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昭和六十二年十月十三日受領
答弁第三二号

  内閣衆質一〇九第三二号
    昭和六十二年十月十三日
内閣総理大臣 中曽根康弘

         衆議院議長 原 健三郎 殿

衆議院議員草川昭三君提出AT車の暴走に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員草川昭三君提出AT車の暴走に関する質問に対する答弁書



一について

 御指摘の十一件の事故については、事故発生時の捜査等の状況に関し警察庁が都道府県警察から報告を求めたものであり、再現テスト等の調査は行つていない。

二について

 警察庁において提出した資料は、昭和六十一年中に発生したオートマチック車による交通死亡事故の事故原因がペダルの踏み違い等による十一件の事故のうち、資料の提出時において審理中であつたもの等を除いた事故の概要を記したものである。残りの三件の概要は、別表一のとおりである。

三について

 御指摘の事件の事故原因は、現場の状況や車両見分等から総合的に判断されたものである。

四について

 御指摘の請願書については、昭和六十二年二月三日最高検察庁において受理し、現在、東京地方検察庁で調査検討中である。

五について

 既に確定した業務上過失致死傷事件に関し、事故原因が運転者の操作ミスではなく車両の構造欠陥にあるとして再審を要望する請願書が検察当局に提出された事例は、御指摘のもののほかには承知していない。

六について

 昭和六十一年中のオートマチック車による交通死亡事故のうち、発進時の事故としては十一件が計上されている。その概要は別表二のとおりであるが、このうち四件はペダルの踏み違い等による事故と重複している。

七について

1 警察においては、事故現場の状況を基に、事故に至るまでの車両の走行状態や運転者の運転操作、あるいはその供述と現場との符合等について捜査を進め、その結果、事故原因を総合的に判断しているものであり、捜査の過程で事故原因が車両の故障、欠陥に起因する疑い等が生じた場合には、専門機関等の鑑定等を受けるなどの措置を採つてきている。

2 交通事故事件の捜査に関する教育については、部内の学校教養や職場教養の場において行われている。特に、交通警察官に対しては、全国規模の交通専科教養と自動車整備振興会に委託しての特別教養を計画的に実施しており、そのカリキュラムの内容には、自動車の構造を始めエンジン概論やブレーキシステム等の科目があり、その中でオートマチック車についても取り上げている。

3 本年一月一日から九月十五日までの間に御指摘の措置を採つた事故の件数は、十五件である。

八について

 オートマチック車に係る急発進、急加速等の事例として運輸省で把握しているものの分析結果を踏まえ、車両構造等を勘案して、試験には、アウディ一〇〇(アウディE ― 四三WE及びアウディE ― 四四WU)、ニッサンフェアレディZ(ニッサンE ― HGZ三一)、マツダファミリア(マツダE ― BD一〇五一)、トヨタソアラ(トヨタE ― GZ一〇)及びホンダアコード(ホンダE ― SZ)を使用することとしている。

九について

 オートマチック車に係る急発進、急加速等の事例として昭和六十二年度第一・四半期(昭和六十二年四月一日から同年六月三十日まで)に自動車製作者等から報告を受けた件数は八十三件であり、その車種別及び形態別の内訳は、別表三の一及び別表三の二のとおりである。

十について

 自動車製作者等の責任の所在については、個々の事故の状況を詳細に調査した上判断されることとなると考える。

十一について

 警察が認知した交通事故で、その事故原因が車両の故障等に起因すると疑われるものについては、可能な範囲で車両見分や走行実験等を行つており、更に必要に応じて科学捜査研究所等において、当該事故原因の究明に必要な事項について鑑定等を実施している。
 なお、警察においては、車両の構造、装置等のすべてについて解析実験等が行える体制はできていないので、必要とする場合には、陸運支局等に協力を依頼している。

十二について

 昭和六十二年七月、日産自動車株式会社から運輸省に対し、フォルクスワーゲンサンタナ(フォルクスワーゲンE ― PM三〇)のアイドル回転制御装置に関し不備が認められるため、その原因を究明しているとの報告がなされた。この報告によれば、当該装置については、昭和六十年六月にその部品(トランジスター)の改良が行われ、また、昭和六十一年九月には、他の部品(ダイオード)について不良品の発生率を低下させるため、その調達先の変更が行われ、さらに、昭和六十二年一月に当該自動車の構造変更が行われた際、当該装置の機能を他の装置に代替させた結果、当該装置は用いられなくなつたとされている。その後、同社及びフォルクスワーゲン株式会社において原因の究明がなされた結果、同年十月二日、日産自動車株式会社から運輸大臣に対し、自動車型式指定規則(昭和二十六年運輸省令第八十五号)第十三条第一項に基づく届出がなされている。

十三について

 社団法人日本損害保険協会が、昭和五十七年四月以降を対象として調査した結果によれば、該当事例はない。

 右答弁する。


別表一
別表一


別表二
別表二


別表三の一

  オートマチック車に係る急発進、急加速等の車種別の件数
別表三の一:オートマチック車に係る急発進、急加速等の車種別の件数
(注)車種名には、2件以上報告を受けたものを記載している。



別表三の二

  オートマチック車に係る急発進、急加速等の形態別の件数
別表三の二:オートマチック車に係る急発進、急加速等の形態別の件数


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