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答弁本文情報

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平成十年五月二十六日受領
答弁第三〇号

  内閣衆質一四二第三〇号
    平成十年五月二十六日
内閣総理大臣 橋本(注)太郎

         衆議院議長 伊(注)宗一郎 殿

衆議院議員保坂展人君提出日本共産党幹部宅盗聴事件の事実認定と責任所在などに関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出日本共産党幹部宅盗聴事件の事実認定と責任所在などに関する再質問に対する答弁書



一の(1)について

 東京地方検察庁検察官は、御質問の事件に関して不起訴処分をするに当たり、電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)違反の事実について起訴猶予を理由とする不起訴処分に付された被疑者二名に対して、盗聴を指示したり、その承認を与えた者が存在したと認めるに足りる証拠はないと判断している。
 一般に、犯罪の動機には様々なものがあり、被疑者が警察官であるからといって、利欲を動機として犯罪を犯すことがあり得ないとはいえないが、本件については、同検察庁検察官は、個人的利欲に基づいて犯したものではないと認めたものである。
 なお、証拠関係に関する御質問については、捜査の具体的内容にかかわる事柄であるので、答弁を差し控えたい。

一の(2)について

 東京地方検察庁検察官は、前記被疑者両名は、その地位等に照らして本件の首謀者ないし責任者的立場にあるとは認め難いとしているが、右両名以外に本件犯行を実行し、又はこれに加功した者を認定し得るに足りる証拠はないとしている。

一の(3)について

 昭和六十二年八月四日の本件に関する当初の不起訴処分の決定に先立ち、神奈川県警察本部長から東京地方検察庁検事正に対し、本件について深く遺憾の意を表し、関係者に対し相応の懲戒処分を行うとともに、再発防止に努める旨の書面が提出されている。

一の(4)について

 東京地方検察庁検察官は、警察において、被疑者両名を懲戒処分に付したこと、その上司等を更迭して人事の刷新を図ったこと、警察庁警備局長通達を発し、情報収集活動の在り方を見直してこれを是正する措置を講じていること、神奈川県警察本部においても、本部長通達を発し、情報活動に当たっていやしくも違法のそしりを受けることがないよう全捜査員に自覚させ、適正な職務執行を図っていること等から、警察の自浄作用により、同種事犯の再発防止が十分期待できると判断したものである。
 なお、証拠関係に関する御質問については、捜査の具体的内容にかかわる事柄であるので、答弁を差し控えたい。

二の(1)について

 警察においては、昭和六十二年八月四日付け警察庁警備局長通達「情報収集活動の適正推進について」を発出し、以後十年余にわたり、国民の信頼を裏切ることのないよう、一層適正な職務執行に努めているところであり、違法な傍受が行われることはないと確信している。

二の(2)について

 我が国の行政機関においては、法令に従い、適正に職務執行を行っているところであり、違法な傍受は行われていない。
 また、各行政機関においては、平素から、職員に対し、適正な職務執行について指導等がなされている。

三の(1)について

 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第亘二十一号)第四十三条による事実の取調べについては、その方式や証拠能力に関する特段の制限はなく、裁判所の取調べに提出される資料が令状請求時の資料と同一かどうかは、資料の提出経緯、内容、捜査官の陳述等により、判断されているものと承知している。
 一般に、令状請求の際に提供した資料は、請求後の捜査を行うために必要な資料でもあるのが通常であり、請求者その他の当該捜査に関与している捜査官以外の係官が保管する取扱いとはされていないものと承知している。
 なお、捜査官が、令状請求の際に提供した資料を事後に改変すれば、懲戒処分や刑事罰の対象となる。

三の(2)について

 逮捕状、差押・捜索許可状又は検証許可状の発付の請求の取下げの理由については、逮捕等の必要がなくなったことやその要件が欠けることが判明したことなど様々なものが考えられるが、理由別に取下件数を集計した統計が存在しないので、その詳細についてはお答えすることができない。

四について

 平成十年三月十三日に国会に提出した「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案」、「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」及び「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案」の三法律案については、国会において必要な審議が行われるものと考えている。
 その余の点は、個々具体的な死刑執行に関する事項であるので、答弁を差し控えたい。





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