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平成元年六月二十日提出
質問第三二号

 防衛庁の八丈島における極超短波無線局新設計画に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  平成元年六月二十日

提出者  岡崎万寿秀

          衆議院議長 田村 元 殿




防衛庁の八丈島における極超短波無線局新設計画に関する質問主意書


 海上自衛隊は八丈島の八丈三原山山頂に極超短波無線局を新設する計画であり、すでに関係自治体への打診も行っていると聞く。しかし、伊豆諸島と小笠原を結ぶこの線上は、新島が自衛隊の巡航ミサイルSSM1の発射実験場とされ、三宅島でも米空母艦載機の夜間離着陸訓練基地化に向けた政府の執拗な工作が続き、小笠原では硫黄島の軍事要塞強化が進み、新たに米軍戦略と結びついた硫黄島、小笠原のOTHレーダー設置計画が進行するなど、千カイリシーレーン、エアレーン「防衛」強化と結びついた役割を担わされようとしている。こうしたなかでの八丈島の極超短波無線局の新設の動きであるだけに、八丈島の住民はいうまでもなく、平和な伊豆七島、小笠原をのぞむ島民、都民が懸念し心配するのは当然である。
 そこで以下、質問する。

一 八丈島に極超短波(UHF)無線局を新設する理由について
 1 千葉県館山航空基地の第21航空群のヘリコプターによる伊豆諸島からの患者輸送行動の際の情報交換、あるいは火山噴火災害時に派遣される護衛艦等との常時通信の確保、というのが防衛庁の説明だが、短波(HF)は電離層の変化の影響を受けやすいという問題はあるにしても、救難のためというのであれば決定的な欠点とはなりえない。現に、遠距離の捜索・救難行動に当たりHFを使用している海上保安庁も、HFによる交信になんら支障がないと説明している。救難活動に従事する航空機、艦船との交信にいま使用しているHFでどうして不都合なのか。どうして自衛隊だけがUHF無線でなければならないのか。
 2 UHF無線は伝達情報の量がHFに比べはるかに大きく、また、HFに比べ安定的であることから、八丈島でのUHF無線局の新設は、自衛隊の航空機、艦船の作戦運用を向上させることを目的の一つとしたものではないか。
   また、新設するUHF無線は作戦運用のなかでも使用されるのではないか。
 3 八丈島のUHF無線局を通して送られる情報は、自衛隊が現在進めている防衛統合ディジタル通信網に集約され、他地域でも活用できることになるのではないのか。
   また、SFシステムの一環をなすものと考えるがどうか。
 4 UHF無線局の運用期日を何時にしたいと考えているのか。
二 情報の送達について
 1 八丈島UHF無線局は、周囲一五〇キロメートル内で行動する航空機、艦船と交信するものといわれているが、航空機は高い場所から監視あるいは捜索を行うことができる。その場合、当該航空機は周囲一五〇キロメートルどころか相当遠距離での活動が可能となると思うが、どうか。
   また、UHF無線の到達距離はどのくらいか、理論的数字を示されたい。
 2 八丈島無線局に集められる情報は、航空機の場合、
  @ どのようにして、どこに送られるのか。中継、最終地点も述べられたい。
  A 八丈島と館山の間はNTTの電話回線を借りることになるのか、それとも自衛隊独自のものを用意するのか。
  B 館山に集約した情報が横須賀に送られ、あるいは横須賀から情報が送られる場合はどういう方法によるのか。
 3 艦艇が得た情報は、
  @ 最終的にはどこに、どのようにして送られるのか。また中継するところはあるのか。
  A 横須賀まで送られる場合は八丈島からのNTT電話回線を利用するのか。それともNTTの電話回線は一定地点まででそのあとは自衛隊の施設を使うのか。
  B また、八丈島からの電話回線が陸揚げされている場所はどこか。
三 無線局建設予定地は八丈三原山山頂とされているが、具体的に特定されているのか。また、その土地は所有権者はだれか。
四 八丈島は富士・箱根・伊豆国立公園の一部であり、当然、自然公園法の適用を受ける。風致・環境保護上、問題はないのか、具体的に示されたい。
五 八丈島のように、今後、本土とUHF無線局でつなぐ計画が他にあるのか。あるとすれば具体的に説明されたい。

 右質問する。





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