衆議院

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昭和五十三年五月二十二日提出
質問第三九号

 政府の沖繩施策の実績と今後の施策に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十三年五月二十二日

提出者  上原康助

          衆議院議長 保利 茂 殿




政府の沖繩施策の実績と今後の施策に関する質問主意書


 沖繩が本土に復帰して、早くも七年目を迎えるに至つた。
 沖繩振興開発特別措置法は、沖繩の本土復帰に伴い総合的な沖繩振興開発計画を策定し、これに基づく事業を推進する等特別の措置を講ずることにより、その基礎条件の改善並びに地理的、自然的特性に即した沖繩の振興開発を図り、もつて住民の生活及び職業の安定、福祉の向上に資することを目的として制定されたが、この計画が策定された当時の我が国経済は、高度成長が最絶頂にあつた時期でもあつた。
 その後各種の内的、外的要因(ドルショック、オイルショック等)もあつて、日本経済は急速に深刻な不況を招き、今日もなお立ち直りを見せていない状況にある。そもそもこの計画の発想自体が沖繩の現実、立地条件等に必ずしもマッチしたものでなかつたが故に、各種の障害を生じているのが今日の実態である。
 これまで政府は、計画の基本構想は間違つていないと、かたくなな姿勢を示し続けてきたが、すべての事業実施に当たつて前提となる県民総人口は、計画基準年次九十五万千人、昭和五十六年度の目標年次には百三万千人と想定されたが昭和五十三年一月一日現在の県調査によれば、すでに百七万三千七百七十一人に達していることをみても、この計画のそごを指摘することができるのである。このような計画想定の誤りは今や随所に表われているのが実情である。
 昭和五十六年の目標年次まであと四年、果たして沖繩の振興開発計画は達成できるのであろうか、はなはだ不安と疑問なきを得ない。
 この際政府は、日本経済の現状と沖繩の現実に即して計画の見直しを図り、沖繩振興開発特別措置法の定める目的達成のため全力を尽くすべきである。
 復帰七年目を迎えるに当たり私は政府に対し、昭和四十七年度から昭和五十二年度に至る六年間に実施された諸計画の進捗状況及び計画後期の課題とこれに対する具体策についてお伺いしたい。

