答弁本文情報
平成五年四月二十七日受領答弁第九号
内閣衆質一二六第九号
平成五年四月二十七日
衆議院議長 櫻内義雄 殿
衆議院議員長谷百合子君提出リニアモーターカー山梨実験線に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員長谷百合子君提出リニアモーターカー山梨実験線に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の原因については、車両の速度が実際の速度より遅いものと検知されたため、設定速度を確保しようとして推力が増加した点にあったということが明らかとなっており、今後は同様の事象が起こらない方法を用いることとしているため、問題はないと考えている。
ボーリング調査は、昭和六十三年度から平成二年度までに実施したと聞いている。
建設工事におけるボーリング調査の結果は、専門的な見地から構造物の設計及びその施工のために利用されるものであるので、柱状図等の内容については、公開されていない。
山梨実験線の車両においては、鉄を使用して客室及び通路を遮蔽することとしており、また、実物大の車両模型における実験等によれば、客室内の磁場が人体等に与える影響は日常的に存在する磁場によるものと同程度であり、特に問題はないと考えている。
山梨実験線における変動磁場が人体等に与える影響は、日常的に存在する磁場によるものと同程度であり、特に問題はないと考えている。
両者の構造の違いは、浮上方式についての設計上の違いであり、電磁波による人体等に対する影響とは関係がないと考えている。
財団法人鉄道総合技術研究所は、ショウジョウバエ等を用いた動物実験等を行ってきている。
財団法人電力中央研究所は、ヒヒを用いた商用周波電磁界の影響の調査等を行ってきている。
財団法人鉄道総合技術研究所は東京慈恵会医科大学と共同研究を実施しているところであり、山梨県は山梨大学及び山梨医科大学の協力を得て設けた「リニア技術関連問題研究協議会」において研究を実施しているところであると聞いている。
電界強度については、電気事業法（昭和三十九年法律第百七十号）に基づく電気設備に関する技術基準を定める省令（昭和四十年通商産業省令第六十一号）において、特別高圧架空電線路は、地表上一メートルにおける電界強度が三十ボルト／センチメートル以下となるように施設することとされており、西群馬幹線についても地表上一メートルにおける電界強度を測定し、当該基準に適合していることを確認している。
理論的には、電磁界強度がゼロになるのは無限遠である。
東京電力株式会社が百万ボルト送電線について送電可能な最大熱容量時の電流（約五千六百アンペア）を想定して行った試算によれば、地上高四十二メートルの送電線下で約〇・一二ガウス、線下から百メートルの地点で約〇・〇二ガウス、線下から二百メートルの地点で約〇・〇〇四ガウスとなっている。
なお、磁界強度が天候、気温、湿度及び電圧によって変化することはない。
異なる変電所のき電区域の境界を車両が通過する場合については、宮崎実験線における実験及びコンピューターを用いたシミュレーションの結果により、技術的には問題がないことが確認されており、山梨実験線においては、その確認を行う予定である。
御指摘の騒音については、トンネルの入り口に設けられるトンネル緩衝工等により、対策を講ずることとしている。
クエンチ現象の主な原因は明らかになっており、必要な対策を講ずることにより問題が生じないよう技術開発を進めることとしている。
御指摘の点については、技術開発等により、対応していくこととしている。
山梨実験線における実験により、総合的に安全性を確認することとしている。
山梨実験線のトンネル工事に際しては、現在までに地盤凝固材は使用しておらず、今後使用する予定もない。
財団法人鉄道総合技術研究所、東海旅客鉄道株式会社及び日本鉄道建設公団は、地元説明会を通して、沿線の住民に説明し、地権者及び沿線の住民の意見を聴取しており、おおむねその理解が得られていると聞いている。
宮崎実験線における実験については、新車両が完成するまでの間、旧車両を用いて実験を行っており、特に問題はないと考えている。
実験を早期に開始するために設定した山梨実験線の先行工事区間において、長期耐久性試験の一部は行えないものの、平成九年度までに実用化のめどを立てるための実験は可能であると考えている。
山梨実験線での実験については、事故等が起こらないよう指導していく所存である。