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昭和六十年五月二十九日提出
質問第三六号

 大気汚染防止法逃れの小型ボイラー多缶設置に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十年五月二十九日

提出者  草川昭三

          衆議院議長 坂田道太 殿




大気汚染防止法逃れの小型ボイラー多缶設置に関する質問主意書


 私は、昭和五十八年十月六日の衆議院科学技術委員会及び昭和五十九年三月十二日の予算委員会において、大気汚染防止法のばい煙排出規制を免れるため、規制基準以下の小型ボイラーを数多く設置する事業所が増えているいわゆる「多缶設置」問題を取り上げ法規制の見直しを求めた。
 私の主張は大気汚染防止法によるばい煙の排出が規制されるボイラーは「伝熱面積が十平方メートル以上」であるが、最近ボイラーの規制基準に目をつけたメーカーが「定期検査も取り扱い免許も不要」、「規制対象外で補償給付費も出さなくて済む」などをセールスポイントに、伝熱面積十平方メートル未満の小型ボイラー販売に力を入れ事業規模の大きい事業所やビルで、一ヵ所にかなりの数の小型ボイラーを設置する「多缶設置」が増え、公害、安全対策が野放しになつていることを指摘したものである。
 その際政府は、「この問題に重大な関心を持つて既に内部的に検討を開始している」と答弁をしているが、今日に至るも何ら態度を表明していない。
 よつて、次の質問をする。

一 伝熱面積当たりの蒸気発生量が多い小型ボイラーは、伝熱面積が小さくても燃料使用量が多いため、排出ガス量が多く、同程度の伝熱面積をもつ従来型のボイラーに比べ三倍近くの排出ガスを出すものもある。大気汚染防止法上は、伝熱面積が十平方メートル未満であれば排出ガス量が多くても法の規制対象にはならないため、このような小型ボイラーと従来型ボイラーとの間で規制の不公平が生じていると考えるが政府の見解を問う。
二 この小型ボイラーは規制の対象とならぬため煙突も低くてよく、設置数も増えており、大気環境に与える影響は無視できないと思うがこれは、すべてのばい煙発生施設から排出されるSOxの総量、NOxの総量の何%に当たるか数値を明らかにされたい。
三 私の指摘した十平方メートル未満という伝熱面積での規制に加えて、例えば重油換算で五十リットル以上を大気汚染防止法の対象とすべきであると思うが、政府の見解を伺いたい。
四 NOx削減のためには固定発生源である工場のボイラー規制は平等に行うべきであると考える。従来の許可型ボイラーと小型ボイラーの多缶設置による基準値に差を認めるべきでない。私は中小零細業者がA重油を燃料として一、二台の小型ボイラーを設置しているものを規制すべしと主張しているものでなく、B、C重油を使用する大手事業所に多缶設置の割合が増加している最近の動向を問題にしているのである。
  なお、現在政府が検討している小型ボイラーの規制数値は、ばい塵、SOx、NOxそれぞれについて、従来型ボイラーの規制値と同じものにするのかどうか明らかにされたい。特に多缶設置の場合について、その数値に差があるとするならばその根拠を明らかにされたい。

 右質問する。





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