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答弁本文情報

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平成元年十一月十四日受領
答弁第四号

  内閣衆質一一六第四号
    平成元年十一月十四日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 田村 元 殿

衆議院議員寺前巖君提出有害・医療等の廃棄物の適正処理に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員寺前巖君提出有害・医療等の廃棄物の適正処理に関する質問に対する答弁書



一の1について

 一般廃棄物については、有害物質を含むものも含め、その処理に際して環境等への影響が生じないよう市町村等において必要な措置を講じているところである。

一の2について

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃棄物処理法」という。)において、排出事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならないこと、また、発生した廃棄物の再生利用等を行うことによって減量化に努めることが定められている。

一の3について

 排出事業者が、許可を受けた処理業者に委託基準に従って廃棄物の処理を委託した後の廃棄物の適正処理については、処理業者について必要な規制を行うことによって措置しているところである。
 また、産業廃棄物の流れの適正管理を目的としたマニフェストシステム(積荷目録制)の導入については、現在、試行しているところであり、今後定着を図ってまいりたい。

一の4について

 廃棄物処理業者の許可に当たっては、廃棄物処理法における技術上の基準に照らして、必要な設備、機材の有無だけでなく、廃棄物処理を適確に遂行するに足りる能力の有無についても審査することとしている。
 さらに、処理業者の処理状況については、立入検査等を行うことによって必要な指導を行っているところである。

一の5について

 廃棄物の処分については、廃棄物処理法において科学的知見等を踏まえつつ、処分基準を定めるとともに最終処分場等の構造及び維持管理に関して技術上の基準を設定しているところであり、今後とも埋立処分によって周辺環境の汚染を生じることのないよう必要な措置を講じてまいりたい。

一の6について

 廃棄物処理法において、不法投棄によって生活環境の保全上重大な支障が生じ、又は、生ずるおそれがある場合には、不法投棄を行った者に対して必要な措置を講ずるよう命ずることができることとされている。
 また、都道府県、保健所設置市には環境衛生指導員を置くこととされ、廃棄物の適正処理のための必要な指導監視等を行っているところである。

一の7について

 廃棄物処理法においては、同法に定める基準に適合しない処分によって、生活環境の保全上の重大な支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、当該処分を行った者又は廃棄物処理法に違反する委託によって当該処分が行われたときには当該処分を委託した者に対し、その支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講ずべきことを命ずることができるとされている。
 また、有害物質による土壌汚染対策については、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(昭和四十五年法律第百三十九号)等に基づく農用地土壌汚染防止対策、公害防止事業団法(昭和四十年法律第九十五号)に基づく市街地の土壌の汚染防止のための事業に対する資金の貸付け等の施策が講じられている。
 そのほかの汚染回復対策に係る手法、費用負担の在り方等については、今後の課題として検討してまいりたい。

二の1について

 医療機関及び処理業者を対象とした医療廃棄物の排出及び処理の実態調査については、昭和六十三年度及び平成元年度において実施したところである。

二の2、3、4及び6について

 医療廃棄物の処理については、廃棄物処理法において産業廃棄物及び一般廃棄物として廃棄物処理業の許可制度を定め、必要な指導・監督を行っているほか、廃棄物の収集、運搬及び処分の基準、処分を他に委託する場合の委託基準等が定められている。
 これに加え、感染症を生ずるおそれがある医療廃棄物について医療機関内の管理体制の整備、処理の委託方法、処理方法等を示した適正処理のためのガイドラインを策定したところであり、これに基づき指導してまいりたい。
 なお、医療機器製造業者等に廃棄物の引取り義務を課すことについては、前記のような措置を講じているところであるので、医療廃棄物の危険性及び医療機器製造業者等の現況にもかんがみ、現在のところ考えていない。
 また、廃棄物となった際に処理の容易な製品の開発を進めるよう、医療機器製造業者を指導してまいりたい。

二の5について

 医療法(昭和二十三年法律第二百五号)においては病院に汚物処理施設として病毒に汚染し又は汚染の疑いのある汚物を適当に処理できる焼却炉等を設置することが義務付けられており、このうち一定規模以上のものは廃棄物処理法に定める廃棄物処理施設として構造基準、維持管理基準が定められているところである。また、自ら廃棄物を処理しない診療所等については、廃棄物処理法の規定に基づき、許可を受けた処理業者に処理を委託して行うこととしている。
 なお、融資制度については、病院等の開設者に対しては社会福祉・医療事業団が公的融資を行っているところである。

二の7について

 医療関係者を始めとする、特にB型肝炎に感染する危険の高い人々に対しては、都道府県等を通じてその感染防止対策の推進を指導し、感染防止の徹底を図っているところである。
 また、医療機関に対しては、使用済み注射針を排出する場合には、感染等の事故が発生するおそれがないような措置を講ずるよう指導しているところである。

三の1及び2について

 建設廃材等の産業廃棄物の処理施設については、構造及び維持管理に関する基準、設置等に際しての事前届出制による都道府県知事等の審査、都道府県知事等の立入検査等が定められており、また、一定規模以上の最終処分場については環境影響評価が実施されることとなっているなど、環境保全上支障が生じないよう必要な措置を講じている。また、建設残土等の処分に当たって、農地の転用、民有林の開発行為等が行われる場合には、それぞれ、農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)に基づく農地転用許可制度及び森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)に基づく林地開発許可制度等の運用によって優良農地の確保及び森林の土地の保全に努めている。さらに、建設残土等の処分による河川の形状変更については、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)に基づき適切な対応を行っている。
 なお、環境汚染等の実態調査については現在のところ予定していない。

三の3について

 建設残土の処理については、発生土の現場利用の促進等発生量の抑制、工事間での流用の促進並びに臨海部及び内陸部における土地造成等建設残土の利用拡大の対策が適切に行われるよう努めているところであり、新たな法的規制等については現時点では考えていない。
 なお、残土と汚泥の基準等については、現在検討中である。

三の4について

 公共工事の契約における残土処理の扱いは、建設省直轄事業については指定処分方式を原則としており、直轄事業以外の事業についても、同様の措置を採るよう要請しているところである。
 民間工事を含む建設工事については、市街地土木工事公衆災害防止対策要綱(昭和三十九年十月一日付け建設事務次官通知)に基づき、起業者及び施工者に対して、建設残土の適正な処理を行うよう指導しているところである。

三の5について

 一ヘクタール以下の民有林の開発行為についても、森林法に基づく地域森林計画制度等によって森林の土地の保全に努めているところであり、今後とも国土の保全等の観点から本制度等の適切な運用に努めてまいりたい。

三の6について

 水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)においては、国及び地方公共団体は、水源等の清潔保持等に関し必要な施策を講ずる責務を有しており、また、水道事業者等は、水源の水質を保全するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体の長に対して、水源の水質の汚濁の防止に関し意見を述べ、又は適当な措置を講ずべきことを要請することができるとされているところであり、今後とも、水源の清潔保持のため法の適切な運用が図られるよう努めてまいりたい。





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