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答弁本文情報

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平成元年十二月二十六日受領
答弁第一七号

  内閣衆質一一六第一七号
    平成元年十二月二十六日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 田村 元 殿

衆議院議員寺前巖君外一名提出高層建築物の消防防災対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員寺前巖君外一名提出高層建築物の消防防災対策に関する質問に対する答弁書



一について

 近年における高層建築物の増加や危険物施設の多様化、複雑化等の都市構造の変化に対応し、はしご自動車、化学消防車の整備を充実するなど消防力の科学化を推進することが重要であると考えており、今後ともその整備の促進に努めてまいりたい。
 高層建築物の増加しているリゾート地域については、はしご自動車を計画的に整備する必要があるので、地域の実情を十分勘案し、その整備の促進に努めてまいりたい。

二について

 消防ヘリコプターについては、消火、救急、救助等の消防活動において非常に有効であるため、その全国的な整備を図る観点から、現在、広域的整備運用を図るための調査研究を進めているところである。
 ヘリポートについては、現時点では、高層建築物にその設置を義務付けることは考えていないが、現在、ヘリコプターの屋上緊急離着陸場の設置に関する指針を作成中であり、今後、当該指針に基づき高層建築物の建築主等に対しその設置を指導してまいりたい。

三について

 住宅向けのスプリンクラー設備については、設置・維持経費や水損被害等の問題にも配慮しつつ、その研究開発を推進しているところである。
 また、現在、高齢化の進展を踏まえた住宅防火対策の一環として、スプリンクラー設備も含めた住宅用防災機器等の在り方について調査研究を進めているところであり、今後その結果をも踏まえ、これらの機器の普及の促進に努めてまいりたい。

四について

 高層建築物に設置される連結送水管については、常時充水されている湿式のものとするよう指導してきたところであり、今後ともその徹底に努めてまいりたい。
 高さ七十メートル以下の建築物については、現在の消防ポンプ自動車の性能からみて、ブースターポンプが設置されていなくても十分送水可能であると考えている。

五について

 地震時における消防水利の確保については、防火水槽と消火栓との適切な組合せによる水利の多元化が要請されており、耐震性貯水槽等の震災対策施設の整備を促進してきたところであり、また、消火栓を含む水道施設全体の耐震化を進めるよう指導してきたところである。今後ともこれらの施策の充実に努めてまいりたい。

六について

 バルコニーについては、現時点では、高層住宅にその設置を義務付けることは考えていないが、高層住宅の火災に対するより一層の安全性を確保するために必要と認められる場合には、高層住宅の建築主から提出された防災計画書の審査等を通じて、バルコニーの設置を指導しているところであり、今後ともその推進に努めてまいりたい。

七について

 防火戸については、高層住宅の火災に対するより一層の安全性を確保するため、防火上、避難上及び遮煙上更に有効なものとするための措置について検討してまいりたい。
 また、本件火災のような煙の拡散を防止するためには、火災時に住戸の常時閉鎖式防火戸が閉鎖されていることが必要であり、高層住宅の居住者に対し、この旨の周知徹底を図ってまいりたい。

八について

 身体障害者、高齢者等のいわゆる「災害弱者」の防火安全対策については、全国火災予防運動の機会等を通じ、災害弱者家庭に対する防火訪問の実施、避難・救助の容易な場所での就寝の促進等について指導しているところであり、今後ともその徹底に努めてまいりたい。
 災害弱者のための各種設備機器の開発・普及については、病院、社会福祉施設等を中心として非常通報装置の普及の促進を図っているほか、視聴覚障害者等を対象とする火災覚知、避難誘導等に係る機器についての研究を行っており、今後ともこれらの施策の充実に努めてまいりたい。

九について

 高層住宅の居住者に対しては、消防用設備、防火戸、バルコニー等の適切な管理の重要性の認識を高めるとともに、各住戸ごとの避難路の確認の徹底を図るよう指導しているところであり、今後ともその推進に努めてまいりたい。
 また、各消防機関においては、高層建築物の立入調査を計画的に行っているほか、消防学校及び消防本部に設置した訓練塔を活用して高層建築物の消防活動訓練を実施しているが、今後ともその充実を図るよう指導してまいりたい。

十について

 高層建築物等における防火管理については、防火管理者等に当該防火対象物の構造、設備に即した知識及び技能の習熟に努めさせるよう指導しているところであり、今後ともその徹底に努めてまいりたい。

十一について

 消防補助金については、消防施設の整備水準が消防力の基準に比べいまだ低い状況にあること、近年における都市災害、自然災害等の多様化、大規模化に適切に対処する必要があること等から、消防防災施設の整備を一層促進しなければならないと考えており、今後ともそのための特定財源として重要な役割を果たしている消防補助金の確保に努めてまいりたい。





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