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昭和二十五年七月二十七日提出
質問第五三号

 日本人の平和愛好精神養成に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和二十五年七月二十七日

提出者  (注)田甚太(注)

          衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿




日本人の平和愛好精神養成に関する質問主意書


 日本全国にわたり好い地点は大体占領軍占有であり、日本国であるにかかわらず「日本人立入るべからず」となつている。病院でも、風光明びの所でも、例外なくそうである。
 交通機関においても特別のものを使用しており、日本に航空路が再開されるといえば、外人指導のものである。憲法をもちながら国会もまた審議の自主権があるのかないのかという妙な論議をしなければならない。
 税金が高い、米価と賃金が安いといつても「占領下でございますから。」と申しわけしなければならない。しかし、これも限度まできている。このような情況の中で苦しんでいる国民は、「戰争には負けるものではない。」といつている。この時にあたり朝鮮人民共和国の南進が、日々の新聞に報ぜられている。苦しい生活をしている国民の中の相当多数には日本は負けるもの、米英は勝つ国という先入観があつたが、その強い国の強い圧迫感を朝鮮人民共和国の南進により失われつつあるような言葉を交わしている。
 このような傾向は、占領下の日本政府として好ましいものと思うか、どうか。
 又国富乏しき日本人が、日本を思うあまり、「われわれの先人達は海外にまで出ていたのに、今では国内の富まで外人專用である、戰争には負けるべきではない。日本のものすべてをこの民族で処理できる立場をかち得たい。」という考えのたい頭に対してはいいと思うか、惡いと思うか。
 これを放任すると和製ヒツトラーの登場となり、平和愛好国民にならねばならないわれわれの今後と逆にゆくような結果になりはしないか。
 第二次大戰においては、日本は侵略戰争を行い、それ故にこそ敗れたのだ、侵略戰争は惡いもの、そんな戰争はもうしたくないという国民を多く作り、占領下にあるが故に日本国民が戰勝思想へのあこがれをもつことに対し、いかにしてこれを克服してゆくか、その対策を明らかにされたい。

 右質問する。





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