衆議院

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平成七年十二月十五日提出
質問第二八号

徳島県木頭村に計画されている細川内ダム等に関する質問主意書

提出者  草川昭三




徳島県木頭村に計画されている細川内ダム等に関する質問主意書


 平成七年六月二日「細川内ダム建設計画に関する質問主意書」(質問第六号)を提出したが、この建設計画には疑問点が多く、一層の事実関係の解明が必要と考える。また公共事業見直しのための第三者機関の設置問題およびいわゆるダム等事業審議委員会(以下ダム審議委員会という)に対する当局の基本的な考え方について、以下の質問をする。

一 政府は先の答弁書(内閣衆質一三二第六号)において、五十嵐官房長官が、大規模公共事業計画を進めるにあたって、その妥当性を審査する第三者機関の設置を提案していることに関して「現在、関係省庁でこれら手法について総合的観点から検討中である」と述べているが、この方針に変更はないか。また第三者機関の性格は、@事業官庁から完全に独立した組織であること、A客観的事実に基づいて判断できる場であること、B会議の公開と住民参加を保証することなどが必要と考える。第三者機関の設置にあたり、@〜Bを取り入れる意思があるかどうか、政府の基本的な考え方を明らかにされたい。
二 政府は本年九月、各省庁の審議会を原則として、公開することを決めた。原則公開の内容には、会議後の議事録公開、会議の報道関係者への公開、会議の一般公開などが含まれると考えられるがどうか。同じく所管庁のOBを審議会委員に加えないとの方針も明らかになったが、いつまでに完全実施するのか明示されたい。また現在、建設省、農水省、運輸省に関係する審議会においてOBが会長をしているものおよび委員になっている審議会名と、そのOBの各省における最終役職を明らかにされたい。
三 建設省は、ダム審議委員会を設置し、事業の進め方に関し、一層の透明性、客観性の確保を図るとしている。そこで透明性とはいかなることをいうのか。客観性とは具体的に何をいうのか。それぞれ具体的な基準を示されたい。また、ダム審議委員会はいかなる法律に基づいて設置されたのか、明らかにされたい。
四 既に実施している八か所のダム審議委員会は、透明性、客観性の観点から疑義がある。透明性の観点からは、住民参加と公開が最低条件と考えられるが、全国各地の同審議委員会は、一般公開されていない。客観性の観点からは審議委員の選任はダム推進の立場をとる知事が行い、ダム建設推進のメンバーが大多数を占め、意見の異なる人たちは排除されている。木頭村長は、事業予定地の地元首長が推薦するメンバーを委員のうち半数選ぶべきであると主張しているが当局はどう考えるか、見解を明らかにされたい。なお地元首長が推薦する者を選任する考えがない場合、その理由を具体的に示し答えられたい。
五 建設省はダム審議委員会の諮問をへて、委員会の意見を尊重した事業者による判断を行い、@事業の継続実施、A計画変更して実施、B中止、の選択肢があるとしている。しかし徳島県議会では河川課長が「審議委員会は決して白紙を前提とした会議ではございません。例えば基本計画策定までのひとつの手続きであるというようにお考え願ったらいいのではなかろうかと考えております」(要旨)と答弁しているというが事実か。
六 建設省は細川内ダムなど全国十一か所のダムを見直しの対象として選んでいる。細川内ダムのように事業計画が全く成り立っていない場所と、徳山ダムのように用地買収が基本的に終わり廃村となって、既に千三百億円の事業費を注ぎ込んだ場所の見直しとでは根本的に条件が異なる。そこで十一か所の、@選定理由、A計画進捗状況、B平成七年までに投じられた事業費をそれぞれ明らかにされたい。
七 徳島県から高知県にいたる国道一九五号線は、木頭村内の約四キロメートル区間が未改良区域で、二十年以上も放置されている。狭い場所では道路幅が三メートル程度しかなく、ダム水没予定区域という理由で予算がつかない状態が続いている。ところが、過日、私が細川内ダム問題で、建設省担当官から説明を聞いた際、担当官は道路幅が狭いという私の指摘を明確に否定した。そこで、改めて調査を行ったところ、同国道の木頭村内区間には、道路幅が二・八五メートル、二・九五メートル、三メートルという箇所が相変わらず実在している。建設省担当官がなぜこのような発言をしたのか理解に苦しむ。同区間には道幅が狭いところがないとした理由と、その根拠を示されたい。
