衆議院

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昭和五十三年六月六日受領
答弁第三九号
(質問の 三九)

  内閣衆質八四第三九号
    昭和五十三年六月六日
内閣総理大臣 福田赳夫

         衆議院議長 保利 茂 殿

衆議院議員上原康助君提出政府の沖繩施策の実績と今後の施策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員上原康助君提出政府の沖繩施策の実績と今後の施策に関する質問に対する答弁書



一について

1 復帰後六年を経過したが、公共施設については、他の地域を大幅に上回る投資がなされた結果、道路、空港、下水道等は既に本土水準に達しており、学校その他の施設も沖繩振興開発計画の期間中におおむね本土水準に達し得るものと考えられ、また、県民所得も、復帰当時に比べ相当向上しており、本土との格差の是正と沖繩の自立的発展の基礎条件の整備という県民の期待にこたえているものと考えている。

2 産業構造については、現在までのところ新規工業の立地が必ずしも計画で期待したようには進まず、依然として第三次産業の比率が高い状態である。将来の産業構造の分布については、これからの努力に左右される面が大きいが、沖繩振興開発計画が見通している産業構造とするためには、農林水産業及び伝統工芸を始めとする工業の振興を図るとともに、新規企業の立地に努めることが必要である。
  また、人口については、従来のすう勢で推移するとすれば、沖繩振興開発計画の最終年次で百十万人に達する見込みである。

3 県民総生産は、復帰当時の五千百二十五億円から大幅に伸びて昭和五十一年度は一兆千六十六億円となつており、国民総生産に対する割合も、〇・五四パーセントから〇・六五パーセントまで上昇している。
  また、これに伴つて、一人当たり県民所得は、復帰当時の四十六万円から大幅に伸びて九十万円となつており、一人当たり国民所得に対する割合も、六十三パーセントから七十パーセントまで上昇している。
  沖繩を取り巻く経済環境はなお厳しいものの、政府としては、今後とも、産業の振興に力を注ぐとともに、公共事業の推進を図り、県民所得の向上を図つてまいりたい。

二について

 沖繩県における雇用失業情勢は深刻な状況にあるが、その要因としては、

@ 産業の振興が十分でないことによる県内の雇用機会の不足
A 本土復帰に伴ういわゆる復帰失業者及び米軍基地の整理統合に伴う関係離職者の発生
B 県外就職者のUターンが多いこと

等によるところが大きいものと考えている。
 沖繩県における雇用機会の確保を図るためには、基本的には沖繩振興開発計画に基づく産業振興の施策等を積極的に実施していくことが重要であり、このため、関係各省庁が一体となつてこれに努めているところであるが、これと併せて当面する雇用失業情勢に対処するため、各種就職援護措置の活用により広域職業紹介を実施して失業者の再就職の促進を図るとともに、中高年齢者雇用開発給付金等の活用により民間の活力を生かした雇用機会の拡大、沖繩振興開発特別措置法に基づく失業者吸収率制度の積極的活用による公共事業への失業者の就労促進などに努めているところであり、今後ともこれらの対策の一層の推進を図つてまいりたい。

三について

1 産業構造の改善を図るため、農林水産業、中小企業及び観光産業の振興について後述の対策を講じているほか、工業の振興について次のような対策を講じている。

 (1) 糸満市、南風原村、具志川市、読谷村の四市村について、沖繩振興開発特別措置法第十一条第一項に基づく工業開発地区の指定を行つている。

 (2) 新規産業の立地を促進するため、工業団地造成利子補給金制度の適用を行つた。

 (3) 昭和五十三年度において、工業再配置計画の一環として、沖繩県を特別誘導地域に指定して、工業再配置促進費補助金の単価及び限度額を引き上げる等の措置を講じている。

 (4) 伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づき、伝統的工芸品産業の振興を図つているほか、離島における伝統的工芸品産業については、共同利用施設の建設について助成している。
     今後とも、これらの施策を活用しつつ、沖繩県の産業の振興と産業構造の改善に努めてまいりたい。

2イ及びニ(農道) 沖繩県における農業基盤整備事業については、沖繩振興開発計画の基本方針に沿つて積極的に推進しており、農業用水源の開発、畑地かんがい施設の整備、ほ場及び農道の整備等畑地基盤の整備を中心とした各種事業を実施しているところである。
   なお、これらの事業については、採択基準及び補助率について特別の優遇措置を講じているところである。
   今後とも、地域の特殊性等を勘案しつつ、事業の円滑な促進のため努力してまいりたい。

