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平成二年十一月七日提出
質問第一〇号

 ダイオキシン問題に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  平成二年十一月七日

提出者  藤田スミ

          衆議院議長 櫻内義雄 殿




ダイオキシン問題に関する質問主意書


 十月二十三日に愛媛県川之江市沖で採取されたぼらから高濃度のダイオキシンが検出され、その原因が製紙工場排水と考えられると報道され、全国の製紙工場の周辺住民に大きなショックを与えました。
 言うまでもなく、ダイオキシン(二、三、七、八 ― TCDD)は、合成化合物のなかで最強の毒性を示すものとされているだけでなく、広範囲な環境が汚染されている。また、ダイオキシンは、他の動物よりも人間における残留性が高いとの指摘もあり、人間の母乳からもダイオキシンが検出されている。それだけに、ダイオキシンの発生源を規制し、ダイオキシンの発生を根絶することは、国民的緊急課題だと言える。
 諸外国のダイオキシン対策が、アメリカが総合的な「ダイオキシン戦略」を立て、スウェーデンやカナダなどにおいては、いち早くゴミ焼却場の対策や製紙工場の排出規制に取り組むなど日本より数段進んだものになっていることは、各種の報道からも明らかである。先進国日本として、早急に抜本的ダイオキシン対策を立てるときである。
 従って、次の事項について質問する。

一 ダイオキシン対策を進めるには、ダイオキシンによる環境汚染の重大性の認識と発生源を押さえるための機敏な行動が必要である。しかしながら、今回の製紙工場を発生源とするダイオキシンの検出問題についてもその対応は後手後手に回っているとしか言えない。さらに問題なのは、製紙工場がダイオキシンの発生源の一つであることは、少なくとも二年前から研究論文等で指摘されていたにもかかわらず、その対策を放置していたことである。政府は、速やかに製紙工場のダイオキシン対策を確立すべきである。政府の対策を明らかにせよ。
二 ダイオキシン対策の根幹は、ダイオキシンの発生源をできるだけ早く押さえ、規制することである。専門文献(「ポリ塩化ジベンゾジオキシン及びジベンゾフランの環境汚染」)からもダイオキシンの発生源として、@都市におけるゴミ焼却炉、A電線などの再生工場、B銅の製錬所や製鉄所の排ガス、C自動車のモーターオイル、D鉛を添加したガソリンの排ガス、E変圧器の火災、F製紙工場、G農薬、HPCB製品、I化学物質の事故、J化学物質廃棄場などが列記されているが、政府は、@〜Jのダイオキシンの発生源についてそれぞれどのように規制と対策を立てようとしているのか。
三 ダイオキシン対策を進めるに当たって必要なことは、広域なダイオキシンによる環境汚染の実態調査とともに、発生源として指摘されている工場周辺の汚染状況の調査である。また、人間に対するダイオキシン汚染については、母乳に対する蓄積が心配されるところであり、発生源周辺を含めその系統的調査が必要であるが、政府の対応はどうか。
四 諸外国のダイオキシン対策は、我が国の対策に比べると格段に進んでいるが、日本としても総合的なダイオキシン対策を打ち出し、各省庁横断的な対応を強力に進めるべきである。また、ダイオキシン研究予算を格段に増額するとともに、研究者の育成を進めるべきであると考えるが、政府の対応はどうか。

 右質問する。





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