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昭和二十五年十一月二十八日提出質問第七三号
腐朽校舎改築費補助に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和二十五年十一月二十八日
提出者 深澤義守
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
腐朽校舎改築費補助に関する質問主意書
政府は、文教政策の重要性を常に強調しているが、現実には文教政策を軽視している。その証拠として次の事実がある。
山梨県甲府市立相川小学校の北校舍は、建坪百五十五坪で、建物は木造かわらぶき二階建十教室の建物である。この校舍は、大正八年八月に建築されたものであり、三十一年を経過しているため、その腐朽はなはだしく危險性極りない。特に腐朽の完全に目立つ点を上げると、
2 階上、階下のくいちがいがはなはだしく傾いている。
3 倒壞防止のため、昭和十年周囲に二十六本の支柱をたてたが、これも腐朽が著しい。
4 床及び天井は腐朽のため波うつている。
5 はり、かもい、土台等は組手がはづれ、かもいは宙にぶら下つている。
その他不安定な箇所は至る処にあり、平穏な日においても、兒童の廊下歩行によつて校舍の振動がはげしく、落ち着いて授業ができない。
ことに、九月及び冬季は季節風のために校舍は搖れ、落ち着いて授業はできない。風速十メートル以上の場合は、柱のきしる音、床のあおり等で待避する状態である。昨年の冬は六回避難した。この校舍には、千名の兒童が收容されているが、父兄はすでに「大風が吹いた日には小供を学校にやらぬ。」と決議しているところもある。この状態に対して次の事項について、政府の明確なる答弁を求める。
二 又、地方自治体がこれら工事のため起債要求の場合は、即時認可さるべきことと考えるが如何。
三 政府は、今後腐朽校舍改築にどのような政策をもつて臨むつもりか。
右質問する。