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平成三十年三月十六日提出
質問第一五八号

文部科学省による前川喜平氏の講演への事後的調査に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




文部科学省による前川喜平氏の講演への事後的調査に関する質問主意書


 平成三十年二月十六日、八王子中学校(名古屋市北区)から前文部科学事務次官の前川喜平氏が講師として招かれ講演(「本講演」という。)を行った。前川氏は八王子中学校の総合学習の時間の講師に招かれたもので、生徒と保護者ら約五百人を前に「これからの日本を創るみなさんへのエール」と題して講演し、不登校や夜間中学校、学び直しなどについて語った。
 三月十五日、本講演の内容や録音について、文部科学省は、名古屋市教育委員会に報告を要請していたことが報じられた。国が個別の授業について、講師の言動に関わる内容を詳細に調べることは異例である。
 文部科学省は報道機関からの取材に対し、報告の要請は地元紙で報道された内容や授業の狙いを確認するためだったと説明し、文部科学省の担当者は「プレッシャーを与えたという意識はない。問題はなかった」、「授業の狙いや、それにふさわしい講師かを確認した」との見解を示している。
 名古屋市教育委員会は録音データの提出はせず、授業内容や講師依頼の概略をまとめて報告した。しかしながら、文部科学省は、三月一日に、前川氏の講演について「どういう理由で前川さんを呼んだのか」などと名古屋市教育委員会にメールで問い合わせたと承知している。
 文部科学省初等中等教育局教育課程課長は、「いわゆる天下りの問題で、国家公務員法に抵触する方が公教育の場で授業をしたという報道があった」ためと名古屋市教育委員会へ問い合わせた理由を説明したことも報じられている。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(「地方教育行政法」という)第四十八条では「地方自治法第二百四十五条の四第一項の規定によるほか、文部科学大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県委員会は市町村に対し、都道府県又は市町村の教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言又は援助を行うことができる」と規定されているものの、教育基本法第十六条では「教育は、不当な支配に服することなく」、「教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない」と示されている。
 これらを踏まえて、以下質問する。

一 本講演について、文部科学省から名古屋市教育委員会に報告を求めていたのは事実か。
二 一に関連して、本講演の録音データの提出を求めていたことは事実か。
三 本講演に関連して、文部科学省が名古屋市教育委員会に要請していた調査項目はどのようなものか。具体的に示されたい。
四 本講演は、「これからの日本を創るみなさんへのエール」と題するもので、不登校や夜間中学校、学び直しなどについてであったと承知しているが、「それにふさわしい講師かを確認」することは、八王子中学校が判断すべきことであり、「いわゆる天下りの問題で、国家公務員法に抵触する方が公教育の場で授業をした」ことを問題視することは、法の主旨を越えた反応ではないか。政府の見解如何。
五 本講演に対する文部科学省の調査は、地方教育行政法第四十八条でいう「市町村の教育に関する事務の適正な処理を図るため」のものという理解でよいか。そうではないとすれば、どのような法的根拠に基づくものなのか。政府の見解如何。
六 文部科学省教育課程課の所掌事務を明示した上で、「いわゆる天下りの問題で、国家公務員法に抵触する方が公教育の場で授業をした」ことを確認することがどういう理由で教育課程課長の職務にあたるのであるかを明示されたい。
七 教育基本法第十六条は「教育は、不当な支配に服することなく」、「教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない」と謳っている。本講演について、文部科学省が名古屋市教育委員会に録音データの提出を求めること、「どういう理由で前川さんを呼んだのか」など説明を求めることは、公教育に対する政府の「不当な支配」にあたり、慎むべきだったのではないか。政府の見解如何。

 右質問する。



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