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昭和五十九年六月二十八日提出
質問第二八号

 米軍への提供普通財産の管理に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和五十九年六月二十八日

提出者  貝沼次郎

          衆議院議長 (注)永健司 殿




米軍への提供普通財産の管理に関する質問主意書


 旧軍用地等の普通財産が合衆国軍隊に提供されるケースは多い。国有財産法第六条によれば、普通財産は大蔵大臣が管理することとなつている。従つて、これらの米軍提供普通財産が大蔵大臣の管理権の下にあることは自明のことと言わねばならない。しかるに、昭和四十三年三月二日の「提供国有財産の事務処理に関する覚書」(以下「覚書」という。)をみるとこの自明の原則が大きく揺らいでいるように思われる。
 また、昭和二十七年法律第百十号「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う国の財産の管理に関する法律」(以下「国管法」という。)の第四条一項及び二項と、これに関連して明確にしておくべき事項があると考える。
 従つて、次の事項について質問する。

一 「国管法」第四条一項の一時使用の許可権は、大蔵省訓令「合衆国軍隊の用に供する国有財産の一時使用等の取扱に関する規則」(昭和二十八年より五十七年まで存続)では大蔵大臣にあると明定し、国有財産法第六条の趣旨も貫かれている。
  しかるに、前記「覚書」ではこの許可権は、防衛施設庁の部局等の長に移されている。これでは「関係法令及び通達に定めるところによる」(「覚書」前文)としながら訓令無視ではないか。
  提供普通財産の使用収益は、一時使用が実際には長年継続されるケースも多く、複雑な問題を起こすことも考えられるので、この一時使用の許可は、安易に流れることは許されない。この観点から国有財産法第六条を踏まえた前記訓令の規定を大いに是とするものである。
  このような重要な規定を「関係法令及び通達」のほかに、任意に行政部局が談合して了解したと称して変更することは許されることではない。
  大蔵省訓令は、大蔵省部内を拘束するはずである。この「覚書」の作成に当たつた国有財産局長は、この訓令を犯していないのか。
  また、法令に違反したこの「覚書」は無効ではないのか。
二 「覚書」では防衛施設庁の部局の長が「国管法」第四条一項の許可を行うことになつているが、この「覚書」で唐突に与えられた防衛施設庁の部局の長の許可権がどうしてこの第四条一項の国の許可権となるのか、関係の行政組織法、設置法、組織令等を踏まえた法制的根拠を明示されたい。
三 「国管法」第四条一項の一時使用の許可を受くべき使用収益の態様は次のうち何か、明示せよ。
 (ア) 個人の住宅等の建築物の建設
 (イ) 地方公共団体の公共施設の建設
 (ウ) 個人の耕作及び農作物の取得
 (エ) 個人の採草
 (オ) その他(あればその態様を示せ。)
     また、許可の要否はいかなる基準によるのか、その基準を示せ。
四 無許可の使用収益があれば、国はいかなる対応の措置をとるか。
五 「国管法」第四条二項の使用収益の権利の消滅に伴う事務はいずれの行政機関が執行するのか。
六 農耕による使用・収益の権利は、農地法等で保護されることがあり得るのか、見解を示されたい。

 右質問する。





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