 ロ さとうきびとパインアップルは、沖繩農業の主要作物として重要な役割を果たしていることから、これら作物の生産振興を図るため、さとうきびについては、甘味資源特別措置法に基づき沖繩県をさとうきび生産振興地域に指定し、土地基盤の整備、優良種苗の供給体制の整備、機械化の推進等に対する助成を行うとともに、砂糖の価格安定等に関する法律に基づく価格支持を行つてきており、パインアップルについては、果樹農業振興特別措置法に基づきパインアップル等を対象果樹とする果樹農業振興基本方針を策定するとともに、栽培省力化施設、集出荷施設及び土壌改良用機械の整備、優良種苗の増殖普及等に対する助成を行つてきたところであり、今後ともこれら施策の充実を図るとともに、沖繩におけるさとうきびの優良種苗の供給体制を確立するため、沖繩さとうきび原原種農場を新設することとしている。

 ハ 沖繩の農業の振興を図るため、優良農用地の確保については、優良農用地の農用地区域への編入の促進、農地法による転用規制の厳正な運用による農用地のかい廃の抑制、農用地開発の推進等の施策を講じており、また、農業労働力の確保については、生産基盤の整備と生活環境の整備に必要な諸施策を実施するとともに、農業後継者育成対策として農村青少年に対する研修教育、農業後継者育成資金等の貸付けを行つているが、今後とも昭和五十四年度に開設予定の県農業者大学校に対する助成を検討する等これらの施策の充実を図つてまいりたい。

2ニ(林道)及び3 沖繩県においては、治山、造林、林道事業を始め、林業振興のための各種の施策を推進してきており、昭和五十二年度からは、新たに生産基盤の整備、資本装備の高度化等を内容とする沖繩林業振興特別対策事業を実施しているところである。
  今後とも、国土保全、水源かん養等森林の持つ公益的機能の高度発揮の要請にこたえつつ、森林資源の維持培養と林業の振興を図るため、沖繩県の実情に即して各種の施策の充実を図つてまいりたい。

4 漁港の整備については、昭和四十八年度以降第五次の漁港整備計画に基づき整備の促進を図つてきたところであり、昭和五十二年度からは第六次の整備計画に基づき糸満漁港等の整備を中心にその促進を図つているところである。なお、補助率については、特別の優遇措置を講じているところである。
  また、流通加工施設、養殖施設等漁業近代化施設の整備については、従来からその整備を実施してきたが、昭和五十三年度からは水産業独自の構造改善事業を七箇年計画で発足させたので、今後はこの事業を中心としてその整備を図つていく考えである。
  更に、漁場の整備、開発についても、昭和五十一年度から開始した沿岸漁場整備開発事業によりその促進に努めており、これら諸施策を総合的に実施することにより、沖繩県における水産業の振興を図つてまいりたい。

5 沖繩県においては、畜産は農業の基幹部門を形成しており、沖繩農業の振興及び農業所得の向上を図る上で畜産の振興を図ることは極めて重要であると考えている。
  このため、沖繩県の自然的特性、社会経済的事情等を踏まえて肉用牛及び豚を中心に畜産の振興を図ることとし、草地の造成等による飼料生産基盤の整備、畜産団地の育成、家畜の導入、家畜衛生対策等各般の施策を講じてきたところであるが、今後ともこれら諸施策を積極的に推進してまいりたい。

6(1) 中小企業近代化促進法に基づく現行指定業種七十八業種について、沖繩県にも近代化計画を適用するとともに、沖繩の復帰に伴う通商産業省関係法令の適用の特別措置等に関する政令第十八条に基づき、クリーニング業等十二業種については沖繩県についてのみ中小企業近代化促進法に基づく近代化計画の策定を行い、また、砂糖製造業については、沖繩振興開発特別措置法第十九条に基づく近代化計画を策定している。これらの業種に属する中小企業者には、沖繩県以外の地域と比して税制面及び金融面で有利な助成措置を講じている。また、沖繩県における中小企業の高度化事業については、既に十五件の事業につき高度化資金融資を行つている。今後とも沖繩県における中小企業者の実態に即したきめ細かい施策を講じていくとともに、これら施策の活用が図られるよう施策の普及、指導等に努めてまいりたい。

