衆議院

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昭和六十三年四月二十二日受領
答弁第二三号

  内閣衆質一一二第二三号
    昭和六十三年四月二十二日
内閣総理大臣 竹下 登

         衆議院議長 原 健三郎 殿

衆議院議員青山丘君提出税制改革に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員青山丘君提出税制改革に関する質問に対する答弁書



一について

 我が国の間接税制度は個別消費税制度を採つているため、近年における消費態様の多様化、サービス化等に必ずしも対応しきれず、税負担の公平性、中立性あるいは国際性の観点からみて問題が生じており、そのゆがみを是正する必要がある。
 一方、本格的な税制改正を行つてこなかつた最近十年間をみると、所得税、特に勤労者の源泉所得税のウエイトの増大と、その裏腹としての間接税のウエイトの低下が顕著であるが、そのような中にあつて納税者の不公平感、負担感が高まつてきている。これを放置するときは、こうした傾向は更に深まり、税体系のゆがみを増幅することになる。
 さらに、人口の高齢化が急速に進展していく状況の中で、現行税制のままでは国民の負担が勤労所得に対する負担に偏り、その結果、不公平感、負担感が更に高まり、勤労意欲や納税意欲が阻害されるといつた事態を招きかねない等税制のゆがみが一層拡大されるものと考える。
 こうした事態を避け、税負担の実質的な公平を確保するためには、社会共通の費用を広く薄く国民全体で負担していくとの観点から、所得の稼得段階とともに、消費の段階にも応分の負担を求める等所得・消費・資産等の間で均衡のとれた安定的な税体系を構築することが必要である。
 間接税の改革は、このような問題意識に立つものであり、先般、税制調査会から示された「税制改革についての素案」において新しい方式の間接税の導入が提案されたのも同様の認識に基づくものと承知している。
 御指摘の直間比率は望ましい税の組合せが選択された結果として出てくる数値であつて、税制改革の検討に当たりその比率自体の是正を目的としているものではない。
 なお、新しい方式の間接税は、財貨・サービスの価格に転嫁され最終的には消費者がこれを負担することが予定されている税である。そうした基本的性格にかんがみ、税制調査会においても、新しい方式の間接税については、その円滑かつ適正な転嫁を前提とするものであるとの視点に立ち検討が進められているものと承知している。

二について

 現在検討が進められている税制改革は、高齢化社会の到来、経済・社会の一層の国際化を踏まえ、国民の税に対する不公平感を払拭し、所得・消費・資産等の間で均衡のとれた安定的な税体系の構築を目指すものであり、税収増を目的とするものではない。
 歳出については、我が国財政の極めて厳しい現状にかんがみ、既存の制度・施策の見直しを行うなどその徹底的な節減合理化に努めてきたところであり、今後とも行財政改革の推進に最大限努力していく必要がある。
 先般、税制調査会から示された「税制改革についての素案」において、「今回の税制改革は、行政改革の一層の強力な推進を前提とし、全体としての税負担率の上昇を目指すことなく行われるものである」旨確認されたのも同様の認識に基づくものと承知している。

三について

 一についてにおいて述べたように、国民の税に対する不公平感・負担感を払拭するためには、個々の税目の中での見直しはもとよりであるが、より幅広い視点に立つて、所得・消費・資産等の課税ベースを適切に組み合わせ、これらの間で均衡のとれた安定的な税体系を構築していくことが喫緊の課題であると考えられる。
 このような認識の下、現在、税制調査会において、「所得・法人・資産及び消費課税等について」の「望ましい税制のあり方と実現に向けての具体的な方策」につき審議が進められているところであり、その議論を見守つてまいりたい。
 赤字法人に対する課税の問題については、税制調査会での審議の状況を踏まえつつ、抜本的な税制改革の一環として、各方面の御意見を拝聴しながら検討を進めてまいりたい。
 なお、昭和五十九年度の税制改正で講じられた「欠損金の繰戻しによる還付の不適用」及び昭和六十一年度の税制改正で講じられた「青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越しの特例」については、昭和六十三年度の税制改正において適用期限の到来をもつて廃止したところであるが、御指摘の昭和六十年度の税制改正で講じられた「利子・配当等に係る所得税額の控除等の特例」については、その適用期限が昭和六十五年三月三十一日までに終了する各事業年度とされているところである。



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