質問本文情報
昭和四十七年二月十四日提出質問第二号
同和対策事業特別措置法の施行状況に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和四十七年二月十四日
提出者 ※(注)崎弥之助
衆議院議長 ※(注)田 中 殿
同和対策事業特別措置法の施行状況に関する質問主意書
同和対策事業特別措置法は、昭和四十四年七月十日公布施行されてからすでに四十七年度は十ヵ年計画の四年目になる。しかし四十七年度予算案のうち、同和対策関係はわずか九十億円にしかすぎない。時限立法としてすでに三ヵ年を経過した今日の時期においてさえこのように同和予算が僅少であるという事実こそ、客観的には差別的予算といわざるをえない。四十七年度予算案審議を前にして以下の諸項目につき政府の誠意ある回答を具体的に要請する。
二 また同和対策長期計画に掲げられているすべての事業を国庫補助の対象とし、法第十条を適用されたい。
三 特別措置法第六条に規定する同和対策事業については、すべて同法第七条に規定する特別助成の対象とすること。
四 同法第六条に規定する同和対策事業に要する経費についてすべて起債を認めること。
五 同和対策事業にかかる国庫補助は、実際支出額をもつて補助基本額とすること。
六 同和対策事業を実施する土地(道路、住宅、牧草地等)の先行取得に要する経費に関する国庫補助制度を設けられたい。
七 特別措置法審議過程における各大臣確認事項を完全に実施されたい。
八 総理府に特別措置法に基づく部落問題解決の総合的な企画、立案、推進、各省連絡調整の専門の局を設置するとともに、各省にそれぞれ専門の課を設置されたい。
九 部落問題の完全解決のために就職の機会均等の権利を完全に保障する同和対策雇用促進法をすみやかに制定すること。
十 以上に基づいて四十七年度同和対策予算の修正をされたい。
以上の諸項目はいずれも特別措置法第六条(国の施策)を具体的に実施にうつすためには多様な同和対策事業を行なわねばならないが、その場合、実際の事業に対し特別措置法第二条の規定する同和対策事業の認定をしてもらいたいという要請にほかならない。
政府は、この法律の運用においてきわめて限られた事業にしか第二条にいう同和対策事業としての認定をしていない。ある都市では同和対策事業四十八種類のうち同和対策事業として国の認定をうけ補助をうけているのは、わずかに五事業にしかすぎないという現状である。また補助単価と実質単価との間にある大きな格差が各都府県市町村の財政負担を一層大きくし事業の推進を圧迫しているのが現状である。
結局、「答申」及び特別措置法の規定する部落問題解決についての国の責務を無視し、部落問題についての無理解から実際には従来から続けられてきた諸事業の根拠とされている一般法規に基づいて事業に当たつているにすぎないという現状認識から、以上の諸項目に対する政府見解を求める次第である。
右質問する。