一 復帰六年間の施策の評価について
 1 政府は、今日までの沖繩振興開発計画をはじめ、復帰諸施策が県民の期待に応え得るものであつたと思うか。
   この六年間の実績を総合してどう評価しているか、見解を明示せよ。
 2 政府は、沖繩振興開発計画の最終年次で、産業構造がどのような分布になるとみているのか。これまでの実績と対比して、その見通しを明らかにされたい。
   また、人口はどのくらいになるとみているか。
 3 県民総生産と一人当たりの県民所得の推移と今後の見通しを明らかにされたい。
二 雇用、失業対策について
  復帰前はわずか一パーセント以下であつた失業率が復帰後は急増し、この二、三年来は本土の三倍近い失業率となつている。
  このように失業者が増大し雇用不安の状況が続いていることは、振興開発計画がその成果を収め得ず、経済環境が不正常であることを示している。
  政府は、沖繩の雇用、失業問題が極めて深刻な事態となつている要因を明らかにし、今後の具体策を明示せよ。
三 産業の振興、特に次の事項についての見解を明らかにされたい。
 1 産業構造の改善について行つた施策の実績と今後の施策
 2 農業の振興
  イ 農業基盤の整備について行つた施策の実績と今後の施策
  ロ 主要農作物の生産振興について行つた施策の実績と今後の施策
  ハ 農用地及び農業労働力の確保に対する今後の施策
  ニ 農道及び林道の整備について行つた施策の実績と今後の施策
 3 林業の振興について行つた施策の実績と今後の施策
 4 水産業の振興
  イ 漁港の整備について行つた施策の実績と今後の施策
  ロ 水産物の流通、加工施策の整備について行つた施策の実績と今後の施策
  ハ その他養殖漁業の振興について行つた施策の実績と今後の施策
 5 畜産業の振興について行つた施策の実績と今後の施策
 6 中小企業の振興について行つた施策の実績と今後の施策並びに企業の整理倒産の推移と現状及び今後の見通し
 7 観光産業の振興について行つた施策の実績と今後の施策
四 公共施設の整備、特に次の事項について見解を明らかにされたい。
 1 道路の整備について行つた施策の実績と今後の施策(市町村道を含む。)
 2 交通通信体系の整備について行つた施策の実績と今後の施策
 3 教育施設の整備について行つた施策の実績と今後の施策
 4 水資源の開発と生活用水、工業用水、農業用水の確保について行つた施策の実績と今後の施策
五 民生の安定対策、特に次の事項について見解を明らかにされたい。
 1 住宅の整備について行つた施策の実績と今後の対策
 2 都市公園の整備について行つた施策の実績と今後の施策
 3 医療保健施設の整備について行つた施策の実績と今後の施策
 4 医療従事者の確保について行つた施策の実績と今後の施策
六 軍事基地の整理縮小について
  日本における米軍基地面積に占める沖繩の米軍基地面積の割合は五三パーセントにもなり、沖繩県面積の約一二パーセントを占め、しかも沖繩本島の人口密集地域に集中している状況にあるため、基地の存在が沖繩の振興開発、県民生活等に重大な影響を及ぼしていることは従来から指摘しているところである。
  沖繩振興開発計画にも「基地依存経済から脱却して、自立経済の確立をはかるため米軍施設区域の整理縮小をはかり、その跡地および跡施設を産業振興および社会資本整備のために活用する。」と掲げられているにもかかわらず、今日までの基地の返還状況をみると、復帰時の基地面積の県面積に占める割合は一二・八パーセントで、本年五月一日現在のそれは一一・五パーセントとなつており、政府の沖繩の米軍基地縮小に対する努力は極めて不十分であると言わざるを得ない。
 1 政府は広大な軍事基地の存在が、沖繩の振興開発計画の推進や民生の安定に大きな支障を来していることを認めるか。
 2 第十四回、第十五回及び第十六回の日米安全保障協議委員会において、米軍基地の整理統合について合意されているが、その中で特に沖繩の基地の整理縮小計画の進捗状況についてその計画と実績とを明らかにされたい。
 3 沖繩においてはいわゆるリロケーションによる返還が大幅に遅れているが、その理由は何か。また、リロケーションの費用の推計総額はいくらか。
 4 今後の沖繩の米軍基地返還について政府の方針を伺いたい。
七 放棄請求権問題について
  沖繩におけるいわゆる放棄請求権問題については、沖繩返還協定放棄請求権等補償推進協議会から、第一次、第二次分として計十二万三千八百七十九件、千百七十二億三千三百六十五万八千三百五円もの補償を要請している。この取り扱いについて、政府は実態調査を行いその結果を踏まえ今年度は関係省庁間で協議会を設けて処理方針を決定するとのことであつたが、この協議会は設置されたのか伺いたい。
  漁業関係については不十分ながら今年度において予算措置が講ぜられているが、その他の事項については、いまだに処理する方針すら決定されていない。
  復帰七年目になつた今日、いたずらにこの問題の解決を延ばすことは許されないことである。従つて政府は速やかに処理方針を決定し、来年度より処理できるものから補償措置を講ずべきであると考えるがどうか。
八 沖繩戦被災者に対する補償について
  復帰七年目になつても、戦後処理あるいは復帰処理がなされない事項に、放棄請求権問題、旧日本軍接収用地、市町村道未買収用地(潰れ地)等がある。
  なかでも、戦後処理の一環としての重要課題の一つである「沖繩戦被災者補償期成連盟」から要請されてきた補償問題については、遅々として進展していない。
  政府は、この件についてこれまでどのように検討してきたか。またその解決策いかん。

 右質問する。



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