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平成九年二月四日提出
質問第三号

ルワンダへの平和協力隊の派遣に関する質問主意書

提出者  辻元清美




ルワンダへの平和協力隊の派遣に関する質問主意書


 本年二月に政府が予定している、ルワンダ難民の帰還及び再定着支援のために、現地の日本の非政府機関(以下NGO)を国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律による平和協力隊員とする措置につき、再検討を求めて質問する。

@ 国連平和維持活動(以下PKO)における非軍事活動及びNGOの問題などに関するこれまでの政府の措置等について。
 一 一九九一年の国連総会PKO特別委員会において、日本政府代表は副委員長を務めていたが、北欧諸国の提案するPKOにおける文民の使用強化を求める決議案に修正を求めたが、その理由は何か。
 二 質問一に関し、国連事務総長に対して文民の使用を要求(urge)する北欧諸国案の言葉づかいが適切ではなかったことが修正を求めた理由とされているが、一九九〇年以前に、国連総会、安全保障理事会、経済社会理事会及びそれぞれの下部機関において、当該の言葉が使われた例はまったくなかったのか。
 三 質問二に関連し、日本政府代表が修正を求めた結果、決議案は文民の利用を事務総長に促す(invite)となったが、事務総長に対して、一九九〇年以前に、国連総会、安全保障理事会、経済社会理事会及びそれぞれの下部機関において、当該の言葉が使われた例はどれだけあったか。
 四 一九九三年九月より、国連合同監査団がPKOの文民要員に関する監査報告(JIU/REP/93/6)を発表しているが、本報告に関する政府の見解はいかがか。
 五 一九九三年九月より、オーストリア政府が同国のNGO「オーストリア平和紛争解決センター」と協力してPKOの文民訓練コースを設置するが、これに関して当時政府はどのような情報を入手していたか、また現在に至るまで本訓練コースの様子をどのように把握しているか。
 六 質問五に関連し、これまで政府がこの訓練コースに人員を派遣したことはあるか、あれば何人か、または調査団等を派遣したことはあるか。
 七 質問六に関連し、人員を派遣したことがある場合、その結果をどのように評価しているか、また、派遣結果に関する報告書の内容を示されたい。
 八 質問六に関して、人員を派遣したことがない場合、それはなぜか。
 九 一九九五年七月、オーストリア政府とオーストリア平和紛争解決センターが「国連PKOのための文民育成に関する国際会議」を開催したが、政府はこれに参加したか。もし参加した場合はこれをどのように評価するか。また、当該会議について、その概要の説明を求める。
 十 質問九に関連し、もし参加していない場合、それはなぜか。
 十一 質問五に関連し、今後日本において、このような、広く各国及び各NGOからの参加者を募るNGOにおける文民要員の訓練のための措置を講じる予定はあるか。
 十二 質問十一に関連し、もし予定がある場合、その計画から運営に至る過程において、どの程度NGOの参加を求め、またNGOの発言力を確保するためにどのような措置を講じるのか。またもし予定がない場合それはなぜか。
 十三 質問九に関連し、本会議の報告書において、「(訓練コースの)参加者には各国政府職員やNGOも含めるべき」、「紛争地域の人々を含め、異なる文化的背景の参加者があることが望ましい」と述べられているが、これをどのように評価するか。
 十四 一九九五年二月、スウェーデンに、PKOにおける文民の重要な役割である選挙支援に関する政府間機関が設置されたが、設置時点では日本政府は参加していなかった。それはなぜか。また今後参加する予定はあるか。予定がないとすれば、それはなぜか。
 十五 質問十四に関連し、現在この機関の参加国及び活動状況などをどのように把握しているか。またどのように評価しているか。
 十六 スウェーデンやオーストリアのようないわゆるPKO先進国と比較して、日本政府はPKOにおける文民の強化及びNGOの役割の強化に対して積極的ではなかったと考えるが、いかがか。もし積極的ではなかったのであれば、それはなぜか。またもし積極的であるとするのならば、その根拠は何か。
