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平成三十年四月二日提出質問第一九四号
学校が妊娠を理由として生徒に退学を勧めることに関する質問主意書
提出者 逢坂誠二
学校が妊娠を理由として生徒に退学を勧めることに関する質問主意書
教育基本法第四条では「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」と示されている。
文部科学省が全国に三千五百七十一校ある全ての公立高校を対象に初めて調査(「本調査」という。)を行ったところ、平成二十七年度および二十八年度の二年間に学校が生徒の妊娠を把握したケースは二千九十八件だった。
この中で妊娠を理由に退学した女子生徒は六百七十四人であり、このうち学校から退学を勧められ、自主退学した生徒は三十二人であったと承知している。文部科学省は、三月三十日、高校が安易に退学を勧めないよう全国の教育委員会などに通知を行ったと承知している。
なお、本調査で明らかになった高校が退学を勧めた理由は、「母体の状況などから学業の継続が難しいと判断した」、「本人の学業継続がほかの生徒に影響すると判断した」、「学校の支援体制が十分でなく、本人の安全確保ができない」などであった。
これらを踏まえ、以下質問する。
二 文部科学省は、高校が安易に退学を勧めないよう全国の教育委員会などに通知を行うのみならず、これまで意に反して退学した生徒に対して、貧困の連鎖につながりかねないため、本人が望めば復学を認めるなどの支援措置のあり方を模索すべきではないか。
三 平成二十七年度、京都市の高校では妊娠中の生徒に体育の実技を求めた事案があったことを承知している。文部科学省の作成している高等学校学習指導要領の冒頭には教育基本法が掲げられ、教育基本法を尊重する姿勢が示されている。文部科学省が「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず」と考えるのであれば、妊娠中の生徒で、学業を続ける意思がある者については、体育の授業などで母体に影響が生じかねないカリキュラムでは、「母体の状況などから学業の継続が難しい」と突き放すのではなく、代替え措置を講じるべきなどの要請を全国の教育委員会に行うべきではないか。
右質問する。