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答弁本文情報

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昭和三十四年三月三日受領
答弁第三号
(質問の 三)

  内閣衆質三一第三号
    昭和三十四年三月三日
内閣総理大臣 岸 信介

         衆議院議長 加(注)鐐五(注) 殿

衆議院議員春日一幸君提出酪農振興基金の業務運営に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員春日一幸君提出酪農振興基金の業務運営に関する質問に対する答弁書



一 酪農振興基金法成立に際しては、衆議院農林水産委員会において、酪農振興基金の設立及び運営にあたつては主として中小乳業者及び生乳の生産者の経営が安定することとなるようその指導に万全を期すべき旨の附帯決議がなされ、政府としてもこの趣旨を体して指導を行つてきた。これにより基金に対する民間出資額一億四百五十万円のうち七千百四十万円が中小乳業者によつて出資され、また業務の運営ももつぱら中小乳業者を対象として行われているという状況である。
  昨年末、基金は、業務開始後直ちに緊急な資金需要に応じ運転資金の債務保証を行つたが、これはすべて中小乳業者に係るものであり、また、現在至急に保証を行うべく金融機関と折しようを進めている大かん加糖乳製品製造設備転換資金についても、同様である。
  以上により明らかなように基金は、その設立の趣旨にそい、主として中小乳業者等に積極的に保証を与えることを業務運営の方針としている。

二 基金の保証限度額は、業務方法書において被保証人の払込済出資額の十倍と定められており、これをこえる例外的保証は、大かん加糖乳製品の設備転換等その資金の性質から必要やむを得ないと認められるものについて行いうるものである。
  保証契約の手続は、業務方法書上金融機関から必要書類を附して基金に申請し、これに基き基金が個別に保証の決定を行うという建前であり、このうち前記の十倍の限度をこえる特殊なものについては、基金が農林省に協議した上で保証を行うこととされているので、事実上の事務連絡で十分その趣旨を達しうるものと考えている。

三 余裕金の運用については、貴意見のとおり金融機関に預託するのは、適当と考える。預託の方法については、出資者に対する金融機関の融資が円滑に行われるように配慮したい。食糧証券の購入は、短期にしかも効率の高い余裕金運用を図りつつ右の方針を実行するための経過的措置である。

四 担保の問題は、被保証人の資産信用の状況いかんにより個別的具体的に決定せらるべきもので、その事情により無担保の取扱が行われることは当然ありうると考えている。
  また、担保徴求の主体を基金にすべきであるという点については、現実に融資を行う金融機関に担保管理の自主性を与え、責任を分担させることが基金の業務運営の効率化及び事故発生防止のために必要と考えるが、なお、個々の事例に則して検討したい。
  なお、担保物件の評価について一律に率を定めるということは適切でなく、当該物件について個別的に決定すべきが原則と考える。
  出資者による連帯積立、これによる共済制は、出資者において具体化せられるならば効果的な措置と思われる。

五 保証業務の実施については、貴意見のとおりできるだけ早く設備転換資金の保証を行いうるようその促進につき指導の万全を期し、御趣旨の結果が得られるよう努力したい。
  なお、運転資金については、昨年十二月及び本年一月申出のあつたものについてほとんど要求どおりの保証を無担保で実行済である。今後も、この種の資金については、すでに受入体制ができているので、担保についても出資者の意向にそいうるよう個別的事例に即し処理する方針である。

六 基金は、新設間もないという事情があるのでその業務運営の監督責任上基金とともに設備計画について調査した。基金は、目下その調査結果に基き金融機関との折しようその他急速に保証の準備をととのえており、資料の整備したものについては近々保証を行いうる体制にある。
  資料の不十分なものについては、目下その整備につき努力している。

七 設備転換資金については、趣旨にそいうるような方向で考慮いたしたい。

 右答弁する。




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