衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成三年十月四日受領
答弁第五号

  内閣衆質一二一第五号
    平成三年十月四日
内閣総理大臣 海部俊樹

         衆議院議長 櫻内義雄 殿

衆議院議員新村勝雄君提出歯科材料の製造認可基準と保険導入手続き及び補綴技術料に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員新村勝雄君提出歯科材料の製造認可基準と保険導入手続き及び補綴技術料に関する質問に対する答弁書



一について

 中央薬事審議会に設けられた歯科用調査会では、画一的な基準によるのではなく、最新の歯科医学的知見に基づいて個別品目ごとに調査審議を行っている。

二について

 歯科用調査会は、中央薬事審議会規程に基づき、医療用具特別部会長により設けられ、専門的立場で歯科材料の安全性等に関する調査審議を行っているが、厚生大臣は、その結果を参考として、歯科材料の承認審査を行っている。

三について

 厚生大臣が歯科材料の承認審査を行うに当たっては、歯科医学の専門家等で構成される歯科用調査会での調査審議を参考としており、更にお尋ねのような学会への諮問を行うことは考えていない。

四について

 新しく開発された歯科材料については、御指摘の昭和五十五年六月三十日付薬発第八百五十二号「医療用具の製造又は輸入の承認申請に際し添付すべき資料について」に沿った承認申請を行うよう厳格に指導しているところである。

五について

 医療保険においては、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)上承認された医療用具について、保険診療上の有用性が認められる場合に保険導入を図ってきているところである。

六について

 御指摘の通知以前においては、専門団体の意見を聴くとともに、中央社会保険医療協議会(以下「中医協」という。)における議論を踏まえ、保険導入を行ってきたものである。

七について

 保険導入に当たっては、申請書に添付された書類に示された使用目的、効能効果、臨床上の有用性や価格等を通じて、保険診療上の有用性を総合的に判断し、中医協の議論も踏まえ対処しているところであり、ポリサルホン樹脂有床義歯についても、このような考え方に基づき昭和五十六年に保険導入が行われたものである。

八について

 ポリサルホン樹脂有床義歯の保険導入に当たっては、社団法人日本歯科医師会の意見を聴くとともに、中医協の議論を踏まえ、入念な審査が行われたものである。
なお、日本補綴歯科学会は、社団法人日本歯科医師会に置かれており、その意見は、従来から、社団法人日本歯科医師会の意見に反映されているものと認識している。
 今後ともこのような考え方で対処してまいりたい。

九について

 ポリサルホン樹脂有床義歯及びアクリルレジン有床義歯の年間総請求件数に係る調査は実施していない。なお、社会医療診療行為別調査による一箇月単位での件数は次のとおりである。
社会医療診療行為別調査による一箇月単位での件数
 (注)1 昭和五十六年は、調査がまだ行われていない。平成二年の調査結果は現在集計中である。
    2 昭和五十八年には抽出客体中にスルフォン樹脂有床義歯が含まれていなかった。
    3 昭和六十年までは、調査対象を政府管掌健康保険に限定していたが、昭和六十一年以降は国民健康保険についても調査を行っている。

十について

 平成二年末現在、全国の歯科技工所数は一万二千四百二十五箇所である。スルフォン樹脂有床義歯を扱う技工所についての調査は行っていないが、社団法人日本歯科医師会の調査によると、歯科医院及び歯科技工所等において備えられているスルフォン樹脂有床義歯を製作する設備は、平成二年九月末現在約千台であり、すべての都道府県に普及している。

十一について

 歯科技工所数は、年々増加しており、歯科技工所の規模によって増加割合の違いは認められないこと等から、近い将来零細歯科技工所が経営困難に陥り、廃業や転職が進行するとは考えていない。
 なお、スルフォン樹脂有床義歯の製作のために必要な設備等を購入するのに要する金額は、現在のところ約三百万円ないし四百万円と承知している。

十二及び十三について

 スルフォン樹脂有床義歯を始め、義歯の料金については、素材の特性、製作上必要とされる技術、保険診療上の有用性等を総合的に勘案し、中医協における議論を踏まえ、点数設定を行っているところである。
個々の診療行為を診療報酬上どのように評価するかという点については、今後とも、専門団体の意見も伺いながら、中医協における議論を踏まえ、適切に対処していく考えである。

十四について

 修理・リベースについては、スルフォン樹脂有床義歯においても十分対処できるものであり、スルフォン樹脂有床義歯の有用性が損なわれるものではないと認識している。

十五について

 御指摘の千葉県の歯科医師の行った調査については承知していない。なお、厚生省の行っている歯科技工料調査では、アクリルレジンによる部分床義歯の委託技工料の平均値は保険点数のおおむね六十ないし七十パーセント程度である。

十六について

 スルフォン樹脂有床義歯は、アクリルレジン有床義歯に比べ、堅ろう性、薄さ等の点で臨床上有用であり、保険診療上の有用性も高く評価できるものであること、製作上特殊な技術を必要とし、作業工程も多く複雑であることにかんがみ、中医協における議論を踏まえ、これを診療報酬点数表に収載するとともに、アクリルレジン有床義歯に比べ高い点数を設定しているものである。
なお、スルフォン樹脂有床義歯については、特に適応症が限定されているものとは承知していない。

十七について

 これまでも、高齢化社会における歯科医療の充実の観点から所要の診療報酬点数の引上げ等を図ってきており、今後とも、高齢化の進展等に対応し、国民に効率的で良質な歯科医療を提供できるよう、中医協の議論も踏まえつつ、適切に対処してまいりたい。





経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.