 (2) 民間信用調査機関の調査によれば、負債金額千万円以上の倒産件数は、昭和五十年度百八件、昭和五十一年度百六十八件、昭和五十二年度百九十三件となつており、昭和五十三年度に入つてからは、一月十四件、二月四件、三月十四件、四月七件と、二月以後三か月連続して前年同月の水準を下回つている。

7 沖繩は、我が国の最南端に位置する亜熱帯地域として固有の自然景観、特異な伝統工芸や伝統芸能等の観光資源に恵まれており、この観光資源を生かすため、政府においては、空港等の交通施設を整備するほか、国営沖繩海洋博覧会記念公園、青少年旅行村等の観光基盤施設及びホテル、旅館等の宿泊施設の整備を図るとともに、本土・沖繩間の航空運賃について団体包括旅行割引運賃等の導入を図る等沖繩への観光客の誘致及び観光産業の振興に努めている。
  今後においても引き続き沖繩の観光振興のための施策の実施に努めてまいりたい。

四について

1 沖繩県の道路の整備水準については、復帰後間もない昭和四十八年三月末時点の舗装率は、国道九十一パーセント、県道三十二パーセント、市町村道二十四パーセントという状態で、当時の全国平均に比して県道の舗装率が著しく低水準にあつたが、沖繩振興開発特別措置法による補助率のかさ上げ等の施策により道路整備の促進を図つた結果、昭和五十三年三月末時点では、舗装率は、国道九十五パーセント、県道六十七パーセント、市町村道四十五パーセントとなつており、特に地方道の整備水準の改善が目立つている。
  この間の沖繩県内における一般道路事業費についてみると、昭和四十七年度から昭和五十二年度までの間に累計約千七百二十億円に達し、年平均伸び率は、全国平均を大きく上回る一・三八となつている。
  以上のように沖繩県における道路の整備水準は、著しく改善されているものの、なお整備を必要とする区間、箇所等も多く、今後とも一層道路整備に努める必要があると考えている。
  今後の施策については、昭和五十三年度を初年度とする第八次道路整備五箇年計画に基づいて道路整備を進めていくことになるが、同計画を実施するに当たつて、現在施行中の国道の改築事業の概成を目標とし、国・県道に係るいわゆる道路つぶれ地についてもその買収をおおむね完了するほか、交通方法変更関連特別事業の一環として行う道路整備についても可能なものから逐次実施していく等引き続き重点的に道路整備の推進を図ることとしている。
  更に、市町村道に係る道路つぶれ地については、現在実態調査を進めているが、その調査結果を集約整理した上でその処理方針を決定したい。

2(1) 交通体系
     沖繩における交通体系の整備については、空港及び港湾を中心としてその整備を行つてきたところである。
     空港については、那覇空港における滑走路の改良、エプロンの新設等を実施したほか、宮古空港、石垣空港等の離島空港の整備を行つた。
     港湾については、国際貿易港湾としての那覇港、拠点港湾としての平良港、石垣港等の整備を行つたほか、兼城港、前泊港等の離島港湾の整備を行つた。
     今後においても、引き続き、空港、港湾等の交通施設の整備等を推進することにより、沖繩における交通体系の整備に努めてまいりたい。

 (2) 通信体系
     通信関係については、復帰以来できる限り早期に本土並みに達するよう今日までその整備に努力してきたところである。
     電話については、約八万四千加入の一般加入電話が昭和五十二年度末では約十五万六千加入に増加しており、千三百個の公衆電話は昭和五十二年度末で三千六百個に増加している。
     また、二十四局あつた手動式局については、昭和五十二年度までに十六局の自動化が完了し、残り八局についても昭和五十三年度中に自動化できるよう計画している。
     更に、伝送路の拡充整備にも努めてきた。
     放送については、一系統であつたテレビジョン放送を総合及び教育の二系統にするとともに、昭和四十七年六月からラジオの第一及び第二放送を開始し、FM放送も昭和四十九年三月から放送を開始した。
     宮古、八重山地区のテレビジョン放送は、昭和五十二年十二月の本島と宮古の間の海底同軸ケーブルの完成によつて同時放送が行われることとなり、本島と同等の放送が可能となつた。
     テレビ難視聴解消については、中継局及び有線テレビジョン放送施設の設置により逐次改善されてきている。
     防災行政用無線網については、昭和五十一年九月に決定された「沖繩県防災行政用無線電話設置計画」によれば、昭和五十三年着工、昭和五十六年完成となる。
     郵便局については、無集配特定局十局、簡易郵便局三局を増置する一方、二十六局の局舎改善を行つた。
     なお、通信関係については、今後とも所要の整備を行つていく考えである。

