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平成元年八月十日提出
質問第二号

 都市水害防止のための抜本的対策に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  平成元年八月十日

提出者  松本善明

          衆議院議長 田村 元 殿




都市水害防止のための抜本的対策に関する質問主意書


 七月三十一日から八月一日未明にかけて、関東地方を襲った豪雨は、東京都の渋谷、中野で一時間にそれぞれ七四・五、七〇ミリも降り、善福寺、石神井、池上、上目黒等の各地では六〇ミリを超えるという記録的な降雨量に達した。このため、石神井川、善福寺川、妙正寺川、神田川、目黒川などで濁流があふれ、流域に重大な被害をもたらした。しかもあふれた場所が住宅が密集したところであり、あわせて千五百戸余が床上浸水、約二千九百戸が床下浸水となり大きな被害を受けた。これらの流域は、以前から集中豪雨による災害の危険が指摘されていた場所であり、二年に一回程度の割合で水害が起きている。
 このような都市水害を防止する抜本的対策を進めることが行政の責務であると考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 第七次治水事業五ヵ年計画(一九八七〜九一年度)では都市中小河川の改修は、時間雨量五〇ミリの降雨による浸水被害の防止を目標に実施し、一九八六年度末の二八%から一九九一年度末には三二%の整備率に向上させるとしている。東京都全体における河川の整備率はどれぐらいにするのか。また石神井川、善福寺川、神田川、目黒川のそれぞれの整備率についてはどうか、明らかにされたい。
二 今回の七〇ミリ以上の降雨量にも十分対応できるためには第七次治水事業五ヵ年計画の抜本的見直しが必要だと思うが、どうか。
三 都市河川改修が遅々として進まない根本的原因は、軍事費とODA(政府開発援助)を大幅に増やす一方、生活関連予算をゼロシーリングでばっさり打ち切っているところにあり、これらに大判振舞いをやめてもっと国民の安全と財産を守ることに回せとの国民の声は広がっている。これらの声に謙虚に耳を傾け、予算の配分を転換しなければ河川改修事業は「百年河清をまつ」ことになると思うが、災害関係や国民生活関連部門の予算を大幅に増やす方針はないか。
四 今回の事態を二度と繰り返さないために、
 1 現在行っている都の事業の繰上げ実施を含め早期に実現が図られなければならない。そのためには国の補助を抜本的に引き上げなければならないが、東京都の河川事業に対する補助は、逆に、一九八四年度の十分の七・五から一九八九年度には十分の五・二五に引き下げられている。これを速やかに元に戻すことが必要だがその考えはあるか。
 2 環状七号線の地下調節池の早期建設のためには、抜本的で大幅な補助が必要だと思うがその考えはないか。
 3 都区が単独に実施している遊水池、貯留池、歩道の透水性舗装、都道などに実施している透水マスさらには雨水一時貯留施設等の事業にも補助を拡大する必要があると思うが、どうか。
五 神田川は、一九八八年度から政府の総合治水対策特定河川の一つに指定された。今回の水害によって同河川については、より一層強化する必要があると考えるが、どうか。
六 東京都内には、数多くの官公庁、各種公団・事業団・金融機関などの政府関係機関さらにはNHKほか特殊法人等々があり、これらの建物、敷地、所有地には「隗より始めよ」で透水性施設や雨水貯留施設など治水対策のための各種施設を設置する必要があると思うが、現在の設置状況について詳述されたい。また今後の計画、方針について具体的に述べられたい。
七 大企業の本社や工場、駐車場及び所有地などにもその地下及び敷地内に透水性施設及び貯留池等の建設促進を図る指導の強化が、政府に求められている。大企業をはじめとする民間企業におけるこれらの施設建設の現状についてどれだけ把握しているか。また具体的な今後の政府の方針、姿勢を明確にされたい。

 右質問する。





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