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平成九年十二月十二日提出
質問第二二号

乳幼児突然死症候群(SIDS)等に関する質問主意書

提出者  長内順一




乳幼児突然死症候群(SIDS)等に関する質問主意書


 乳幼児突然死症候群(SIDS)は「それまでの健康状態および既往歴から全く予想できずしかも剖検および死亡状況によってもその原因が不祥である乳幼児に突然の死をもたらした症候群」を意味する。つまり、直前まで元気だった赤ちゃんが突然亡くなる病気で、日本では、年間約六百人(出生二千人のうち一人)の命が失われている。かつて多くの赤ちゃんの命を奪った疾病(感染、脱水など)は医学の進歩や社会環境の改善によって大幅に減少し、代わってSIDSが乳幼児の死亡原因の上位(生後四週間から一才までの死亡原因の一位)を占め、少子化の進展に伴いクローズアップされている。
 日本においての一才までの乳児死亡率は千人中四人と世界一の低さであるが、その四人のうち二人は新生児で死亡し、残る二人のうちの〇・五人がSIDSによって死亡している。実に病気による死亡の四分の一はSIDSによるものである。乳児死亡の主要因であるSIDSへの対策は急務であり、積極的な予防対策を講ずる必要がある。
 また、SIDSの発生に伴い、親はもちろんその家族、また病院関係者、保育従事者、警察、消防、法医学関係者等多くの職業分野の方々が関与することになるが、これら関係諸機関へSIDSに関する正しい情報を徹底し、対処ノウハウの徹底等に関しても早急な政策措置が必要である。
 以下質問をさせていただく。

一 例えば監察医務制度のある都内二十三区と制度のない都下の地域では、剖検率が八九%および六%と大幅な差があり、監察医務制度が剖検率と深い関わりを持つことが明らかとなっている。突然死の死因確定のためには、専門医が基準に則り鑑定、解剖をすることが不可欠であるが、日本では一部大都市で監察医務制度が実施されているに過ぎない。制度の不備がSIDS発生率を過小評価する因となっている可能性が指摘されており、国家レベルでの制度整備が検討されるべきである。現在、東京都区部、横浜市、名古屋市、大阪市、神戸市のみで実施されている監察医務制度については、財政上の理由等で規模縮小の傾向にあるが、今後の制度普及について政府の見解を伺いたい。
二 SIDSの診断においては、死亡状況の情報が極めて重要となる。監察医務制度が一部地域でしか実施されていない現状では、死亡状況を把握する警察または消防、あるいは保育施設等に対し、十分な協力を働きかけることが不可欠である。SIDSの専門的な知識について関係機関への情報提供、徹底はどのようになされているか。お尋ねする。
三 SIDSと育児環境との関連については、現在かなり明らかとなってきている。例えば豪州では、育児環境における喫煙やうつ伏せ寝との関連について、国民に積極的なキャンペーンを実施し五年間で死亡数を半減させたとの報告があるが、わが国においてもSIDSの予防対策として国民への知識普及等積極的な取り組みが重要と考える。政府としてSIDSの知識普及をどのように推進するのか。予算措置を含めお伺いしたい。
四 全国規模の実態把握の一環として家族への聞き取り調査を実施する動きがあるが、調査の実施に際しては家族のプライバシーを尊重するのはもちろん、遺族への配慮が十分なされるべきである。調査内容、実施方法、調査対象等調査の概要を明らかにされたい。また人口動態統計の目的外使用について総務庁の対応が遅れており、調査に支障をきたしていると聞いているが、実態を明らかにされたい。

 右質問する。





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