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昭和六十二年二月四日提出質問第四号
固定資産税等の過納金の返還請求に関する質問主意書
右の質問主意書を提出する。
昭和六十二年二月四日
提出者 中村 茂
衆議院議長 原 健三郎 殿
固定資産税等の過納金の返還請求に関する質問主意書
固定資産税等の課税客体に対する現況未確認、地目認定の誤認、評価算出の誤り等、行政が責任を負わなければならない事件が、山形県酒田市、静岡県熱海市、神奈川県川崎市等で相次いで明らかになつている。
土地の評価額は、固定資産税・都市計画税(市町村税)のほか登録免許税(国税)と不動産取得税(都道府県税)の課税基準にもなつており、納税者に与える影響が大である。
従つて、法の執行に当たつては、公正かつ厳正に行われなければならないものである。
そこで、固定資産税等の確定行為が違法である場合の賦課処分又は地目誤認等の行政上の責任で生じた過誤納金等の返還請求の消滅時効について、現行法上存在する国(行政)の優越的地位と、これに対する正当に保護されなければならない納税者の利益との調整について十分配慮されなければならないものと考える。
従つて、次の事項について質問する。
1 固定資産評価基準は「土地の地目は土地の現況によるものとする」として、完全な現況主義をとつている。それにもかかわらず、現況確認をしないで地目変更を行い、その評価額に基づいて賦課した場合は違法であり、それらの賦課処分は無効の行政行為と解することが妥当であると考えるが、どうか。
2 従つて、無効の固定資産税・都市計画税及び不動産取得税の賦課処分は、地方税法第十七条の五及び第十八条の三の五年の期間制限には服さないものと解すべきであるが、どうか。
二 行政責任が負うべき過誤納金等の返還請求について
1 固定資産税・都市計画税及び不動産取得税については、地方税法第十七条の五及び第十八条の三の五年の期間制限にかかわらず「何らかの措置」により納税者に対し、正当な保護を講ずるべきものと考えるが、どうか。
2 登録免許税の過誤納金については、昭和五十五年六月六日法務省民事局第三課長回答により、「登記後五年を経過したものであつても、価額が修正された日から五年内のものについては登録免許税の還付をすべきものと考えます。」となつているが、その還付は「市町村長から修正通知がなされたことにより過納となつた登録免許税還付」となつている。
一方、地方税法第十七条の五(更正、決定等の期間制限)により修正は五年の期間制限になつているため、五年を経過している場合の修正通知は「超法規的措置」によらざるを得ない。これでは恩恵的措置となり不合理である。
従つて、法施行の整合性を確立すべきであると考えるが、どうか。
右質問する。