衆議院

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昭和六十三年十月十八日提出
質問第二〇号

 オゾン層を破壊する化学畳床の製造とそのJIS規格化に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  昭和六十三年十月十八日

提出者  草川昭三

          衆議院議長 原 健三郎 殿




オゾン層を破壊する化学畳床の製造とそのJIS規格化に関する質問主意書


 最近、フロンガスによるオゾン層の破壊が予想外に進んでいることが、各種の調査によつて指摘されている。米航空宇宙局(NASA)の「オゾン変動検討委員会」メンバーであるマック・マクファーランド博士は、本年七月八日、環境庁を訪れ最新データを使つた同委員会の将来予測を述べている。それは、人体に有害な紫外線をさえぎるオゾン層を守るには、国際合意(モントリオール議定書)で決めたフロンガスの生産の半減では不十分で、さらに削減を続け、最終的には九五%減らさないと地球のピンチを救うことはできないというフロン削減率拡大の重要性を強く訴えたものと聞く。
 世界のフロンガス生産量は年間約百十万トンといわれるが、我が国の生産量は、昭和六十二年で約二十万九千トン(昭和六十三年九月三十日付の政府答弁書内閣衆質一一三第一四号による。)もあり、日本の負うべき責任は極めて大きい。かかる状況の中で通産省は、フロンガスを使用して製造する畳床に新たなJIS規格を適用しようとしている。この問題については、先に質問主意書(質問第一四号)を提出したが、その答弁では納得できない。よつて国民の健康と暮らしを守るため、さらに次の質問をする。

一 去る六月のトロント・サミットでは、経済宣言の中に環境問題についての提言が行われている。最近、竹下首相は、フロンガスによるオゾン層の破壊、炭酸ガスによる地球の温暖化など、地球的規模の環境問題についての国際会議を日本で開催したいとの意向を提唱されたというが、それは事実なのか。総理の見解を明らかにされたい。
二 米環境保護庁(EPA)は、このほどオゾン層破壊を食い止めるためにフロンガス・ハロンガス使用の即時全面停止、産業用有機溶剤として広く利用されているメチルクロロホルム(トリクロロエタン)の使用量凍結を各国に呼び掛ける方針を決めたと報じているが、環境庁はどのように把握しているのか。また、フロンガス・ハロンガスの生産制限を厳しくしたとしてもEPAの指摘のごとく使用制限に踏み切らないと、オゾン層破壊を食い止めることはできないのではないか、環境庁の見解を求める。
三 先の答弁書(内閣衆質一一三第一四号)で政府は、いわゆる化学畳床に用いるポリスチレンフォームの生産にフロンガスが用いられることがあることを認めた。また、この畳床の工業標準の案(JIS)を審議している専門委員会においても、法を踏まえた審議が行われているものと承知していると答弁しているが、同委員会では、フロンガス使用の畳床製造について環境破壊の及ぼす影響についてどのような議論が行われたか、その審議内容を具体的に明らかにされたい。
四 通産省が、オゾン層を破壊するフロンガスを使用して生産されるポリスチレンフォームを素材とする畳床のJIS規格適用を何故急ぐのか、理解ができない。畳の品質管理を目的にJIS化を急ぐという意見があるが、それは、結果としてフロンガス使用を増加させることにつながるものである。現在、住宅都市整備公団及び東京都住宅供給公社は、フロンガスを使用して生産されるポリスチレンフォームを畳床とする化学畳床を使用しているが、今後とも採用をするのか、当局の見解を問う。
五 住宅都市整備公団及び東京都住宅供給公社は、化学畳の廃棄処理をどのように行つているのか明らかにされたい。また、これから累増し発生してくる化学畳の廃棄処理をどのように行つていくのか併せて明らかにされたい。
六 化学畳の廃棄処理をメーカーの責任で回収すれば経営がなり立たないという現状を先の質問書(質問第一四号)で指摘した。政府はこの質問に対して、事業者自らの責任において産業廃棄物処理業者に委託するなど適正な処理を行うべきものであるとの主旨の答弁(内閣衆質一一三第一四号)をしたが、ここにいう事業者とはポリスチレンフォーム製造メーカーなのか、畳業者なのか、それとも住居の「家主」なのか、明らかにされたい。また、これが住宅都市整備公団及び東京都住宅供給公社の住宅の場合はどうなるのか、併せて明らかにされたい。
七 ポリスチレンフォームの処理について許可を受けている産業廃棄物処理業者の各県別業者数を明らかにされたい。
八 国民の健康と暮らしを守るためには、環境保全に役立つ商品を政策的に推奨することが必要になつてきたと考える。消費生活上、環境保全意識の高揚を図るため、エコロジーマークの実施が急がれるべきと考える。エコロジーマークの実施についての現状と展望をこの際、明らかにされたい。

 右質問する。



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