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答弁本文情報

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平成九年十二月十九日受領
答弁第二〇号

  内閣衆質一四一第二〇号
    平成九年十二月十九日
内閣総理大臣 橋本(注)太郎

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員保坂展人君提出大蔵省不祥事と紀律保持に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出大蔵省不祥事と紀律保持に関する質問に対する答弁書



一の1について

 本年十一月二十八日の衆議院予算委員会において、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(昭和二十二年法律第二百二十五号)に基づく証言の中で、泉井純一証人が、田谷廣明大蔵省主計局総務課長(当時)に対して予算配分に関する依頼を行った旨述べたことから、このまま放置すれば行政の執行についてゆがみがあるとの疑念も生じかねないため、大蔵省において、その依頼の有無について田谷廣明氏に対し聴取を行ったところ、「昔のことであり記憶にない。」との回答があった。

一の2について

 一般論として申し上げれば、退官した職員の一般的な行動について調査する必要があるとは考えていないが、大蔵省としては、職員の在職中の職務執行に関し重大な疑義が生じた場合には、その当時の事情について調査を行う所存である。

一の3について

 大蔵省内に設けられた紀律保持委員会は、大蔵省職員の紀律保持を徹底し、その状況を監視するとともに、問題点、改善すべき点等があればこれについて検討を行うことを主たる目的とした組織であり、通例、個別具体的な不祥事について議論するような場ではないため、御指摘の事項を議題とした紀律保持委員会は開催していない。

一の4について

 田谷廣明氏が大蔵省主計局総務課長であった当時の公共事業担当主計官一名及び同担当主査二名に対して、三菱石油株式会社又は泉井氏から、直接又は田谷廣明氏を経由して、御指摘の陳情があったかどうかについて、既に聴取を行っているところであり、改めて調査を行う必要はないものと考える。

一の5及び6について

 大蔵省においては、不祥事があった場合には、それぞれの時点で調査を行い、その調査結果に基づいて処分が必要な場合には厳正なる処分を行った上で、必要に応じて記者発表を行い、また、国会議員からの御質問に対して誠実にお答えしているところであり、今後とも、このような方針で対処していく所存である。
 また、本件について、改めて調査を行い文書で報告することは考えていない。

一の7について

 大蔵省においては、国会議員から御質問を頂いた場合には、通例、事案に応じて既存の資料や口頭での説明によりお答えしているところであり、新たに文書を作成して回答することが必ずしも義務付けられているものではないと承知している。

一の8について

 個別の事案について、検察当局が捜査するか否か、また、犯罪の嫌疑を認めるか否かについては、答弁を差し控えたい。

二の1及び2について

 涌井洋治大蔵省主計局長によれば、「泉井氏から送られてきたのは版画であり、ピカソの絵ではなかったと思う。」とのことである。

二の3及び4について

 涌井洋治大蔵省主計局長によれば、「配送記録には、内容物は絵と記載し、金額欄には記入しなかった。また、版画であったので、配送に当たって特別の扱いを依頼したり、保険を掛けるようなことはしなかった。」とのことである。

二の5について

 涌井洋治大蔵省主計局長によれば、「受領した版画を省内の第三者に見せたり、写真を撮影するようなことはしなかった。」とのことである。

二の6について

 涌井洋治大蔵省主計局長によれば、「版画であった。」とのことである。

二の7について

 涌井洋治大蔵省主計局長によれば、「当時は、泉井氏が脱税していることは承知しておらず、『家においてあったものですから、結婚のお祝いとして』ということで贈られたので受け取ったものである。」とのことである。

二の8について

 涌井洋治大蔵省主計局長によれば、「平成七年五月二十五日に発出された「綱紀の厳正な保持について」の通達の周知徹底を図るとともに、自らも遵守してきたところである。」とのことである。

二の9について

 平成八年十二月二十六日に制定された「大蔵省職員倫理規程」によれば、大臣官房長が服する服務管理官は大臣官房秘書課長であり、また、総括服務管理官は大臣官房長である。
 また、御指摘の実情調査については、大蔵大臣の命を受けて、服務管理官である大臣官房秘書課長が涌井洋治氏本人から事情を聴取し、同人から、「私の結婚式に関する雑誌の報道を見てのことと思うが、平成七年暮れに泉井氏から額に入った版画が自宅に送られてきた。『家においてあったものですから、結婚のお祝いとして』ということであったのでいったん受け取ったが、平成八年秋に同氏に対して返却した。税務調査などに関して、泉井氏から何らかの依頼を受けたことはない。したがって、便宜を図ったということもない。」との説明があったので、その旨大蔵大臣に報告したものである。
 さらに、大蔵大臣も自ら、涌井洋治氏本人から事情を聴取し、同様の説明を受けたところである。

三の1について

 一の3についてにおいて述べたとおり、紀律保持委員会は、大蔵省職員の紀律保持を徹底し、その状況を監視するとともに、問題点、改善すべき点等があればこれについて検討を行うことを主たる目的とした組織であり、通例、個別具体的な不祥事について議論するような場ではないため、御指摘の事項を議題とした紀律保持委員会は開催していない。

三の2について

 大蔵大臣の命を受けて、服務管理官である大臣官房金融検査部管理課長及び大臣官房秘書課長が、部下職員とともに、お尋ねの件につき事実関係の調査を行ったところである。

三の3及び4について

 株式会社第一勧業銀行からの接待問題については、検査忌避という銀行法違反を行っていた銀行から、検査期間中あるいは講評の終了後といえども示達前という期間において、会食等の提供を受けていたことは、検査に対する社会的信頼を損なうものであることから、調査を行い厳しい処分を行ったところである。
 これまでのところ、このような事例は他に判明していないため、株式会社第一勧業銀行以外の銀行の検査に関する調査は行っていないが、万一、同様の重大な疑義が生じた場合には、調査を行う所存である。

三の5について

 「大蔵省職員倫理規程」の趣旨の徹底を図り、不祥事が起こらないよう努めてまいりたいと考えている。
 なお、万一、不祥事が起きた場合には、適正な調査を行い、その結果に基づいて処分が必要な場合には厳正なる処分を行った上で、必要に応じて記者発表を行うなど、適正な処理をしてまいる所存である。





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