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平成三年十二月十八日提出
質問第五号

「不動産業向け貸出しの総量規制の解除」に関する質問主意書

提出者  渋谷 修




「不動産業向け貸出しの総量規制の解除」に関する質問主意書


 平成三年一月二十五日に閣議決定された総合土地政策推進要綱によれば、「……土地基本法の成立を踏まえ、同法の基本理念にのっとった総合的な土地政策の効果的な推進を図ることが必要である」としており、その土地政策の目標について、「適正な地価水準の実現」をあげ、具体的には、「土地の利用価値に相応した適正な水準まで引き下げること」また「特に、住宅地については、中堅勤労者が相応の負担で一定水準の住宅を確保しうる地価水準の実現をはかる」としています。
 そのための具体的な施策を列挙していますが、その中で土地関連融資規制として、「不動産業向け貸出しの総量規制を継続して実施する」としています。
 すなわち、「不動産業向け貸出しの総量規制」は、単独の、対症療法的な施策として実施されたものではなく、政府みずからが決めた総合的な土地政策の一環として実施されたものです。
 ところが、昨今、この「総量規制」について解除する動きが政府内にあるとの報道がなされています。
 そこで、以下の問題点について、明解なる答弁を求めるものです。

一 総合的な施策の一環として「総量規制」が実施された以上、その解除は目標が実現されたことが前提とならなければならない。
  目標である「土地の利用価値に相応した適正な水準」まで地価は下がったか、または「住宅地については、中堅勤労者が相応の負担で一定水準の住宅を確保しうる地価水準」は実現されたか。
二 約二十年ぶりの都市計画制度の見直しについて来年通常国会で取り上げられる見通しとなっているにもかかわらず、その成立を待たずに解除しなければならない理由は何か。
三 土地基本法においては、「投機的取引の抑制」として「土地は、投機的取引の対象とされてはならない」と明記されている。当然金融機関の土地関連融資においては、この考えが徹底されなければならない。政府はこの条項を実効あらしめるためにこれまでどのような施策を講じてきたか、また、今後講じていく考えか。
四 政府は、いわゆる銀行に対する「ヒアリング」等の手続きから総量規制に移行していったのであるが、ヒアリングや総量規制を行った法的根拠とその理由について説明されたい。また土地価額が何%あがった時にヒアリングを行い、また何%あがった時に総量規制を行ったのか。
五 現在、「総量規制」の解除が言われている。ヒアリングを行った時点から今日までの、銀行等の貸付け額と地価の推移を明らかにされたい。
六 総量規制を実施したり、解除したりする場合の目安となる根拠を数字によって明らかにされたい。
七 将来この「総量規制」は、政府の裁量によるものではなく、一定以上の地価の値上がりがあった場合に、自動的に実施される方式に切り替えるべきではないか。それについては法律上の根拠を設けるべきではないか。
八 右に関連して、銀行の乱脈な貸付けを防ぐために、他に考えられている方策、例えば、土地を担保にして金を借りる場合の限度等について、その目安を明らかにするとか、あるいは土地情報を一元化して、誰がどの土地をどの程度保有し、かつまたどの銀行等からいくら借りているかを公表するシステムを実現するべきと考えるが、それについて検討しているとすればその内容、検討していなければこれらについての考えを明らかにされたい。
九 右に関連して、地価の鎮静化に関して有効な役割を果たしてきたと考えられる国土利用計画法に基づく「監視区域の指定」と、それに基づく「届出制」について、 これも近い将来「解除」する考えがあるのか否か、明らかにされたい。
十 右の「届出制」の実績、すなわち、全国各都道府県別の届出実績、勧告処分の実績、その効果、そして地価に対する影響等についてのデータを明らかにされたい。
十一 右の「監視区域の指定」と「届出制」も、「総量規制」と同様に、政府の裁量によるのではなく、一定率以上の地価上昇がみられた場合には「自動的」に発動されるシステムにするという方策は考えられないか。

 右質問する。





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