衆議院

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昭和四十二年三月八日提出
質問第一号

 政府関係機関の抵当権設定のあり方に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和四十二年三月八日

提出者  春日一幸

          衆議院議長 石井光次郎 殿




政府関係機関の抵当権設定のあり方に関する質問主意書


 住宅金融公庫、雇用促進事業団等政府関係機関が産業労働者住宅等の建設に必要な資金を貸付けるに当たり、融資物件たる建物について第一順位の抵当権を設定させるとともにその建物の敷地が建設者の所有に属する場合には当該敷地についても第一順位の抵当権を設定させることとし、この場合当該敷地の上に既に他の債権者のために第一順位の抵当権が設定されているときは登記の抹消、順位の譲渡等必要な条件を充足しなければ、貸付をしない慣行のようであるが、これがため中小企業者は借入手続に難渋し、はなはだしく困惑を感じている。ついては、次の諸点につき政府の見解を承りたい。

一 融資物件たる建物には十分なる担保価値があると思うが、さらに当該敷地についても抵当権を設定させる理由はなにか。
二 当該敷地の上に既に第一順位の抵当権が設定されているときは、
 イ 債権の確保、保全上どのような支障があるか。
 ロ この場合、どのような条件を充足すれば貸付けることになるかをこの種の各政府関係機関ごとに明らかにせられたい。
三 民法第三百八十八条は、土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物のみに抵当権を設定し、債務不履行の結果、その抵当権が実行されたとき、建物の競落人は法定地上権を取得することにしている。この法定地上権が成立するためには、抵当権設定当時から当該土地上に建物の存在することが必要であり、建物なき更地に抵当権が設定されている場合、後に建物を建設しても法定地上権を生じないという戦前の判例があるが建物の存続を図り、その利用価値の維持に努むべきものとして、抵当権設定後に建設された建物のためにも法定地上権を認むべきであり、抵当権者がもしこれを欲しないならば、民法第三百八十九条により土地とともに建物を一括競売すれば足りるという学説もある。
  戦後における土地及び住宅の窮迫事情等を考慮するときは、土地及び建物の価値権と利用権を調和させるため、この学説のように解すべきであると考えるがどうか。
  また、立法論としてはどう考えるべきものであるか。
四 民法第三百八十八条が前記学説のように解せられる場合はもちろん、そうでない場合でも当該敷地に担保余力がある限り、債権の確保保全上支障がないから必ずしも第一順位の抵当権であることは必要ないと考えるがどうか。
五 開発銀行、中小企業金融公庫等が不動産に抵当権を設定させる場合には、担保余力がある限り、必ずしも第一順位であることを必要としていないことに比し、以上の取扱は均衡を欠き、担保物件の過大徴求、過少評価といえないか。
六 抵当権を設定させる場合には、借手の資格、信用、能力等を総合的に勘案して、弾力的な取扱をするのでなければ、当該政府関係機関を設置した政策的目的を達成することが事実上困難となると考えられるので現行の取扱に前記四のような改善を加うべきものと考えるがどうか。

 右質問する。



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