答弁本文情報
昭和六十三年九月二十日受領答弁第一三号
内閣衆質一一三第一三号
昭和六十三年九月二十日
衆議院議長 原 健三郎 殿
衆議院議員青山丘君提出現行石油関係諸税の抜本的見直し等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員青山丘君提出現行石油関係諸税の抜本的見直し等に関する質問に対する答弁書
一について
石油は、我が国において一次エネルギー供給の大宗を占め、国民経済上極めて重要かつ不可欠のエネルギーである。したがつて、石油の供給の担い手である石油産業は、我が国の基幹的産業であり、地域経済、雇用の面でも大きな地位を占めているが、その経営基盤は過度の競争等により、脆弱な状況にある。このため、今後、石油産業の国際化への動き等を踏まえつつ、規制緩和の実施、構造改善の推進、流通秩序の形成等の諸施策を講ずることにより、石油産業の体質強化を図ることとしている。
石油関係諸税及びその使途の在り方については、石油に係る税負担水準の在り方や財政需要の動向等広範な角度から検討を要する問題であり、引き続き総合的に検討してまいりたいと考えている。
なお、これらの点については、従来から税制調査会等において審議されてきているところであり、御指摘のような新たな機関を設ける必要はないものと考える。
消費税法案については、国会において十分に御審議いただきたいと考えている。
石油業界においては、石油が商品としての差別性がなく価格競争が激しいこと、市場規模に比して企業数が多いこと、流通構造が複雑であること等から、石油に係る税について円滑な転嫁の可能性について懸念する向きもあることは承知している。
こうした業界の実態を踏まえ、政府としては、昭和六十三年八月からの石油税の引上げに伴う円滑な価格転嫁が行われるよう環境整備に努めてきたところである。
また、消費税については、その円滑かつ適正な転嫁が行われるよう、法令上必要な措置を講ずることとしているほか、消費税の仕組みの周知を図る等必要な施策を講じてまいりたい。
消費税については、消費に対し広く薄く負担を求めるというこの税の基本的考え方を踏まえ、原則として非課税取引を設けないこととし、石油関係諸税の対象物品である原油及び石油製品等についても課税することとしたところである。
また、税制調査会の答申においても述べられているように、受益者負担的又は原因者負担的な性格を持つ特定財源である石油関係諸税と消費税とは課税の趣旨を異にすることから、消費税を課税することが適当と考えたところである。
なお、これらについては、税制調査会の答申を踏まえ、関係各方面の御意見を伺いながら総合的に検討を行い、結論を得たところである。
自由民主党の「税制の抜本改革大綱」において御指摘のようなことが述べられていることは承知している。
政府としても、消費税が併課されることによる石油に係る税負担については、引き続き総合的に検討してまいりたいと考えている。