答弁本文情報
平成十年一月三十日受領答弁第二二号
内閣衆質一四一第二二号
平成十年一月三十日
衆議院議長 伊※(注)宗一郎 殿
衆議院議員長内順一君提出乳幼児突然死症候群(SIDS)等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長内順一君提出乳幼児突然死症候群(SIDS)等に関する質問に対する答弁書
一について
監察医による死体の解剖については、死体解剖保存法(昭和二十四年法律第二百四号)第八条第一項に基づき、監察医を置くべき地域を定める政令(昭和二十四年政令第三百八十五号)で定める地域を管轄する都道府県知事が監察医を置いて実施しているものであるが、当該死体解剖以外にも、都道府県等において死因が明らかでない死体について行政による死体解剖を行うことが必要な場合に、同法第七条に基づき、死亡した者の遺族の承諾を得て、死体解剖を実施することは可能であり、乳幼児突然死症候群(以下「SIDS」という。)の死因確定のための解剖については、必ずしも御指摘の監察医制度の普及が必要であるとは考えていない。
SIDSに関する情報については、SIDSの定義の改訂、診断の手引きの作成等を行った平成六年度の厚生省心身障害研究報告書「小児の心身障害予防、治療システムに関する研究」等の研究成果についてこれまで都道府県等の衛生関係部局、国立その他の小児総合医療施設等に報告書を送付すること等により公表してきたところであるが、今後、御指摘の警察、消防、児童福祉施設等の機関に対する知識の普及にも努めてまいりたい。
SIDSについては、その予防方法も含め、いまだ不明な点も多いため、現在平成九年度の厚生省心身障害研究「乳幼児死亡の防止に関する研究」(以下「平成九年度研究」という。)において全国規模の調査を実施しているところであり、御指摘の予防対策を含めた国民への知識普及については、本調査の結果等を踏まえた上で、予算措置も含めその効果的な実施方法等について具体的に検討してまいりたい。
御指摘の家族への聞取り調査については、平成九年度研究の一環として、研究者から各都道府県、地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第五条の政令で定める市及び特別区に依頼し、依頼を受けた地方公共団体が実施するものである。その調査対象は、平成八年一月から平成九年六月までの間にSIDSで死亡したと診断された乳幼児の家族等であり、調査内容は、当該乳幼児の出生時の状況、栄養方法、発育の状態、育児環境、死亡時の状況等を予定している。
また、依頼を受けた地方公共団体において行われる調査は、原則として、保健所の保健婦による聞取り調査の方式によることとされており、聞取りに当たっては、家族の心情に十分配慮されるとともに、調査により得られた情報について個人の秘密が厳守されるものと承知している。
御指摘の人口動態調査の調査票を統計上の目的以外に使用することについては、平成九年十二月一日付けで総務庁長官の承認がなされており、厚生省としては、研究者からこれを受けて調査が開始された旨報告を受けているところである。