3 教育施設の整備について行つた施策の実績と今後の施策は、次のとおりである。
 (1) 公立学校の施設の整備
     公立義務教育諸学校及び高等学校等の校舎、屋内運動場等の施設整備については、復帰時点において本土に比して著しい格差があつたので、補助率の引上げ、補助制度の拡充を行うとともに、早急に本土並みの水準に引き上げることを目途として整備を図つてきたが、昭和五十一年度からは同年度を初年度とする公立文教施設整備三箇年計画を策定し、計画的な整備を図つている。なお、昭和五十三年度予算においては、残余の計画事業量(約十四万平方メートル)を上回る事業量(約十七万五千平方メートル)を確保したところである。
     また、その他の学校施設の昭和五十二年度までの整備実績は、次のとおりである。

    @ 高等学校産業教育施設―約八万平方メートル
    A 学校体育施設(屋内運動場を除く。) ― 水泳プール二十五か所、公立高等学校の柔剣道場三十か所、公立夜間定時制高等学校の運動場照明施設十四か所
    B 学校給食施設―単独校調理場十四か所、共同調理場二十二か所、炊飯給食施設(共同調理場)一か所、学校食堂一か所
    C へき地の小学校及び中学校の教員宿舎 ― 百八十五戸

 今後とも、公立学校の施設の整備に努めてまいりたい。

(2) 社会教育施設の整備
    昭和五十二年度までの整備実績は、市町村の中央公民館十四館のほか、県立図書館(分館)、県立博物館各一館、県立青年の家二か所、県立少年自然の家二か所である。
    今後とも、社会教育施設の充実に努めてまいりたい。

(3) 琉球大学の整備
    琉球大学の現敷地が狭あいなため、県中南部地区(千原)に新敷地として約百十四ヘクタールの土地を購入し、昭和五十年度から整備を行つているところである。

4(1) 水資源の開発
     沖繩県における水資源開発については、その重要性にかんがみ、積極的に取り組んでいるところであり、北部五ダムの建設(うち二ダムは既に完成)及び既設ダムの再開発事業を鋭意実施しているほか、二ダムの実施計画調査を実施しているところである。
     すなわち、福地ダムは昭和四十九年三月、新川ダムは昭和五十二年三月に完成し、両ダムで日量十四万三千立方メートル(既得二万五千立方メートルを含む。)の都市用水の供給を行つている。安波ダムについては昭和五十六年度完成を目途に鋭意本体工事を推進しているほか、普久川ダム、辺野喜ダムについては工事用道路等の準備工事を行つている。また、昭和四十九年三月に完成した福地ダムについては、昭和五十三年度より昭和五十六年度完成を目途に再開発事業に着手している。
     これら三ダムの完成及び福地ダムの再開発により、新たに、合わせて日量十四万千立方メートル(累計二十八万四千立方メートル)の都市用水の供給を行うこととなつている。
     更に、生活用水を中心として増大する水需要に対処するため、昭和五十一年度より羽地ダムの実施計画調査を実施しており、新たに昭和五十三年度から漢那ダムの実施計画調査に着手している。

 (2) 生活用水の確保
     沖繩県における生活用水の確保については、水道事業等に係る国庫補助率の特例制度により、その促進を図ることとし、昭和五十二年度までに、総額六百四億八千万円の国庫補助をもつて、四十九市町村に及ぶ水道事業及び簡易水道事業の施設整備並びに水道用水供給事業として北部ダム群から西原浄水場に至る沖繩本島の基幹的な導水施設等の建設を完了した。
     昭和五十三年度以降も、引き続き浄水場等所要の施設整備を行うこととしている。
     なお、沖繩県の水道普及率は、復帰直前の昭和四十七年三月末現在の八十五・一パーセント(全国平均八十二・七パーセント)から昭和五十二年三月末現在では、九十六・一パーセント(全国平均八十八・六パーセント)となつている。

