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答弁本文情報

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平成六年三月十八日受領
答弁第一号

  内閣衆質一二九第一号
    平成六年三月十八日
内閣総理大臣 細川護熙

         衆議院議長 土井たか子 殿

衆議院議員志位和夫君提出義歯の診療報酬の適正評価に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員志位和夫君提出義歯の診療報酬の適正評価に関する質問に対する答弁書



一について

 歯科診療報酬については、従来から技術料重視の考え方に立ち、診療報酬の改定の都度、技術料の引上げ等が行われてきているところであり、良質な義歯が作成できるよう適切な評価が行われている。今後とも、中央社会保険医療協議会(以下「中医協」という。)の議論を踏まえ適切に対処してまいりたい。

二について

 義歯の作成に要する時間は、患者の顎堤等口腔の状態、歯科医療従事者の経験等によって差異が生じるものと考えられるが、歯科診療報酬において、全体として良質な義歯が作成できるよう適切な評価が行われている。
 また、入れ歯が適合しなくなる原因は、歯科医学的には、義歯装着後の年月の経過に伴う義歯床下の顎堤の吸収等によるものとされている。
 なお、平成六年四月の診療報酬改定において、有床義歯の装着後、定期的に検査を行い、その適合を図るための調整等を行う必要があるとの観点から、有床義歯の長期的な調整指導についての評価を行うこととしている。

三について

 義歯の作成に関する評価を含め、診療報酬は物価及び賃金の動向、医業経営の実態等医療を取り巻く諸状況を総合的に勘案して決定されているものであるため、義歯の製作等に関する平均的な労働時間及び時間当たりの単価を示すことは困難である。

四について

 義歯に関する製作管理及び製作技工は一連の行為であるため、診療報酬において歯冠修復及び欠損補綴料として一体的に評価しているところであるが、このうち製作技工に要する費用は、おおむね百分の七十と考えている。
 なお、平成六年四月の診療報酬改定において、歯冠修復及び欠損補綴に関する評価について引上げを行うこととしている。

五について

 中医協の実施する医療経済実態調査は、病院、一般診療所及び歯科診療所を対象とするため対象数が極めて多く、結果の取りまとめに時間を要するが、医療機関の収支の動向については速報値として、診療報酬改定前に取りまとめられ、中医協における診療報酬改定の資料とされているところである。
 なお、今回の速報値については、中医協における議論の結果、平成五年十二月に公表されたところである。

六について

 医療保険は、広く国民から集めた保険料を主たる財源とするものであることから、すべての医療技術がその給付の対象とされるのではなく、新しい歯科医療技術について給付の対象とするか否かは、その普及性、有効性、効率性などを総合的に勘案し、中医協の審議を踏まえ、決定することとしている。
 なお、一般に普及していない高度な医療技術を用いた医療行為であるが、将来の保険給付の対象となる可能性のあるものについては、中医協の審議を踏まえ、まず高度先進医療として承認し、その基礎的部分について保険給付を行うこととしている。

七について

 地域における歯科健診については、老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)による実施を検討するため、市町村において平成四年度から歯周疾患予防モデル事業を実施している。なお、老人保健法の保健事業において、壮年期からの歯の健康づくりとして歯の健康教育、歯の健康相談及び家庭において寝たきりの状態にある者等に対する訪問口腔衛生指導を実施している。
 また、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)に基づく健康診断は、主として労働がもたらす労働者の健康障害の早期発見及び進行の防止を目的として、その実施が事業者に義務付けられているものであり、一般的な健康診断の項目として歯科健診を追加することは、同法に基づく健康診断の性格上なじまず、困難である。
 さらに、歯の健康管理に関する診療報酬上の評価については、平成五年九月に取りまとめられた「中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会報告」において、歯周疾患等について技術の進展や疾患の変化に伴い治療と併せて管理が重要となってきている旨指摘されているところであり、今後の中医協の議論を踏まえつつ適切に対処してまいりたい。





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