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答弁本文情報

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平成元年十月二十四日受領
答弁第三号

  内閣衆質一一六第三号
    平成元年十月二十四日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 田村 元 殿

衆議院議員青山丘君提出在日韓国人の法的地位協定再審議に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員青山丘君提出在日韓国人の法的地位協定再審議に関する質問に対する答弁書



一について

 我が国は、在日韓国人の法的地位を始め社会生活の各般における待遇の安定については、歴史的経緯及び日韓友好関係を踏まえ、従来から可能な限り配慮してきたところである。
 日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定(昭和四十年条約第二十八号)第一条の規定に従い我が国での永住を許可されている者の直系卑属として我が国で出生した韓国国民の我が国における居住については、同協定第二条に基づき日韓両国政府間でこれまで二回正式協議が実施されているが、政府としては、同協定の前文に示されている精神及び目的を十分に尊重しつつ、今後の両国政府間の協議を通じて双方の満足し得る結論を見いだすべく努力する所存である。

二について

 政府は、従来から、公務員に関する当然の法理として公権力の行使又は公の意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とするが、それ以外の公務員となるためには必ずしも日本国籍を必要としないものと解している。このことは、国家公務員のみならず、地方公務員の場合も同様である。
 公権力の行使又は公の意思の形成への参画に携わる地方公務員であるかどうか及びこのような地方公務員以外の地方公務員に日本国籍を有しない者を任用するかどうかについては、それぞれの地方公共団体の実情に応じ、当該地方公共団体において判断されるべきものと考える。
 政府としては、企業への就職に当たっては、従来から在日韓国人であるかどうかを問わず、応募者本人の適性及び能力を中心に採用選考を行うよう事業主への指導・啓発に努めてきているところであり、今後とも、その徹底に努めてまいりたい。

三について

 外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号)は、本邦に在留する外国人の登録を実施することにより、外国人の居住・身分関係を明確にし、在留外国人の公正な管理に資することを目的としているところ、指紋押なつ制度は、指紋が人物の同一人性を確認する上で最も有効な手段であることにかんがみ、同制度を採用することによって、登録の正確性を維持するとともに登録証明書の不正使用や偽造を防止することとしたものであり、また、在留する外国人に登録証明書の常時携帯及び提示義務を課しているのは、当該外国人が適法な在留者であるかどうか、許容された活動を逸脱していないかどうかを現場において即時的に確認する手段を確保するためのものである。
 在日韓国人については、歴史的経緯があるとはいえ外国籍を有する者であることに変わりなく、一部外国人について指紋押なつ制度及び登録証明書の常時携帯・提示義務を廃止することは、結局、制度の趣旨を没却することとなり相当でない。
 なお、外国人登録法の一部を改正する法律(昭和六十二年法律第百二号)により、昭和六十二年に、在留外国人の心情を考慮し、指紋押なつを原則一回限りに改めるとともに、携帯上の利便を図るため登録証明書をカード型のものに改めたところであるが、同改正法案の国会審議に際し、衆議院及び参議院の各法務委員会において附帯決議がなされた経緯にかんがみ、御指摘の制度を含め外国人登録制度の在り方につき、今後とも引き続き研究・検討する所存である。





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