 (3) 工業用水の確保
     沖繩県における工業の振興を図るためには、工業用水の確保が特に重要であることにかんがみ、復帰後直ちに工業用水道建設事業(給水能力一日当たり十万五千立方メートル)が着手され、現在までに施設の約二分の一が完成し、一部給水を開始している。
     この工業用水道事業に対しては、通常の国庫補助率(二十〜三十五パーセント)を上回る百パーセント(一部施設は七十五パーセント)の補助率を適用し、事業の推進を図つているところであるが、今後とも工業用水道施設の建設に積極的に取り組んでまいりたい。

 (4) 農業用水の確保
     沖繩県の農業は畑作が中心であるが、水不足のためしばしば干ばつ被害を受けているので、水資源の開発、水利施設整備のための土地改良事業を鋭意推進しているところである。
     しかし、主要水源である河川の流域は小さく、ダムの適地が少ないため、河川開発のほかあらゆる水源開発について調査・検討する必要がある。このため、復帰後直ちに主要河川(二十七河川)の流量観測を行うとともに、河川開発の困難な地域については、地下ダムを始めとする地下水開発、淡水湖開発等に必要な諸調査を継続して実施しており、水源開発の見通しを得た地域から順次事業計画地区調査を行い、事業化を図ることとしている。
 (5) 今後も、沖繩における水資源の重要性にかんがみ、合理的水利用、地下水の開発、下水処理水の再利用、海水の淡水化等あらゆる水資源開発の方策が講じられるよう検討してまいりたい。

五について

1 昭和四十八年に実施した住宅統計調査によれば、沖繩県における住宅の整備の状況は、一戸当たり平均床面積五十三・六六平方メートル(全国平均七十七・一四平方メートル)、一人当たり平均畳数で四・四七(全国平均六・六一)というように、広さの点で立ち遅れていることにかんがみ、第三期住宅建設五箇年計画に基づき、居住水準の向上に重点を置いて各種公的資金による住宅の建設の一層の促進を図つているところである。
  各種公的資金による住宅の建設の実績及び今後の施策は、次のとおりである。

 (1) 公営住宅
     公営住宅の建設については、沖繩振興開発特別措置法に基づく補助率のかさ上げ等の措置を講じ、公営住宅の建設の促進に努めているところであり、昭和四十七年度から昭和五十二年度までに五千九百二十二戸を建設し、昭和五十三年度には九百戸を建設する計画である。今後とも沖繩における住宅需要、事業主体の要望及び実施体制等を勘案し、公営住宅の建設促進に努めてまいりたい。

 (2) 改良住宅
     住宅地区改良事業による住宅の建設の実績は、昭和四十七年度から昭和五十二年度までに二百四十戸となつている。今後は、現在事業継続中の那覇市若狭地区についてその促進を図るとともに、新たな地区について、地元から事業実施の要望があれば検討することとしている。

 (3) 日本住宅公団の住宅
     日本住宅公団は、昭和四十七年度から昭和五十二年度までに賃貸用特定分譲住宅二百六十二戸を建設しており、昭和五十三年度分としては百十一戸の建設を現在検討中である。

 (4) 沖繩県住宅供給公社の住宅
     沖繩県住宅供給公社は、昭和四十七年度から昭和五十二年度までに三千三百八十六戸を建設しており、更に昭和五十三年度分として四百二十戸の建設を予定しているところであるが、今後とも沖繩振興開発金融公庫等の資金を活用し、県民の需要に即した住宅供給を行うこととしている。

 (5) 沖繩振興開発金融公庫融資住宅((4)を除く。)
     沖繩における個人住宅の建設等のための資金は、沖繩振興開発金融公庫から融資を行つているが、従来より、沖繩の住宅事情等を考慮して資金の確保、融資条件の改善等に特段の配慮を加えており、本年五月には金利の大幅な引下げ、償還期間の延長を行つたところであり、今後も融資条件の改善を含め鋭意努力してまいりたい。
     なお、沖繩振興開発金融公庫の住宅資金の貸付実績は、昭和四十七年度から昭和五十二年度までに、二万七千七百八十六戸となつており、昭和五十三年度分として七千六百戸を予定している。

