
内閣総理大臣 高市早苗

       衆議院議長 森 英介 殿

衆議院議員緒方林太郎君提出国際海峡の慣習国際法化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員緒方林太郎君提出国際海峡の慣習国際法化に関する質問に対する答弁書


一の1及び3について

 お尋ねの「不確定な面」については、海洋法に関する国際連合条約(平成八年条約第六号。以下「国連海洋法条約」という。)第三部に規定する国際航行に使用されている海峡における通過通航に関する制度(以下「通過通航制度」という。)に関する御指摘の「各国の実行の積み重ね」が十分でなかったため、同部のうち、いずれの規定が慣習国際法として成立していると言えるか政府として断定的に述べることが困難であるということを指すところ、令和八年二月末以降のホルムズ海峡をめぐる情勢を受け、政府として各国の実行等について改めて精査を行った結果、御指摘の「通過通航制度の中核的内容」については、慣習国際法として成立しているとの認識に至り、「不確定な面」の一部が解消されたものである。
 また、政府部内における当該精査の過程において、いつの時点で、お尋ねのように「考え方が変更されたのか」について断定的にお答えすることは困難であるが、政府参考人が「国連海洋法条約に規定する通過通航制度の中核的内容につきましては慣習国際法化している」との政府の認識について初めて述べたのは、同年五月二十二日の衆議院外務委員会においてである。

一の2について

 お尋ねの「各国の実行の積み重ね」は多岐にわたることから、網羅的にお答えすることは困難であるが、例えば、一部の沿岸国が国連海洋法条約の締約国ではないホルムズ海峡について、同海峡における合法的な通過通航又は航行の自由が認められるべき旨の国際連合安全保障理事会決議第二千八百十七号が採択されたことが挙げられる。

一の4について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、領海及び接続水域に関する法律(昭和五十二年法律第三十号)附則第二項に規定する特定海域に係る領海の幅を三海里としているのは、海洋国家及び先進工業国として、国際交通の要衝たる海峡における商船、大型タンカー等の自由な航行を保障することが総合的国益の観点から不可欠であること及び通過通航制度を導入するに際しては我が国の安全保障上の観点から慎重な対処が必要であることを踏まえたものであり、これらの根拠に基づき、引き続き同項の規定を維持することが適当であると考えている。

一の5について

 お尋ねについては、例えば、国連海洋法条約第五十三条の規定に基づき沿岸国が指定することができる「群島航路帯」の指定については、いかなる場合にどのような航路帯の指定が許容されるかについて、各国の実行の積み重ねが十分でなく不確定な面があると考えている。

二について

 お尋ねの「通過通航制度の中核的内容」については、国連海洋法条約第三十八条2に規定する「通過通航とは、この部の規定に従い、公海又は排他的経済水域の一部分と公海又は排他的経済水域の他の部分との間にある海峡において、航行及び上空飛行の自由が継続的かつ迅速な通過のためのみに行使されることをいう」の部分を指す。

三について

 国連海洋法条約第二十二条1は、「沿岸国は、航行の安全を考慮して必要な場合には、自国の領海において無害通航権を行使する外国船舶に対し、船舶の通航を規制するために自国が指定する航路帯及び設定する分離通航帯を使用するよう要求することができる」として、沿岸国の権利を定めているのに対し、国連海洋法条約第四十一条7は、同条1の規定に基づき沿岸国が「船舶の安全な通航を促進するために必要な場合」に指定した航路帯及び設定した分離通航帯を「尊重する」として、「通過通航中の船舶」の義務を定めているところ、お尋ねの「義務」について、これらの規定に基づき、単純に比較することは困難である。

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