衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成二十五年十月十七日提出
質問第九号

介護保険等に関する質問主意書

提出者  中根康浩




介護保険等に関する質問主意書


一 政府は国民に「自助」「自立」を基本とすることを求めているが、少子高齢化社会にあって、社会保障制度の支え手が減少していて自助が困難な状況であるためやむを得ず、消費税を引き上げて「共助」や「公助」を手厚くすることにしたのではないか。
 「自助・自立」を基本とする政府の認識は誤っているのではないか。
 見解を示されたい。
二 政府は介護保険の要支援1・2を対象とする予防給付を市町村事業化するとしている。
 この場合、現行予防給付と現行地域支援事業とを合わせた予算規模が必ず確保されると考えてよいか。
 また、この場合、新しい地域支援事業の内容は市町村の裁量に任されることになり、人員運営基準もなくなるとされているが、このことにより国民は保険料を払ってもサービスは受けられないことにならないか。介護に対する国の責任放棄とならないか。
 見解を示されたい。
三 政府は特別養護老人ホームへの入居を要介護3以上に制限するとしている。
 介護保険利用者には認知症の人が多い状況で利用者に適切なサービスが提供されず、家族の負担が重くなり、家族崩壊につながる事態や認知症の人が精神科病院へ入院を余儀なくされたり、結果的に医療費増大にならないか。
 また、精神科病院へ入院する認知症患者が増えると、本来の精神科病院が認知症受け入れ病院にならないか。
 見解を示されたい。
四 介護保険において、一定の所得以上の人の自己負担割合を引き上げる「応能負担」を導入することは介護保険料を事実上の「税」化することで受益と負担の均衡を基本とする保険制度を否定することにならないか。
 また、一割負担でサービスを受けられると期待して、保険料を払っていたにも関わらず、自己負担を二割に引き上げることや、要支援1・2を保険の対象外とすることは国民との「契約違反」ということにならないか。
 見解を示されたい。
五 障がい者の六十五歳以前は、障害者総合支援法によりサービスを利用し、六十五歳以後は、介護保険に切り替わる。
 障害程度区分と要介護認定区分との性質の違いからしても、六十五歳以後も障害者総合支援法の適用が望ましいのではないか。
 また、低所得の障がい者にとって、介護保険に切り替わると負担が増加し、生活を圧迫することにならないか。
 さらに、介護保険の要支援1・2が保険の対象外になるなど、介護保険すら利用できない障がい者が生じてしまわないか。
 見解を示されたい。
六 政府が行なおうとしている介護保険における給付削減と利用者負担増でどれ程の介護費削減をめざしているのか、金額を示されたい。
 介護給付削減や利用者負担増は、介護保険を使わず、健康は自分で守れと国民に責任を押し付けるもので、国が政策として健康増進を推し進めることと矛盾するのではないか。
七 地域包括ケアシステム構築にあたっては、口腔ケアや口腔管理を通じて、疾病を予防し高齢者の生活の質の向上に寄与する歯科医療の重要性は明らかである。
 また、歯科口腔保健法では障がい者にとっての歯科医療へのアクセスが権利として明記されている。
 従って、歯科治療に困難を伴う高齢者や障がい者に対する歯科診療報酬は正当に評価されなければならない。しかし、総医療費に占める歯科の割合は七%程度(二.五兆円程度)で増えていない。
 他方、医療費や調剤費は大きな伸びを示している。
 政府は、歯科医療の健康づくりに対する役割を十分認識していないのではないかと思える。
 見解を示されたい。
八 政府は、介護保険の補足給付について、固定資産税評価額で二千万円以上の不動産、あるいは預貯金で一千万円以上を持つ人は支給対象外とするとしているのか。その金額の根拠を示されたい。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.