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昭和五十八年十一月八日提出
質問第一七号

 共同作業所に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十八年十一月八日

提出者  寺前 巖

          衆議院議長 福田 一 殿




共同作業所に関する質問主意書


 養護学校の義務制により、重度かつ重複の障害児にも教育が保障されるようになつた。しかし不況下の今日、障害者の就労は極めて困難であり、卒業後に大きな不安があることも事実である。
 そこで、障害者本人、家族、関係者の強い願いにより、自主的に作業所を開設し、労働の場と集団的人間関係を保障し、障害者の働く喜びと生きがいを生み出している。このような小規模障害者施設は、昭和五十六年十月発表の厚生省調査によれば六百三十八を数え、その後も増え続けているであろうと考えられる。
 これら小規模施設に対する地方自治体からの補助金制度は次第に増加し、現在四十都道府県十政令都市に広がつている。しかし、国からの助成制度はまつたくなく、いずれもその経営は、甚だ困難な状況にある。京都府の大半の小規模障害者作業所を組織する京都府障害者共同作業所連絡会の調査(昭和五十七年秋)によれば、運営費に占める補助金の割合は平均七二%であり、残りの二八%は廃品回収、バザー寄付金等の自主財源で補つている。このような状況は、全国的に共通しているものと推察される。
 また、これらの小規模施設は、法人認可に必要な二十名以下の所が多く、かつ精神薄弱、身体障害のみならず、精神障害者を含んでいる所も増えてきている。
 以上の現状に基づき、これら小規模障害者施設に対する政府の援助は、障害者福祉の向上にとつて緊急かつ重要である。
 よつて、以下次のとおり質問する。

一 本年六月に開かれた第六十九回ILO総会において、「職業リハビリテーション及び雇用(心身障害者)に関する条約」及び「職業リハビリテーション及び雇用(心身障害者)に関する勧告」が
  採択された。それによれば、「この条約の規定は、すべての種類の心身障害者について適用する。」(第一条第四項)とあり、「非政府機関によつて運営される心身障害者のための職業訓練、職業指導保護雇用及び職業紹介の事業に対する適当な政府援助」(勧告IIの11のd)の必要性が明記されている。
  政府は速やかにこれら条約の批准及び勧告を受け入れ、小規模障害者施設への援助を行うべきだと考えるがどうか。
二 厚生省社会局長から諮問を受けた身体障害者福祉基木問題検討委員会は、本年八月報告書を提出した。その中には、「授産施設、福祉工場等の作業施設は、雇用されることが困難な身体障害者の就労の場として極めて重要な役割を果しており、その充実を図る必要がある。作業施設は近年小規模化の傾向にあり、将来の方向として対象者の障害の相違を踏まえた共同利用等について検討を進める必要がある」(5の(2))と答申されている。
  そこで、精神薄弱者通所授産施設、身体障害者通所授産施設の運用に際し、さきに述べた小規模障害者施設の実態にもかんがみ、精神障害者を含む障害の種類の異なつた者の共同利用について、どう考えるのか見解を明らかにされたい。
三 前述の無認可の共同作業所に対する国からの補助が必要と考えるが、政府はどう考えるのか明らかにされたい。

 右質問する。





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