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答弁本文情報

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平成二年十一月二十七日受領
答弁第六号

  内閣衆質一一九第六号
    平成二年十一月二十七日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員寺前巖君提出ジクロロエチレン等による地下水汚染に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員寺前巖君提出ジクロロエチレン等による地下水汚染に関する質問に対する答弁書



一の1について

 ジクロロエチレンによる地下水汚染については、地下中におけるトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及び一、一、一 ― トリクロロエタン(以下「トリクロロエチレン等」という。)の分解が関与している可能性が高いと考えられているところであることから、その機構解明等に努めてきており、引き続き、トリクロロエチレン等の地下中での挙動やジクロロエチレンの生成機構等に関する調査研究を進めてまいりたい。

一の2について

 ジクロロエチレンによる地下水汚染の全国的な実態については、各都道府県等に対し、トリクロロエチレン等が高濃度で検出される地区を重点に、その把握に努めるよう指導しているところであり、今後とも、適切な実態把握が行われるよう努めてまいりたい。
 また、水道水源用井戸におけるジクロロエチレンの測定結果については、水道事業者等から報告を求めて、現在取りまとめているところであり、その結果がまとまった時点で公表してまいりたい。

二について

 水道水中の一、一 ― ジクロロエチレン濃度については、水道水の安全性を確保するため、当面、米国安全飲料水法の基準値(一リットル当たり〇・〇〇七ミリグラム)以下に維持するよう水道事業者等を指導してまいりたい。

三について

 微量化学物質に関する水道水の安全性を確保するため、現行の水質基準の見直しを含めた水道の質的向上のための方策について、生活環境審議会に諮問したところであり、水質基準について、同審議会の答申を得て、所要の見直しを行うこととしている。

四の1について

 トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンについては、平成元年十月から、水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)に基づき、これらを含む水の地下への浸透を禁止するとともに、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)に基づき、これらを含む産業廃棄物について管理体制の強化を行うこととし、これらを担保するため、必要に応じ、工場、事業場等への立入検査やこれに基づく改善指導等が行われているところであるが、今後ともこうした制度の運用の一層の徹底を図ってまいる所存である。
 また、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和四十八年法律第百十七号)に基づき、平成元年七月にトリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンの取扱事業者が環境の汚染を防止するためにとるべき措置に関する技術上の指針を定めたところであり、今後ともその遵守の一層の徹底を図ってまいる所存である。
 なお、一、一、一 ― トリクロロエタンについては、トリクロロエチレン等の排出に係る暫定指導指針(昭和五十九年八月二十二日付け環境庁水質保全局長通知)等に基づき、引き続き、これを含む水の地下への浸透の防止等を図っているとともに、これを含む産業廃棄物の適正処理の推進に努めているところである。

四の2について

 塩化ビニリデン樹脂や一、一、一 ― トリクロロエタンの製造工場では一、一 ― ジクロロエチレンを原料として使用している実情にかんがみれば、大量に廃棄されている可能性は低いと思料されるが、御指摘を踏まえ、一、一 ― ジクロロエチレンの使用等の実態について調査することとし、その結果を踏まえ適切に対処してまいりたい。

四の3について

 一、一、一 ― トリクロロエタンの排出の問題に関しては、一、一、一 ― トリクロロエタンそのものは、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンと比較して毒性が弱いことから、トリクロロエチレン等の排出に係る暫定指導指針等に基づく指導を行っているところである。当面はその指導を徹底していくこととしているが、一、一、一 ― トリクロロエタンからジクロロエチレンへの分解機構等の調査研究を更に進めることとしており、その結果を踏まえ適切に対処してまいりたい。
 なお、一、一、一 ― トリクロロエタンについては、モントリオール議定書第二回締約国会議の結果を踏まえ、オゾン層保護の観点から、政府としても、今後ともその排出抑制・使用合理化、代替品及び代替技術の開発利用の一層の促進等についての関係業界に対する指導に努め、さらに特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(昭和六十三年法律第五十三号)に基づく製造等に関する規制等を行うよう所要の対応を図ることとしている。

四の4について

 地下水汚染の拡大防止や回復に資するため、地下水汚染の原因究明手法や汚染された土壌、地下水の処理方策等について、現在、調査検討を行っているところであり、それらの結果得られた知見については、速やかに地方公共団体に提供してまいりたい。
 なお、汚染原因者が特定できない等の場合における汚染の除去等に係る取扱いについては、今後の状況の推移いかんにより検討していくこととしたい。





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