八 改めて問うが、国道一九五号線の木頭村内約四キロメートル区間には、道路幅が三メートル程度で一部の大型自動車が通行できない箇所があるが、当局はこのような箇所が実際にあると認めるのかどうか。また最も狭いところで道路幅は何メートルなのか明らかにされたい。
九 地域住民の利便性のみならず交通安全対策上も国道一九五号線の木頭村内約四キロメートル区間の改良は急務と考えるがどうか。また、同国道、同区間改良のための事業費を平成八年度予算に計上する予定はあるのかどうか。計上しない場合は、その理由を明らかにされたい。
十 先の答弁書(内閣衆質一三二第六号)において、細川内ダムに係る昭和四十七年度から平成六年度までの各年度の予算執行額と、昭和四十三年度から昭和四十六年度までに執行した同ダム建設計画関連調査費が示されたが、このうち食糧費にあてられた金額はいくらか、年度ごとに明らかにされたい。また、会議費として支出したものがあるとすれば、何のために使ったものなのか、支出回数、支出合計額、会議名、会議目的、開催場所および出席者をあげ具体的に明らかにされたい。
十一 政府は、会計検査院からダム・河口堰計六か所が長年にわたり着工できないため、調査費など約八百五十億円が無駄になっていることを九十四年度決算検査報告で指摘されたといわれる。ここには、細川内ダム分約四十三億円も含まれていると聞くが事実か。また、細川内ダム関係事業費の中の事務費等を、本来の目的に反し、食糧費や会議費に流用したケースがあるのかどうか、ある場合は、件数および金額を明らかにされたい。なお、これまでに会計検査院から事務費等の流用についてや、食糧費や会議費としては不適切な支出だとして注意等を受けた事実があるのかどうか、さらに食糧費をいわゆる官々接待に流用したことがあるのかどうかも併せて答えられたい。
十二 那賀川では下流の洪水流量を低減するため、細川内ダムが必要とされているが、想定されている百年に一回の洪水流量(基本高水流量)がどの程度の合理性、説得性をもっているのか、細川内ダムなしでこの洪水流量に対処する他の手段がないかどうかを検証することが重要である。この点は、他の河川も同様であって、基本高水流量の決定プロセス、ダムに代わる代替手段の選択の可能性が十分に議論される必要がある。また、各河川についての決定プロセスがどの程度一貫したものであるかも明確ではない。そこで、今回のダム審議委員会の対象河川((一)ア〜ケの河川)の基本高水流量の決定プロセスとダム建設計画についての議論を深めるために必要な、下記の(三)ア〜ツについて数字をあげ具体的に答えられたい。さらに比較のため、(二)ア〜キの河川についても同様に明らかにされたい。
 (一) 対象河川
  ア 北海道 沙流川
  イ 東北 高瀬川
  ウ 関東 渡良瀬川・利根川
  工 北陸 黒部川
  オ 中部 矢作川、揖斐川
  力 近畿 足羽川・日野川・九頭竜川
  キ 中国 吉井川
  ク 四国 那賀川、吉野川
  ケ 九州 川辺川・球磨川
 (二) 比較のための河川
  ア 北海道 石狩川
  イ 関東 多摩川、那珂川
  ウ 北陸 神通川
  工 中部 長良川、木曽川
  オ 中国 旭川
  力 四国 仁淀川
  キ 九州 筑後川
 (三)
  ア 洪水防御計画における計画規模、すなわち計画降雨量の確率年。
    何年に一回の降雨を想定したかを示す。
  イ 洪水防御計画における計画基準点(以下基準点という)がカバーする流域面積。
    二点以上ある場合はそれぞれについて示す。
  ウ 確率計算の手法それぞれによる計画降雨量計算値とその決定値。
    確率計算の手法は岩井・角屋法、石原・高瀬法、グンベル法等について、また計画降雨量は基準点より上流の値を示す。
  エ 基準点より上流において、これまでに観測された第一位から第十位までの実績降雨量と発生年月日。