2 都市公園については、沖繩振興開発特別措置法に基づいてかさ上げされた補助率をもつて、児童公園等地域住民に密着したものの整備を重点的に推進するとともに、昭和五十年度から国の直轄事業により国営沖繩海洋博覧会記念公園を整備してきたところであるが、その整備面績は、昭和四十七年度から昭和五十一年度までで約百四十九ヘクタールであり、都市計画区域内人口一人当たりの都市公園面積は、昭和四十六年度末の〇・七平方メートルが、昭和五十一年度末には二・〇平方メートルとなつた。
  今後も、沖繩振興開発計画及び昭和五十一年度を初年度とする第二次都市公園等整備五箇年計画に基づき、都市環境の改善と増大するレクリエーション需要の充足等を図るため、名護中央公園、浦添大公園などを始めとし、その整備を積極的に推進することとしている。

3 保健所、精神病院、伝染病院等の整備について、沖繩振興開発特別措置法に基づき、国の負担又は補助の割合を引き下げ、その促進を図つているところである。また、沖繩の公的医療機関に対しては特別の補助を行つており、昭和五十二年度までに沖繩県立宮古病院、同中部病院等の整備を行つたほか、現在沖繩県立八重山病院、那覇市立病院及び沖繩赤十字病院の整備を推進している。そのほかにも、へき地診療所の整備等各般の施策を講じており、以上の施策を通じて診療機能の向上が図られるとともに、病院病床数も、人口一万対比で昭和四十六年末の五十九・七床から昭和五十一年末の六十九・八床へと着実に増加しているところである。今後とも、これらの施策については、その一層の充実を図つてまいりたい。

4 沖繩県における医療従事者の不足等の状況にかんがみ、国費沖繩学生制度に基づき昭和四十七年度から昭和五十二年度までに三百名を超える医学及び歯学専攻の学生を本土の大学に受け入れるとともに、昭和四十七年度から昭和五十二年度までに延べ約千二百名の医師等を本土から派遣したほか、県立へき地診療所における医師確保のための助成、琉球大学保健学部における看護婦等の養成、看護婦等養成所に対する助成、琉球大学医学部創設の諸準備等各般の施策を講じている。今後とも沖繩県における医療従事者の養成確保について十分配慮してまいりたい。

六について

1 沖繩の振興開発の推進と日米安全保障条約の目的達成との調和を図りつつ、沖繩振興開発計画においても記述されているように、米軍施設・区域の整理縮小を図ることが必要であると考えている。

2 第十四回、第十五回及び第十六回の安全保障協議委員会において了承された沖繩県における施設及び区域の整理統合計画による返還予定面積は、第十四回約四百六十四万平方メートル、第十五回約二千八百八十万平方メートル及び第十六回約二千三百九十二万平方メートル計約五千七百三十六万平方メートルで、返還の実績は、昭和五十三年五月一日現在それぞれ約百四十六万平方メートル、約千百三十七万平方メートル及び約二百三十五万平方メートル計約千五百十八万平方メートルである。

3 第十四回、第十五回及び第十六回の安全保障協議委員会において了承された沖繩県における移設を条件として返還される米軍施設及び区域の移設工事については、早期処理が図れるものから順次実施しているところである。
  なお、これら移設工事に必要な工事費の概数は現段階で試算すれば約千九百億円程度と見込まれる。

4 政府としては、今後とも第十四回、第十五回及び第十六回安全保障協議委員会において了承された米軍施設及び区域の整理統合計画の実施の推進を図るとともに、沖繩振興開発計画等と日米安全保障条約の目的達成との調和を図りつつ、沖繩の米軍施設及び区域の整理統合の推進に努めていく考えである。

七について

 沖繩におけるいわゆる対米請求権問題については、昨年七月に提出された第三次要請分に関する調査を進める一方、関係省庁による連絡会議を設け、処理の方針等の総合的な検討を始めたところである。
 要請は、項目、件数ともに多く、内容も複雑で、なお解明すべき点も多いので、連絡会議の検討結果を待つて措置することといたしたい。

八について

 戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦傷病者特別援護法による援護の措置は、軍人軍属等国と使用関係のあつた者又はそれに準ずる者に対し、使用者としての国が国家補償の精神に基づき行つているものである。
 このような事情にない一般の沖繩戦被災者及びその遺族で生活上の援助を必要とする者については、一般の社会保障施策の充実により対処していくことが適当であると考えている。

 右答弁する。


衆議院
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