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答弁本文情報

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平成三年五月十四日受領
答弁第一〇号

  内閣衆質一二〇第一〇号
    平成三年五月十四日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員長谷百合子君提出MMRワクチンに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員長谷百合子君提出MMRワクチンに関する質問に対する答弁書



一について

 社団法人細菌製剤協会の調査によれば、平成二年におけるおたふくかぜワクチンの出荷数量については、占部株十万四千四百二十人分、星野株四万六千七百五十人分、鳥居株六万八千三十人分、宮原株五千三百八十五人分及びNK‐M46株千六百二十人分となっていると承知している。

二について

 おたふくかぜの予防接種は、予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号。以下「法」という。)の規定による予防接種ではないため、おたふくかぜワクチンの被接種者数の把握は困難である。

三及び十について

 平成元年の四月から十月までの間において、おたふくかぜワクチンの接種を受けたことによると疑われる無菌性髄膜炎の発生症例が合計三十二件報告されているところである。
 また、平成三年三月の国立予防衛生研究所麻疹ウイルス部杉浦部長(当時)の報告によれば、平成元年四月から平成二年十二月までに発生したおたふくかぜワクチンの接種を受けたことによると疑われる無菌性髄膜炎患者の髄液からワクチン株が見つかった症例は全部で五十三件であり、このうち占部株が四十四件、星野株が一件、鳥居株が七件、宮原株が一件であり、NK‐M46株によるものはないとされている。

四について

 おたふくかぜの予防接種は法の規定による予防接種ではないため、おたふくかぜワクチンの被接種者数の把握が困難である等の理由から、おたふくかぜワクチンの接種を受けたことによ
ると疑われる無菌性髄膜炎患者数のおたふくかぜワクチンの被接種者数に占める割合については、把握していない。
 また、乾燥弱毒生麻しんおたふくかぜ風しん混合ワクチン(以下「MMRワクチン」という。)の接種を受けたことによると疑われる無菌性髄膜炎患者数のMMRワクチンの被接種者数に占める割合については、平成元年十二月の公衆衛生審議会伝染病予防部会の意見では、数千人に一人となっている。

五について

 国立療養所三重病院の神谷院長の調査によれば、MMRワクチンの接種を受けたことによると疑われる無菌性髄膜炎患者と自然界のおたふくかぜウイルスに感染したことによる無菌性髄膜炎患者との症状を比較すれば、発熱した日数については、自然感染の場合が平均五・三日、MMRワクチンの場合が平均四・七日とされ、発熱した際の体温については、自然感染の場合が平均摂氏三十九・二度、MMRワクチンの場合が平均摂氏三十九・三度とされ、おう吐をした日数については、自然感染の場合及びMMRワクチンの場合とも平均二・二日とされている。
 また、おたふくかぜワクチンの接種を受けたことによると疑われる無菌性髄膜炎患者と自然界のおたふくかぜウイルスに感染したことによる無菌性髄膜炎患者との症状を比較した調査結果については、把握していない。

六について

 おたふくかぜの予防接種は法の規定による予防接種ではないため、おたふくかぜワクチンの接種を受けたことにより接種を受けた者に健康被害が生じた場合であっても、法第十六条の規定による健康被害の救済に関する措置が適用されないこととなる。
 なお、おたふくかぜワクチンの接種により健康被害が生じた者については、医薬品副作用被害救済・研究振興基金法(昭和五十四年法律第五十五号。以下「救済基金法」という。)の規定による救済給付の支給対象となっており、平成三年三月末までに、二十一人が支給を受け、そのうち十八名が無菌性髄膜炎によるものであるとされている。

七について

 MMRワクチン及びそれぞれの単体のワクチンの実勢価格については、把握していない。

八について

 ワクチン接種に伴う無菌性髄膜炎患者に要する医療費を推計するのは困難であるが、平成三年三月末までにMMRワクチンの接種を受けたことによる無菌性髄膜炎患者に対して、法の規定により支給される医療費の額(健康保険等の給付を受けた額を控除した自己負担額に相当する額。以下同じ。)は、合計約四百七十万円であり、また、患者一人当たりの医療費の額の平均は、約六万七千円である。
 また、平成三年三月末までにおたふくかぜワクチンの接種を受けたことによる無菌性髄膜炎患者に対して、救済基金法の規定により支給される医療費の額は、合計約七十六万円であり、また、患者一人当たりの医療費の額の平均は、約四万二千円である。

九について

 昭和六十三年の人口動態統計によれば、おたふくかぜによる年齢別の死亡者数は、三歳の者が一名、四十歳から四十四歳台の者が一名、七十歳から七十四歳台の者が一名、七十五歳から七十九歳台の者が一名、八十五歳から八十九歳台の者が二名となっている。

十一について

 MMRワクチンの今後の取扱いについては、現在、公衆衛生審議会伝染病予防部会において検討されているところであり、その検討の結果を踏まえて対応することとしたい。





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