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昭和四十七年二月二十二日受領
答弁第二号
(質問の 二)

  内閣衆質六八第二号
    昭和四十七年二月二十二日
内閣総理大臣 佐藤榮作

         衆議院議長 (注)田 中 殿

衆議院議員(注)崎弥之助君提出同和対策事業特別措置法の施行状況に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員(注)崎弥之助君提出同和対策事業特別措置法の施行状況に関する質問に対する答弁書



一 同和対策事業は、その内容が非常に多岐にわたり、必ずしも数量化することが容易でないものもあり、また必要とする事業の態様も実情に応じて流動的に考えていかなければならないという事情もあるが、政府としては昭和四十六年に全国同和地区調査を実施し、現在、これを関係各省において整理検討しているところである。
  今後、この調査結果及び近く実施予定の就業実態調査の結果を基礎資料として、同和対策長期計画の期間内に所期の目標に到達すべく計画の実施に努めてまいりたい。

二 同和対策長期計画には、各省別にその講ずべき施策が掲げられているが、同和対策地域において実施される高等学校等への進学奨励、同和地区集会所の整備、生活環境施設の整備、保育所・児童館等の整備、隣保館の運営、保健相談指導、農林漁業基盤の整備、農林漁業経営近代化施設の整備、小規模事業に対する経営指導、同和産業商品の開発、職業訓練施設の整備、職業訓練受講奨励金の支給、住宅地区改良(小集落地区改良等を含む。)、同和向け公営住宅の建設及び同和地域消防施設の整備等の事業を国庫補助の対象として採りあげることとしており、また、同地域における人権擁護活動の強化、学校・社会教育の充実、同和産業の振興に係る調査、就職の促進等に必要な経費についても所要の予算措置を講じているところであるが、今後ともその実態を考慮しつつ同和対策事業の円滑な推進が図られるよう配慮してまいりたい。
  また、同和対策事業特別措置法第十条は、同法の制定に際し、公営企業、準公営企業など、その事業の収入を当該地方債の元利償還金に充てることができる事業に対する地方債を除き、同法第七条に基づく特別の助成を得て行なつた事業に対する地方債について適用することとされており、今後とも同様の方針で措置していく考えである。

三 特別措置法第六条に規定する同和対策事業については、前記二に掲げるとおり、同和対策長期計画の対象事業について所要の措置を講じているところであるが、これらのうち同法の対象地域において実施される高等学校等への進学奨励、同和地区集会所の整備、生活環境施設の整備(地方改善施設整備、下水道整備等)、保育所・児童館等の整備、保健相談指導(トラホーム検診治療)、農林漁業基盤の整備(ほ場整備、農用地造成等)、農林漁業経営近代化施設の整備、職業訓練受講奨励金の支給、住宅地区改良(小集落地区改良を含む。)並びに同和向け公営住宅の建設等の事業に要する経費を同法第七条の特別助成の対象として措置し、同和対策事業の重要性にかんがみ、従来からその充実に努めてきており、また、昭和四十七年度においては新たに、同和産業商品の開発、同和産業製品の海外調査、同和地域消防施設の整備等に要する経費を同条の対象とすることとしており、今後とも実態を考慮しつつ同和対策事業の円滑な推進が図られるよう配慮してまいりたい。

四 同和対策事業に要する経費については、人件費、事務費等の消費的経費を除き、できる限り地方団体の要望にそうよう起債を認めているところであり、今後ともその方向で努力してまいりたい。

五 (1) 児童公園、街路、下水道、農業基盤、漁港、地区道路、下水排水路整備事業等の公共的土木事業については、原則として、各事業実施箇所ごとの所要経費を補助対象として事業を推進している。
  (2) 同和地区集会所、隣保館、保育所、住宅等の建築事業の補助単価については、資材費、労力費の上昇率等を勘案して毎年度その引上げを行なうほか、昭和四十七年度においては、建築基準法令の改正に伴う質の向上を織り込み所要の単価是正を行なうこととしている。特に、保育所については、昭和四十六年度から、従前の定額補助を改めるほか、木造だけでなく、ブロック構造単価による補助を認めている。
      補助単価については、今後とも、実態に即し、決定するよう努めたい。

六 (1) 同和対策事業のうち、
    (イ) 地区道路及び下水排水路整備事業については、昭和四十五年度から、従来の単年度施行方式を、一部、二年度施行方式に改め、その初年度において、原則として所要の用地を取得できるよう措置を講じているほか、
    (ロ) 住宅地区改良事業については、昭和四十六年度補正予算において、一部用地の先行取得のための経費を計上し、昭和四十七年度以降も、用地の回転により事業の円滑な推進を図ることとした。
  (2) このほか、用地が補助対象となる事業はもちろん、補助対象とならない事業についても、必要があれば先行的な用地の取得につき地方債により事業の推進に支障を生じないよう努めており、今後ともその方向で努力したい。

七 同和対策事業特別措置法の国会の審議過程における質疑応答事項については、同和対策事業の重要性にかんがみ、その趣旨の具体化につとめてきたところであり、今後とも一層努力してまいりたい。

八 総理府に専門の局を設置することについては、同和対策事業の推進は事業実施の責任をもつ各省が行なうことが効率的であると考えるが、従来から総理府において各省間の連絡会を開き、施策の調整等を図つてきたところであるので、今後とも一層各省間の連けいを緊密にすることにより、その実をあげてまいりたい。
  また、各省に専門の課を設置することについては、現在、各省とも窓口となる課において、それぞれ省内の調整又は連絡等を行なつているところであるので、今後とも関係課が相互に協力し、省内の連絡を強化することにより事業の推進を図つてまいりたい。

九 同和対策対象地区住民の雇用の促進を図るため、職業指導、職業紹介、職業訓練等の強化に努めているところであり、また、昭和四十七年度において同和対策対象地区住民の就業実態を調査することとしており、この調査結果等も勘案して、今後ともこれらの施策の一層の強化を図り、同和対策対象地区住民の雇用問題の解決に努めてまいりたい。

十 同和対策については、従来から同和対策審議会の答申の趣旨を尊重し、逐年その充実に努めてきたところである。
  今後ともその充実に配慮してまいる所存であるが、昭和四十七年度における同和対策関係予算の修正を行なうことは考えていない。
  (注)昭和四十七年度における同和対策事業のための予算としては、同和対策関係費九、七七七百万円のほか、一般公共事業として実施される下水道、住宅、農業基盤整備、漁港改修事業費等がある。その金額は、実施計画による箇所づけをまつて確定されることとなるが、箇所づけに際しては同和対策推進のためできるだけの配慮をする所存である。
  なお、昭和四十六年度の実施計画額は一七、二六六百万円である。

 右答弁する。




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