答弁本文情報
昭和六十二年八月七日受領答弁第八号
内閣衆質一〇九第八号
昭和六十二年八月七日
衆議院議長 原 健三郎 殿
衆議院議員竹内勝彦君提出洗浄溶剤使用時における事故未然防止に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員竹内勝彦君提出洗浄溶剤使用時における事故未然防止に関する質問に対する答弁書
一について
洗浄溶剤による労働災害の中で、有機溶剤による中毒の発生状況は、昭和六十一年において死亡者が二名、休業者が九名と把握している。
このような労働災害の発生について的確に把握するために、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)に基づき、事業者に対し、労働者が労働災害等により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、所轄労働基準監督署に必要な事項を報告するよう義務付けており、今後ともこの報告の履行の確保を図つてまいりたい。
有機溶剤による健康障害の主要な例としては、神経障害、肝障害、腎障害が知られている。有機溶剤と疾病との因果関係については、今後とも知見の集積に努めてまいりたい。
有機溶剤による中毒を予防するため、有機溶剤中毒予防規則(昭和四十七年労働省令第三十六号)において、局所排気装置等の設備を設置すること、作業環境測定を行うこと、保護具を使用させること等の措置を講ずることを事業者に対し義務付けている。
また、フロンを用いて洗浄を行う装置については、酸素欠乏症を防止する観点から、酸素欠乏症等防止規則(昭和四十七年労働省令第四十二号)において、換気を行うこと、酸素濃度の測定を行うこと、空気呼吸器等を使用させること等の措置を講ずることを事業者に対し義務付けている。
これらの法令で定められている事項は、労働災害を防止する上での最低基準であるが、事業者が労働災害の防止のために、法令基準を上回る措置を自主的に講ずることは、望ましいことであると考える。
有機溶剤による中毒の防止及びフロン等による酸素欠乏症の防止については、労働基準監督機関による法定基準の履行の確保、業界団体及び事業者への指導等を通じて対策の徹底を図つている。
今後とも、これらの対策の徹底に努めてまいりたい。