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昭和二十五年七月二十一日提出
質問第三三号

 予防接種に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十五年七月二十一日

提出者  床次(注)二

          衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿




予防接種に関する質問主意書


 予防接種法に基き定期並びに臨時の接種が実施されているが、依然として予防接種を必要とする疾病が突発的に発生することが多く、しかも最近密入国者による感染の危險も増大している。しかるに反面において予防接種に要するワクチンは、嚴重な検定と特殊の保管を必要とするため、その配給を適切かつ速やかに実施する必要がある。
 この際、保健防疫対策上、予防接種に関する諸対策を強力に推進する必要があると思うが、次の諸点について質問する。

一 予防接種法の実施状況(各都道府県別)は如何。
 1実施が徹底せぬ理由は如何。
 2予防思想の普及徹底が不足ではないか。
 3経済的理由に基く者以外は、受益者から実費を徴收することになつているが、実施の普及徹底を期するためにもかつ社会保障の精神からしても、これを受益者負担としないことが得策ではないか。
二 需給調整と配給ルートの明確化について。
 ワクチンの生産に要する日数が相当長く、かつ長期の検定日数が加わるため、常に需要に適応した生産計画を樹てる必要があるのみならず、その配給についても防疫の実状に応じて適宜調整を要する。
  最近、痘苗、腸パラ、ワクチンにおいては相当な滯貨を生じている模様であるが場合によつては不足のために支障を生ずることもあるから需給調整を適正にし、かつ配給と代金決済方法が区々であるがこれを明確にし、配給業務が円滑に進行するようにする要あり。これが対策として次のことを提案する。
 1予防接種液を臨時物資需給調整法による医薬品等配給規則に基き配給統制とすること。
 2各都道府県では、中央に申請せる薬品購入の費用を確実に予算化すること。
 3中央配給機関並びに地方荷受機関を指定すること。
三 輸出の奬励と期限切れワクチンの補償。
  国策上からも、極力輸出に向け外貨獲得の一助とするとともに有効期限切れワクチンは国家において買い上げるべきと思うが、政府の見解如何。
四 予防接種による事故発生に対し適正措置の実施。
  予防接種をしない者に対し、三千円以下の罰則が設けられているが、この実施を励行するためには万一事故発生した場合は、それぞれ原因調査の上、必要と認められたときは、国家として見舞金その他適切な措置をとるべきと思うが政府の見解如何。
五 予防衛生研究所検定能力の強化。
  予防接種の時期は明示されており、なお臨時的のものが突発的に発生するため、現在の検定能力を昂める必要があると思うが、これが対策如何。
六 保管輸送に対する適切な措置。
  ワクチンは生産時のみならず最終使用に至るまでの保管輸送に周密な配慮を必要とするが、これが対策如何。

 右質問する。





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