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昭和五十二年四月二十八日提出
質問第二一号

 国鉄阪和線の輸送力改善等に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十二年四月二十八日

提出者  荒木 宏

          衆議院議長 保利 茂 殿




国鉄阪和線の輸送力改善等に関する質問主意書


 国鉄阪和線は、いうまでもなく大阪府南部地域(泉州地方と略称されている)を縦貫する国鉄唯一の貨客輸送路線であり、特に近年同地域における各種開発及び住宅団地の建設進展と相まつて旅客輸送の需要が急増する傾向にある。さらに同地方は全国有数の繊維、玉ねぎ等の産地であり地域産業の振興発展の上からも、また南海電鉄の貨物輸送の廃止に伴い、貨物の阪和線への移行の関係からも阪和線の果している役割はますます重視されているところである。
 以上の観点から、国鉄阪和線の輸送力改善並びに関連施設整備等に関し、先に昭和五十一年二月二十四日、衆議院予算委員会第五分科会において質問し、国鉄当局より新車導入、車両の増結、快速の増発及び道床の改良等に努める旨の答弁があり、その後逐次実行されてきたところであるが、この度日根野車両基地建設に際して関係の自治体並びに住民、さらに国鉄職員の間に、同基地建設計画の概要と機能、基地建設工事に伴う諸般の影響、貨客の輸送力の変化、輸送の安全性、利便性等について多くの意見と懸念が出されており、これに対する当局の対処の如何は緊急を要すると考える。
 従つて、この際関連事項も含めて次の事項について質問する。

一 日根野車両基地建設計画における附帯設備に関して
 1 汚物処理設備について、その処理能力、処理方法、放流時のBOD(生物化学的酸素要求量)基準、放流河川として予定されている安松川及びその河口に与える汚染度の影響の見通し、臭気の発生の度合いとその影響の範囲を明らかにされたい。
 2 危険品倉庫について、その収容品目並びに危険防止対策をどうするか。
 3 排出水処理設備から機械油等の未処理液が基地外に流出する恐れはないか。
 4 同基地が完成した場合、予想される車両騒音は周辺地域で何ホーンになるか。基地の境界線から百メートル、三百メートル、五百メートルの各地点で昼間、夜間、深夜の時間帯ごとに予想数値を明らかにされたい。
二 同基地建設工事に関して
 1 土砂採取について、基地建設工事用の土砂の採取地である和歌山県岩出町風吹地区は、大阪府泉南市に隣接しており、その地盤は砂岩、頁岩の互層であり、土砂採取によつて水質汚濁の危険性が高く、特に泉南市内簡易水道使用地区への影響が懸念されている。
 (1) 採取現場での土砂崩れ、水質汚濁等を防止するためどのような措置がとられているか。
 (2) 今後、土砂採取によつて腐土、腐石が増加し、現場にたい積するが、誰がどのような方法で処理するのか。
 2 土砂の搬出に関連して、ダンプカーが通過する泉南市の東地区(金熊寺、六尾堀河、童子、楠畑、葛畑の六地区)の各区長は、本年三月十五日、搬出に反対の意向を表明しているが、その理由は、府道泉佐野―岩出線は道路幅が極めて狭く歩道もないため交通事故の危険度が高いこと、ダンプカーの通過で排ガス、騒音、振動等の公害が起ること等である。
 これらの公害や危険に対する防止対策を明らかにされたい。
三 輸送設備、関連設備の整備改善について
 1 現在、鳳、和泉府中、東岸和田、東貝塚、長滝、和泉砂川の各駅が貨物取扱駅となつているが、南海電鉄の貨物取扱廃止に伴つて、阪和線の貨物駅の存否は関係住民が大きな関心を抱いているところである。
 (1) これら各駅の貨物取扱いは将来とも存続させるのか、統廃合するのか。
 (2) もし統廃合するとすれば、その予定時期、計画の内容を明らかにされたい。
 2 電車の速度が時速八十五キロメートルから百十キロメートルに加速される予定と聞いているが、スピードアップに伴つて沿線住民から無警報、無しや断機の踏切や狭あいな踏切の危険性が指摘されている。
 (1) この際、これら危険踏切を総点検し、必要な箇所に警報機、しや断機を設置し、あるいは拡幅すべきであると思うがどうか。
 (2) 特に、もず駅南一番踏切の拡幅と歩行帯の設置、東貝塚駅南一番踏切の拡幅、同南二番踏切の警報機設置、和泉橋本駅北二番踏切のしや断機設置、同北一番踏切の拡幅、新家駅北一番踏切の拡幅・警報機設置、同南一番踏切の拡幅は周辺地域住民からそれぞれ要望が出されているが、その計画を明らかにされたい。
 (3) また転てつ機の取替の必要も増大すると思われるが、取替予定箇所、その数量並びに予定時期を示されたい。
 3 輸送力の増大、車両の増結、列車の増発に伴い、駅舎の拡充・改善等が必要となると思われる。
 (1) それについて今後の計画を駅ごとに明らかにされたい。
 (2) 特に、天王寺駅の阪和線ホームの延長、もず駅下りホームの上屋の延長(改札口の間に屋根を設置)、北信太駅の駅ホームと上屋の延長、熊取駅ホームの上屋の延長は乗降客の増加により地域自治会等から要望されているところでもあり、その計画を明らかにされたい。
 (3) 関連して、津久野駅の西側に改札口の設置、鳳駅の西改札口の拡幅、富木駅・和泉府中駅・東岸和田駅の西側にそれぞれ改札口の設置を望む声が強いが、その計画はあるかどうか。
 4 乗降客の増加に伴い、沿線各駅に自転車通勤者が激増し、その対策が緊急に求められている。
 (1) どのように対処する方針なのか。
 (2) 特に、堺市駅、もず駅、津久野駅、鳳駅、富木駅、東岸和田駅、和泉橋本駅、熊取駅に関して駅前自転車置場の設置若しくは拡充について住民の要望が強い。国鉄用地の利用を含めて設置の協力についての計画を各駅ごとに示されたい。
 5 上野芝駅、日根野駅が橋上化した場合、障害者児のための乗降設備としてどのような計画がなされているか。なお日根野駅については橋上化の見通しも明らかにされたい。
 6 津久野駅ホーム南端の下を通るガードの拡幅、和泉府中駅の公衆便所の外部利用、和泉府中駅南二番踏切の間の線路下の水路の泥上げについて住民の要望が強いが、その実施計画を明らかにされたい。
四 輸送力増強に伴う国鉄職員の労働条件等について
  輸送力増強に関連して労働条件の悪化が懸念されているが、
 1 日根野基地の検修要員は車両三両につき、最低二名の基準が維持されるかどうか。
 2 同基地完成後も電車乗務員及び線路補修要員は現行の基準が維持されるかどうか。
 3 踏切詰所に空調設備を設置することを求める声があるが、踏切要員の健康維持のため必要詰所に設置する予定があるかどうか。
 4 踏切詰所勤務を一人から二人勤務にする計画があるかどうか。
 5 職員の健康管理のため、国鉄鳳診療所を復活する予定があるかどうか。
五 最後に、新大阪駅と北信太駅を結ぶ外環状線新設の計画について、調査実施状況を明らかにされたい。

 右質問する。





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