    実績降雨量は一〜三日間で、前記ウの計画降雨量と同じ継続時間のものを示す。
  オ 基準点においてこれまでに観測された第一位から第十位までの洪水時のピーク流量とその時の水位およびその発生年月日と発生時刻。
  カ 採用した洪水流出モデルの手法(貯留関数法、単位図法等)と採用理由。
  キ これまでに観測された各洪水について計画降雨量への引き伸ばしにより、基準点の洪水流量を計算した結果。
    各洪水についての引き伸ばし率とピーク流量計算値を示す。
  ク 基準点の基本高水流量の決定値および決定値のカバー率。
    カバー率は基本高水流量の決定値が、前記キのピーク流量計算値群の何%をカバーしているのかを示す。
  ケ 基準点上流において洪水調整機能を持つダム(計画上のものを含む)の位置と、それぞれの洪水調節容量。
    この項は、沙流川、黒部川、揖斐川、足羽川・日野川、吉井川、那賀川、吉野川、川辺川・球磨川について示す。
  コ ダムや遊水池、放水路の効果(計画上のものを含む)を考慮して、これまでに観測された各洪水について計画降雨量への引き伸ばしにより、基準点の洪水流量を計算した結果。
    各洪水についてのピーク流量計算値を示す。ただし、この計算を省略して計画高水流量を定めた場合はその旨を明記のこと。
  サ 基準点の計画高水流量の決定値と、ダム、遊水池、放水路各々の効果見込み量(基準点における流量低減量)。
  シ 基準点において基本高水流量および計画高水流量に対応する水位。
    吉野川の場合は第十堰改築前後の水位を示す。
  ス 前記ケの該当河川において審議委員会の対象ダムがない場合、基準点の計画高水流量はどの程度増加するのか、その高水流量とそれに対応する水位。
    審議委員会の対象ダムとは二風谷ダム、平取ダム、宇奈月ダム、徳山ダム、足羽川ダム、苫田ダム、細川内ダム、川辺川ダムを意味する。
  セ 基準点における計画上の粗度係数と河床勾配(上流側一キロメートルまでの平均河床勾配と下流側一キロメートルまでの平均河床勾配)。
  ソ 基準点における計画河床高、左岸および右岸の計画築堤高。
  タ 基準点における現平均河床高、左岸および右岸の現築堤高。
  チ 基準点における平均河床高の過去三十年間の変遷。
    河床高の変遷は五年おきに示す。
  ツ 基準点においてこれまでに観測された第一位から第十位までの洪水における審議委員会対象ダムの計画地点での時間別洪水流量。
    洪水流量の観測値がない場合は、ダム予定地の上流域における洪水時の時間別降雨量を示す。
十三 本年は八月から九月にかけて那賀川において近年にない渇水があり、このような異常渇水に対処するためにも細川内ダムが必要という意見がある。しかし、本年の渇水は八月二十六日から九月十九日までのわずか二十数日間のうちに、工業用水の取水制限率が十%から八十%へと一気に強化されており、渇水対策の進め方として不明な点がある。なぜこのような事態になったのか、本年の那賀川渇水の構造を解析するため、次のア〜カについて数字をあげ具体的に明らかにされたい。
  ア 本年七月一日から九月末日にかけての流量観測地点(和食、楠根、古庄)における毎日の流量。
  イ 本年七月一日から九月末日にかけての各ダム(小見野々ダム、長安口ダム、川口ダム)における毎日の貯水量、流入量、放流量。
  ウ 農業用水と工業用水に対する取水制限の条件と本年の取水制限の経過。
  エ 取水制限における各農業用水と各工業用水のそれぞれの基準取水量。
  オ 本年七月一日から九月末日にかけての次の農業用水および工業用水におけるそれぞれの毎日の取水量。
    農業用水(北岸用水、南岸用水、加茂谷用水、十八女用水)
    工業用水(日本製紙、古庄上流の新王子製紙、古庄下流の新王子製紙、阿南工業用水道)
    農業用水で取水量を計測していない場合は、水位等からの推定取水量を示す。
  カ 本年七月一日から九月末日にかけての那賀川流域における毎日の降雨量。
    気象庁および建設省の観測地点について示す。

 右質問する。



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