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平成十年六月十七日提出
質問第六三号

使用済核燃料輸送容器の放射能汚染の原因究明に関する質問主意書

提出者  保坂展人




使用済核燃料輸送容器の放射能汚染の原因究明に関する質問主意書


 本年六月十一日の「原子力安全委員会放射性物質安全輸送専門部会(第十五回)」(以下「専門部会」とする)の席上、フランスとドイツで原発の使用済み核燃料輸送容器が放射能で汚染されていることが問題となっており、両国間で輸送が止まっていることが議題になったと伝えられている。
 この専門部会における報告で、日本からフランスの核燃料公社・コジェマ社に輸送された際の輸送容器でも汚染があったことが明らかになった。
 日本のみならず各国の人々の生命、安全に関わる問題であるところから一刻も早い原因究明がなされなければならない。これに資するため、以下質問を列挙する。

(1) 電力会社の管理する原発施設では空の輸送容器に使用済み燃料を入れてから搬出するまでの工程でどのような除染や検査が行われているのか。政府の把握する各社の内規・マニュアルなどを参考に詳細を明らかにされたい。
(2) 日本では使用済核燃料を輸送する場合、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第59条の2」「危険物船舶運送及び貯蔵規則第91条の9」に基づいて輸送物の安全を確認することになっているが、具体的にどのような確認が行われているのか。伝えられている容器汚染の原因究明のためにも、これまで輸送する際に確認した時期、汚染の有無などの内容およびその結果の全容について、検出限界以上、4ベクレル平方センチメートル以下の数値が出たものを明らかにすることを求める。
(3) 今日までフランス、イギリスの再処理工場へ転送されたすべての使用済燃料の原子炉、発電所ごとの輸送量はどのくらいか。また、それら各々の発電所発および再処理工場に到着した期日はいつか。
   その際、運搬に供された輸送船名も含めて情報を公開されたい。
(4) 輸送された使用済燃料、同容器汚染や輸送に関する責任者は誰か。また、フランス核燃料公社、イギリス核燃料公社から、電力会社へ何らかの事象、事故に関する通知はあったのか。通知があったならば、それを受けてとった各電力会社に対する措置はどのようなものだったのか。
(5) 国際原子力機関(IAEA)は、一九八五年に日本からフランスに運ばれた使用済み核燃料輸送容器に「放射能の涙」現象が認められ危険であることを指摘していたが、政府はこれを把握しているのか。把握しているとすればその内容を明らかにされたい。
   あるいは同報告を科学技術庁は受領しないか、見逃していたかどうか。認知していたのであればどのような対応を為したのか。その認知は担当者だけのものなのか。それとも科学技術庁全体のものであったのか。重大問題につき正確な答弁を求めたい。
(6) 専門部会で配布された科学技術庁の資料では、汚染が認められたのは九〇年とされている。政府は、日本から運ばれた容器の危険性が指摘された八五年からの五年間、どういった対策をとってきたのか、具体的に詳述されたい。あるいは、IAEAの指摘を誤りであるとして無視し、何らの対策もとらなかったのか。
(7) 日本から運び出されたものである以上、直ちに輸送を中止して原因究明をすべきであると考えるが、政府はどのように考えるか。原因は分からなくても輸送は続けるのか。

 右質問する。





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