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平成八年八月七日受領
答弁第二五号

  内閣衆質一三六第二五号
    平成八年八月七日
内閣総理大臣 橋本(注)太郎

         衆議院議長 土井たか子 殿

衆議院議員今村修君提出「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」における地震動策定法と活断層評価法に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員今村修君提出「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」における地震動策定法と活断層評価法に関する質問に対する答弁書



一の1について

 昭和五十四年に大崎順彦氏が発表した基準地震動評価に関するガイドライン(以下「大崎のガイドライン」という。)がいかなる国際会議等において発表されたのかについては、承知していない。
 また、原子力委員会及び原子力安全委員会は、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」(昭和五十六年七月二十日原子力安全委員会決定。以下「耐震設計審査指針」という。)に従って基準地震動を策定するに当たって大崎のガイドラインに示された評価方法を経験式として用いること等について、あらかじめ決定等の手続を行っているものではないが、基準地震動の評価方法の妥当性については、個々の原子炉の設置許可等に係る審査等に際し、必要に応じて確認している。

一の2について

 御質問の「算定することとされている」との記載は、大崎のガイドラインに示された評価方法に関し、評価地点における震央距離が一定の計算式を用いて求められる距離より短い場合における当該地点の震源距離及び応答スペクトルの算定方法のうち実際に用いられることが予定されているものについて述べるに当たって記載されたものである。
 また、御質問の大崎順彦氏の最近の著書及び大崎のガイドラインはいずれも大崎腱彦氏によって作成されたものであると承知している。

一の3について

 耐震設計審査指針においては、基準地震動S2の決定に際し、詳細な文献調査、現地調査等に基づき存在が明らかとなっている活断層等を評価することに加え、念には念を入れるとの観点から、マグニチュード六・五の直下地震も考慮の対象に含めることとされているが、同指針は、当該直下地震の震源距離を十キロメートルと定めているわけではない。したがって、同指針においてマグニチュード六・五、震源距離十キロメートルの直下地震を想定しているとの前提に立った御質問については、答弁を差し控えたい。

二の1について

 耐震設計審査指針においては、基準地震動S2の決定に際し、詳細な文献調査、現地調査等に基づき存在が明らかとなっている活断層等を評価することに加え、念には念を入れるとの観点から、マグニチュード六・五の直下地震も考慮の対象に含めることとされているが、これは、マグニチュード六・五以下の地震では地表に断層が現れない場合もあり最悪の場合にはこのような地震を引き起こす活断層を見逃す可能性があるとの地震学、地質学等の知見を工学的に判断して定められたものであり、地震のマグニチュードが六・五を超えれば地表に必ず断層が現れると想定されているわけではない。したがって、同指針において地震のマグニチュードが六・五を超えれば地表に必ず断層が現れると想定されているとの前提に立った御質問については、答弁を差し控えたい。
 また、耐震設計審査指針は、安全審査の経験を踏まえ、地震学、地質学等の知見を工学的に判断して定められたものであり、同指針の策定に際しては、地震学、地質学等の学識経験者の参加を得て検討が行われているが、御質問の山科健一郎氏、松田時彦氏及び有山智雄氏による共著論文において示されている知見について具体的な検討が行われたかどうかは明らかでない。

二の2について

 原子力発電所等の耐震安全性の評価に当たっては地質及び地盤に関する詳細な文献調査、現地調査等が実施されているところ、御質問の山科健一郎氏、松田時彦氏及び有山智雄氏による共著論文において示されている十二例の地震については、かかる文献調査、現地調査等から得られる情報と同程度の情報が得られていないため、当該地震の活動の結果が地表又はその付近の地形及び地質構造に何らかの痕跡として認められるとの具体的な証拠を示すこと及び当該痕跡から当該地震のマグニチュードがどのように推定されるのかを具体的に説明することはできない。

二の3について

 原子炉施設の耐震設計に用いる基準地震動の策定に当たっては、一般的には、活断層及び連続する活断層と評価できるものについて地震発生前に当該活断層等による地震のエネルギー放出の中心を特定することは困難であることから、地震のエネルギーが当該活断層等全体から放出されるものと仮定し、地震のエネルギー放出の中心が当該活断層の中心付近にあるとみなされている。

二の4について

 御質問の松田時彦氏の論文からは、当該論文に記載されている六甲断層帯によるマグニチュード七・六の地震の震央を特定することは困難であるため、当該地震による「平成七年度兵庫県南部地震を踏まえた原子力施設耐震安全検討会報告書」における評価地点に対する影響の大きさは明らかでない。したがって、当該地震による評価地点に対する影響が当該報告書におけるマグニチュード7 3/4の地震による評価地点に対する影響より大きいとの前提に立った御質問については、答弁を差し控えたい。



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