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答弁本文情報

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昭和五十九年七月十三日受領
答弁第二二号

  内閣衆質一〇一第二二号
    昭和五十九年七月十三日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 (注)永健司 殿

衆議院議員稲葉誠一君提出「憲法」・「靖国神社」問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員稲葉誠一君提出「憲法」・「靖国神社」問題に関する質問に対する答弁書



一及び二について

 いずれも自由民主党靖国問題小委員会見解の内容にかかわる御質問であり、内閣として答弁することは差し控えたい。
 なお、「占領政策の再検討」を内閣が行つている事実はない。

三及び四について

 「憲法で禁止されている事柄」の意味が必ずしも明らかではないが、国又はその機関の活動についての御質問であるとすれば、国又はその機関は憲法に違反することは許されないのであるから、憲法の各規定に違反する行為はすべてこれに当たる。
 また、国又はその機関がある行為をするのに根拠となる法律の規定が必要とされる場合において、そのような法律がないときは、国又はその機関はその行為をすることができない。

五について

 憲法解釈上政府が合憲とも違憲とも断定していないが違憲ではないかとの疑いをなお否定できないとしているものとして、国務大臣が国務大臣としての資格で行う靖国神社参拝の問題があり、これについての疑義は、それが憲法第二十条第三項の「宗教的活動」に当たらないかということである。

六について

1 内閣総理大臣その他の国務大臣が国務大臣としての資格で靖国神社に参拝するいわゆる「公式参拝」問題についての政府の統一見解は、昭和五十三年十月十七日及び昭和五十五年十一月十七日に出されており、この二つの政府統一見解は、現在も変更されていない。
2 靖国神社の「国家護持」とは、国が靖国神社の運営について、参与し、又は国費を支出することを意味することが多いと考えるが、このような意味での靖国神社の国家護持を国が行うためには、靖国神社が宗教性をなくすることが必要であると考える。(昭和五十五年十月二十八日付け内閣衆質九三第三号答弁書参照)
3 「公式参拝」は、憲法第二十条第三項の禁止する宗教的活動との関係で問題となるのに対し、「国家護持」が2で述べた意味であるとすれば、国家護持については、同項のほか、宗教団体に公の財産を支出し又は利用させることを禁止した憲法第八十九条との関係が問題となると考える。

七について

 「日本を代表する者」の意味が必ずしも明らかではないが、一般的に我が国を対外的に代表する国家機関ということであれば、憲法は、それについて特に明示していない。
 「国家を代表する者」が国家を対外的に代表する国家機関を意味するものとしても、元首の概念には、いろいろな考え方があり、「元首」と「国家を代表する者」とが同一概念かどうかは、元首の概念をどのように考えるかによつて異なることになる。
 「国民主権」とは、国の意思の最終的かつ最高の決定者が国民であることを意味すると考えるが、このような国民主権と元首の関係については、元首の概念をどのように考えるかにもよるが、一般的にいえば、両者は相対立するものではないと考える。

 右答弁する。




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