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答弁本文情報

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平成二年四月十日受領
答弁第一号

  内閣衆質一一八第一号
    平成二年四月十日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員草川昭三君提出骨髄移植と骨髄バンクに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員草川昭三君提出骨髄移植と骨髄バンクに関する質問に対する答弁書



一について

 「骨髄移植による悪性腫瘍の根治療法に関する研究班」報告(平成元年度)によれば、我が国では昭和六十三年度に骨髄移植が二百四十五例実施されており、そのほぼ全部が血縁者からの骨髄の提供によるものとされている。
 また、同報告によれば、昭和五十八年度から昭和六十三年度までに実施された急性白血病の患者に対する骨髄移植(合計百七十七例)について、患者の五年生存率は四十三パーセントとされている。

二について

 千九百九十年一月に開催された国際協力骨髄提供者組織(CMDP)の会議における報告等によれば、アメリカにおいては、アメリカ赤十字社を母体とした約八万人の登録者を有する骨髄バンクがあり、千九百九十年一月までにこれを利用した骨髄移植が約三百例行われているとされており、イギリスにおいては、患者家族の組織を母体とした約十四万人の登録者を有する骨髄バンクがあり、これを利用した骨髄移植が行われているとされている。また、同報告等によれば、その他の西欧諸国においても骨髄バンクが組織され、これを利用した骨髄移植が行われているとされている。
 なお、これらの国々においても骨髄バンクを通さない血縁者間における骨髄移植が、我が国と同様に行われていると承知している。

三について

 東海骨髄バンクは、患者及び骨髄移植に関する医療関係者が中心になり、愛知県、三重県、岐阜県及び静岡県を活動範囲として平成元年十月に発足し、提供希望者の登録等の活動を行っている団体であり、平成二年二月末現在四千人余りの提供登録者がいるとされている。平成元年秋には同バンクを利用した骨髄移植が初めて行われたと聞いている。
 その他の地域においても、骨髄バンク設立の動きがあると聞いている。

四について

 骨髄移植には、その治療方法としての評価、骨髄の採取に伴う提供者側の合併症等の危険、精神的負担等の問題があり、第三者からの骨髄の採取を前提とする骨髄バンクについては、医学的、社会的、倫理的に更に検討する必要があると考えている。
 したがって、現在、骨髄移植に係る問題につき、各界の有識者を集めた研究班により検討が進められているところであり、近く検討の結果が得られることとなっており、この報告を尊重しつつ今後の骨髄移植に関する対策を進めてまいりたい。





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