 十七 一九九四年の国連総会決議四九/一三九Bに応え、九五年六月二七日に国連総会に提出された、「人道的援助、復興及び開発のための技術協力の分野における国連の活動に対するボランティア『ホワイト・ヘルメット』の参加」と題する事務総長の報告(A/50/203/Add/A)によると、日本政府もこの問題に関して見解を提出している。この見解の説明を求めるとともに、この問題に対する政府の評価はいかがか。またこの問題に関してすでに何らかの具体的取り組みはあるのか。ないとすればそれはなぜか。あるいは今後取り組む予定はあるか。ないとすればそれはなぜか。
 十八 政府は九五年四月二八日付けで、「軍縮のための教育と広報」問題に関して国連に見解を提出し、これを「軍縮問題の教育及び広報に関して専門的に取り組んでいるNGOは存在していない」という言葉で結んでいるが、その理由は何か。また、この問題に関しては、教育、平和、宗教などに関する多くのNGOが国連に見解を寄せており、これが公表されているが、このことをどのように評価するか。前記の政府見解はこれらのNGOが見解を寄せていることと矛盾しないか。
A ルワンダへの平和協力隊の派遣に関する今回の措置に関して。
 一 これはいつ計画されたのか。また計画が具体化する経緯はどのようなものか。
 二 すでに現地で活動しているNGOで、平和協力隊員とされる予定のNGOは、いつ日本を出発したのか。それは今回の措置を了解した上での出発か。
 三 これらのNGOを平和協力隊員とする期間は一ヶ月程度と報じられているが、これは事実か。
 四 これらNGOの現地活動が終了する時期はいつか。
 五 この平和協力隊は現地解散か、それとも帰国して解散するのか。
 六 この平和協力隊の派遣期間がこれらのNGOが予定している現地活動期間を下回る場合、平和協力隊の解散に伴って帰国を強制されるのか。
 七 もしこの平和協力隊が現地解散である場合、ビザはどのような扱いになるのか。
 八 もしこの平和協力隊が現地解散である場合、現地で活動する人員が民間人から公務員へ身分が変わり、さらにその後再び民間人に戻ることになるが、これがNGOの活動に混乱をもたらす恐れはないか。
 九 質問八に関連し、この煩雑な身分の変化を原因とする混乱や犠牲が生じた場合、政府はどのように責任をとるのか。
 十 隊員となったNGOのルワンダ及び近隣諸国で活動する人員は、すべて平和協力隊員となるのか。
 十一 もしそのNGOの一部の人員のみが隊員になる場合、隊員となった人員は、政府によって活動地域とされた場所以外で活動する同じNGOの非隊員のところへ赴いて活動することはできるのか。
 十二 一つのNGOの人員で、隊員となる人員とならない人員がいる場合、何らかの緊急事態または被害が生じた際に、非隊員には措置または補償は提供されるのか。
 十三 隊員となることを希望しない日本のNGOも現地で活動している場合、何らかの緊急事態または被害が生じた際に、隊員となったNGOとならないNGOの間で補助金などに関して差をつけることはないか。
 十四 隊員となることを承諾するNGOと承諾しないNGOの間で補助金などに関して差をつけることはないか。
 十五 朝日新聞九六年一二月一五日付け記事を始めとする報道では、この平和協力隊の派遣は閣議決定によってなされる予定と伝えられているが、国会に諮る必要はないのか。
 十六 今後、NGOを隊員とする平和協力隊を結成するよう、NGOからの働きかけがあった場合、その働きかけに応じる基準は何か。
 十七 今後、PKOにおける文民強化及びNGOの参加に関するNGOとの公開の定期協議機関などを設置する予定はあるか。ない場合には、それはなぜか。
 十八 以上、従来のPKOにおける文民強化及びNGOの参加に対する政府の姿勢には不明な点が多く、今回計画されていると報じられている措置も十分に準備を経たものとは言い難い面が多い。改めて、NGOを平和協力隊員にする必要性はどこにあるのかを問うとともに、本件に関し、国会での審議に積極的に応じることを求める。

 右質問する。





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