衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
昭和六十三年九月九日提出
質問第一二号

 岩手県内における米空軍機墜落事故等に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十三年九月九日

提出者  沢藤礼次郎

          衆議院議長 原 健三郎 殿




岩手県内における米空軍機墜落事故等に関する質問主意書


 去る(一九八八年)九月二日、東北・北海道上空で訓練中の米空軍三沢基地所属F16戦闘機が、岩手県下閉伊郡川井村の山中に墜落し炎上した事故は、現場が同村小国地区の集落から約四百メートル、小国小学校から二キロメートルと近く、一歩誤れば大惨事を招いたとして、地区住民、県民のあいだに恐怖と不安が広がつている。また、現場の山林は前月来の集中豪雨で湿つていたため周囲への炎上は免れたが、いつたん火が出れば大火災になつていたとの指摘もある。
 同県内ではこれより先、同年一月十九日にも和賀郡和賀町と江釣子村で同じ米軍三沢基地のF16戦闘機が衝撃波により民家の窓ガラスを破損する事故があり、このときには自宅の壊れた窓ガラスを後片づけしていた小学六年の女子児童が、衝撃波と爆発音に驚いて転倒し、左手中指を三針縫うけがを負つている。
 低空をごう音とともに飛び回る米空軍機・戦闘機はこれまでも住民にとつて不安の的であつたが、今回の事故で日常抱いていた不安がついに現実のものとなり、県上空を自由自在に飛行する戦闘機に対し、市民のあいだから改めて危機感を訴える声があがつている。
 米軍による低空飛行訓練は日本国内で活発に実施されており、超低空飛行などのトラブルが昨年秋から相次いでいることから、今回のような事故が日常起こつて不思議でない実態があることを、この際重要視しなければならない。
 我が国の非核三原則に照らし、核兵器搭載可能なF16戦闘機の三沢基地配備には反対の立場であるが、トラブルが多発している実情に鑑み、当面緊急を要する対応・処置として、以下の点について質問する。

一 米軍三沢基地の飛行訓練については、その具体的内容・参加機数・飛行ルートが訓練空域の市町村に明らかにされていない。
  政府はこれらの点について事前に連絡するよう米軍に求めていくべきと考えるが、その意思があるか。
二 自衛隊は戦闘機の飛行訓練について、訓練内容・空域・コース等に制限を設けているときくが、実態はどうか。また、米軍にはこれらについての制限があるのかどうか。
  政府はこの点について明らかにするよう米軍に求めていくべきと考えるがどうか。
三 米軍の低空飛行訓練には、最低高度規定などの航空法の規制が適用除外になつており、騒音・安全性の面から大きな問題である。
  事故多発の折から政府は米軍に対し、高度・スピード制限等規制を強化するよう申し入れるべきと考えるがどうか。
四 今回の事故捜査については県警がその主導権をとつていきたいとしているが、実際には県警、地元消防隊、自衛隊などの日本側関係者は事故発生数時間後には現場から約三百メートルの範囲外に退去させられ、現場付近はまるで治外法権的な実態にあつたと報道されている。また救助されたパイロットの身柄もすでに米軍三沢基地に確保されていることから、事情聴取も防衛庁・米軍を通じて要請しなければならず、これからの捜査が米軍主導を余儀なくされることは明白である。
  日本国内における米軍の事故に対し、早急に警察の捜査権を確立すべきと考えるが、政府はこの点について今後どのように対応していく方針か。
五 以上の諸点を総合的に考えた場合、空対地の訓練は住民の生命財産に重大な脅威を与えている実態に鑑み、今後本土空域における戦闘訓練は中止すべきと考えるが、政府の考え、対応はどうか。
  当面、本年十月下旬に予定されている岩手県上空での自衛隊、在日米軍による合同訓練は中止すべきである。政府はこの点について見直し、米軍に中止申入れをする意思があるかどうか。

 右質問する。





経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.